債務整理を司法書士に依頼することをおすすめする4つの理由

執筆者

西岡合同事務所

司法書士 西岡 容子

債務整理をしようとする人が最初に心配になることは「司法書士に依頼したら費用がどのくらいかかるのだろうか?」とか「借りたことを怒られたりしないだろうか?」という点ではないでしょうか。

しかし、債務整理を滞りなく終え、安心して再スタートを切るためには専門家に依頼する方がよいことが多いといえます。

では、具体的に「司法書士に債務整理を依頼することにどんなメリットがあるのか」を考えてみましょう。

費用をかけた分、時間を節約できる

法律家に頼むとやはり費用がかかることは避けられません。そこがネックになって相談に行けない人は多いのではないでしょうか。

しかし、現在では昔と違って「インターネットで検索し、費用の相場についてあたりをつける」ということもできます。

自分でしっかり下調べをしておけば、たまたま行った事務所が非常に高いところでそれに気づかず依頼してしまうということは防げるはずです。

また、無料相談だけできる事務所もたくさんありますので、ひとまず手続きの見通しや報酬の概算額を確かめた上で、一番納得のいく事務所に頼むという方法もあるでしょう。

「見積りを出してください」と頼んで嫌な顔をするような事務所には依頼しなければいいだけの話です。そのような意味で現在は、依頼者にとって非常に有利な要素が多い時代といえるのです。

どこに頼んでもそれなりの費用はかかるでしょうが、それと引き換えに得られるものは「時間と手間の節約」です。

特に仕事を持っている現役世代はいちいち貸金業者から「取引履歴」を取り寄せて計算し、必要な書類を集め、電話などで交渉し、といった手間暇をかけている余裕はないはずです。

多重債務者の中には「メインの会社だけでは生活が成り立たないため仕事をかけもちしていて、それだけで手いっぱい」という人もいます。それだけに時間の節約というのはかなり大きなメリットとなるはずです。

貸金業者とのやりとりを丸投げできる

これも債務者本人の時間的、心理的負担を大きく和らげる要素です。

多重債務に陥ると、毎日毎日色々な貸金業者から電話がかかってきて、朝から晩まで借金のことしか考えられなくなってしまいます。

しかし、司法書士に依頼をして、法律家から債権者に受任通知を出せば、それ以降は債権者から債務者への直接の連絡をしてはならないことになっています。

それ以降は司法書士が適正な利息で引き直した金額をもとに債務整理の方針を考え、もし任意整理による債権者との交渉が必要な場合もすべて窓口になってやってくれます。

債務者がやることといえば自分の月々の返済可能額を考え、司法書士と一緒に返済計画を練ることくらいです。

貸金業者からの電話や手紙による取り立てで疲労しきっていた人でも、司法書士に依頼したことで電話が鳴りやみ心の平穏を得られますので、それにより顔つきが全く変わってくることもあります。

手続き選択を誤る、手続きが滞ることがない

自分で債務整理する際に一番危険なのが「本当は過払い金があったのに気付かなかった」などの致命的なミスをおかす危険があることです。

債務整理の過程で非常に大切な「高金利業者との取引を利息制限法に直して計算する(引き直し計算)」は、初めてする人ではやり方がわからなかったり間違いが起こりやすいものです。

しかし、ここで間違えると手続きの種類自体の選択を間違えるなど致命的な事態を引き起こします。

「利息計算ソフト」という便利な道具もあるのですが、それでも使い方に慣れていないとミスが起きる可能性があります。

もし最初の手続選択を適切にできたとしても、その後にさまざまな壁が待っています。

たとえば、任意整理の手続きは、以前ほど簡単なものではなくなっています。そもそも、貸金業者に「任意整理を自分でやりたい」と申し入れても大体の場合は拒絶されるでしょう。「法律家の先生に頼んでください」の一言で済まされてしまうはずです。

また、個人再生自己破産は裁判所の手続きですから揃える書類が非常に多く、ここで挫折する人が数多くいます。

必要な書類を調べられても何をどこで取ればいいか、期限はどうなっているのかなど慣れていなければとても難しく感じられるものです。

もし司法書士に依頼した場合、最初の段階での引き直し計算はもちろん、その後の手続き選択、そして書類の準備や申立書の記載などひととおり任せられますので、あとは指示があったものを揃えたり、聴き取りに応じるだけです。

もし書類の取得方法がわからなくても依頼した事務所であれば気軽に質問できますし、申立て後に裁判所から補正などがあった場合でもすばやく対処してもらえます。

家計のアドバイスもしてもらえる

きちんとした司法書士事務所であれば、債務整理中のことだけではなく、債務整理が終わった後のことまで考えてアドバイスをもらえるはずです。

たとえば個人再生や自己破産では家計収支表3ヶ月分程度を提出しますが、この中身を一緒に検討し、どのようなところが問題なのか、無理なく家計を回していくには何に気をつけたらよいのかなどを一緒に考えてくれます。

債務整理は、目の前にある債務をチャラにする、あるいは減額すればそれで全面解決というものではありません。今の借金を片付けた後にしっかり生活を立て直していかなければまた同じことになってしまうのです。

「借りたことに対して怒られたりしないだろうか?」と心配する人もいるのですが、もちろん一部にそのような間違った対応をする事務所もないわけではありません。

しかし、ほとんどの事務所は債務者本人と一緒に解決方法を考え、借金生活に逆戻りしないような前向きなアドバイスをくれるはずです。

どうしても心配なのであれば、あらかじめ無料相談を通じて司法書士との相性を確かめ、「この人なら信頼できる」と思った人に依頼するようにすれば問題ありません。相談することが怖くて踏み込めず、いたずらに時間ばかり過ぎてしまっては事態を悪化させるだけです。

債務整理は、相談が早ければ早いほど解決のための選択肢が増えることが多いのです。つまり、まだ返済できるだろうか?早すぎるだろうか?というくらいのタイミングで相談することが余裕を持った解決をするための秘訣といえます。

任意売却の流れ | 相談から決済完了まで

監修者

元弁護士ライター 福谷 陽子

任意売却は、住宅ローンの支払いが難しくなった場合に、債権者(金融機関)と合意の上で不動産を売却することです。

競売と比べると高い価格で売ることができる上、債権者との話し合いによって引っ越し代なども出してもらえる可能性があることから、できることなら競売よりも優先的に検討したい方法です。

ここでは、不動産業者への相談~決済完了まで、任意売却の流れについて詳しくご紹介します。

任意売却のおおよその流れ

任意売却は、個々のケースによっても多少異なりますが、おおよそ以下の流れで進められます。

  1. 不動産業者への相談
  2. 物件の査定と評価
  3. 不動産業者との媒介契約
  4. 債権者との交渉
  5. 売却活動
  6. 債権者との最終合意
  7. 売買契約の締結と決済

手順としては、まず債務者が任意売却を依頼する不動産業者を選んで相談し、売りたい物件の査定をしてもらうことからスタートします。

その後、不動産業者と契約を結び、債権者と交渉をして了承を得た上で、売却に向けて動く、という流れです。

次に、一つひとつの手順を詳しく解説していきます。

STEP1-不動産業者への相談

任意売却をする際は、まず任意売却を依頼する不動産業者を選びます。物件をできるだけ高い価格で売るためにも、業者選びは非常に大切です。

インターネットで調べるだけでも、「任意売却はプロにお任せください!」とうたう不動産業者はたくさん見つかります。その中から一社を選ぶのはなかなか難しいものですが、任意売却の経験豊富な業者を中心に探してみましょう。

また、残った債務の支払いや、今後の生活再建なども含めたトータルサポートをしてくれる業者を選ぶことが大切です。

ちなみに、住宅ローンを滞納した時点で、債権者(金融機関)から「返済が難しそうであれば、任意売却の業者をご紹介しましょうか」と提案されることもあります。債権者にとっても、競売にかけるよりは任意売却してもらったほうが多くのお金を回収できる可能性があるからです。

しかし、債権者が紹介する不動産業者に依頼した場合、債権者にとって都合のいい取引になってしまい、債務者にとっては不利な条件で決着がつくリスクがあります。ですから、なるべく自分で選んだほうが安心です。

STEP2-物件の査定と評価

相談後、業者が物件の調査を行ない、査定価格を算出します。

任意売却物件の査定は、通常の不動産とは異なり、債権者が納得できる価格をつけることが大切になります。

もちろん、高く設定したほうが債権者にとっては多くのお金を回収できるため望ましいのですが、あまり高くしすぎると買い手がつかないリスクがあります。かといって、低くしすぎると競売と変わらない価格になるおそれがあり、債権者の同意を得られなくなってしまいます。

このように、任意売却物件の査定には微妙な調整が必要になることから、やはり実績のある業者を選びたいところです。

STEP3-不動産業者との媒介契約の締結

話がまとまったら、業者と契約を結びます。

不動産業者との契約には、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類がありますが、任意売却の場合、一社にだけ任せる「専属選任媒介契約」もしくは「専任媒介契約」のいずれかを締結することが一般的です。

そのほうが、債権者との交渉の窓口が一本化されるためスムーズに話が進みますし、個人情報が守られるメリットもあります。

ちなみに専属専任媒介契約を結んだ場合は、債務者が自分で買主を見つけてくることはできず、必ずその業者に仲介をしてもらう必要があります。専任媒介契約では可能ですが、違約金が発生します。

STEP4-債権者との交渉

任意売却における不動産業者の重要な役割に、債権者との交渉があります。

任意売却をするためには、債権者(金融機関)の合意が必須です。通常の中古物件と異なり、任意売却物件には住宅ローンが残っていますので、債権者が抵当権を持っています。

その抵当権を外してもらわなければ、買主に所有権を移転することができないため、「いくらで物件が売れれば抵当権を外してもらえるか」を債権者と交渉しなくてはいけないのです。

また債権者が複数いる場合は、すべての債権者の同意を得る必要があります。たとえば不動産担保ローンを組んでいる場合、そのローン会社も抵当権を持っているわけです。

さらに、(連帯)保証人がついている物件の場合は、保証人の同意も必要となります。任意売却後の残債も、主債務者と連帯保証人が連帯して支払うことになるからです。

STEP5-売却活動

利害関係者と話がまとまったら、いよいよ物件の売却活動開始です。新聞広告やインターネットへの掲載などを行ない、買い手を見つけます。

また、任意売却は競売と異なり、購入希望者の内覧に対応する必要があります。早く買い手がつくよう、内覧時には部屋をきれいに片づけるなどして、いいイメージを作ることも大切です。

STEP6-債権者の最終合意を得る

買い手が見つかったら、債権者と最終調整を行ないます。

残った債務の返済方法や、滞納している税金や管理費、また債務者の引っ越し代の負担などについても業者が債権者と交渉し、任意売却に同意してもらいます。

STEP7-売買契約締結と決済

債権者の同意を得られれば、買主と売買契約を結びます。

そして決済が完了したら、債権者への債務の返済や、抵当権の抹消登記手続き、債務者への引っ越し代の支払いなどが行なわれ、買主に物件が引き渡されます。

これにて、任意売却は無事に完了です。

任意売却にかかる費用はどれぐらい?

このように、任意売却には不動産業者の果たす役割が非常に大きいため、「かなりの報酬を払わなくてはいけないのでは?」と不安になる方も多いかもしれません。

しかし、任意売却で不動産業者に支払うお金は「仲介手数料」のみです。しかも成功報酬となっているため、実際に物件が売れて初めて支払います。

仲介手数料は、宅地建物取引法という法律の中で「成約価格の3%+60,000円+消費税」(売却金額が400万円超の場合)と決められていますので、どの業者であっても一律です。

たとえば1,500万円で物件が売れた場合、550,800円が仲介手数料となります。これは債務者が用意するのではなく、物件の成約代金から差し引かれるものです。

つまり、債務者が自腹で用意しなくてはいけないお金は基本的にありません。それどころか、債権者との交渉しだいでは、新居への引っ越し代や、敷金・礼金なども出してもらえる可能性があります。

任意売却をする時点で、債務者は経済的にかなり苦しい状況にあることがほとんどですので、負担なく売却ができるようなシステムになっているのですね。

任意売却をするにあたって費用の面で心配することはありませんので、安心してまずは相談から始めましょう。

任意売却と競売徹底比較!

監修者

元弁護士ライター 福谷 陽子

住宅ローンを途中で支払えなくなり、しかも売却しても足が出る場合、合法的な解決方法としては「任意売却」と「競売」の2つがあります。

任意売却と競売の大きな違いは、住宅を売却する主体は誰か、ということです。

任意売却は、不動産の所有者が債権者(金融機関)の合意を得た上で、不動産業者を通して売却しますが、競売では債権者の申し立てによって、裁判所が売却を行ないます。

その他、売却価格や売却までにかかる期間、また所有者の処遇などに違いがあり、全体的にみると任意売却のほうがメリットは大きいといえます。

任意売却と競売の違いについて、さまざまな観点から徹底比較していきます!

任意売却とは?

住宅ローンをすでに完済している場合、もしくは物件を売却したお金で完済できる場合は、通常の売却が可能です。しかし、売却しても残債が残るような場合は、別の方法を考える必要があります。

そんな時の選択肢の一つが、「任意売却」です。

任意売却は、住宅ローンの融資を行なう金融機関との合意にもとづき、不動産を市場価格で売却することを指します。銀行と所有者が協力して行なうものです。

本来、住宅ローンを支払えなくなった場合は、債権者(金融機関)が抵当権を実行して不動産を差し押さえ、競売にかける権利があります。

しかし、下で詳しくご紹介しますが、競売は落札までに時間がかかる上、市場価格の60%~70%でしか売れないことが多いため、十分な金額を回収することができません。

そこで、債権者と債務者、さらに仲介者(不動産業者)が間に入り、競売にかけずに不動産をできるかぎり適正な価格で売却できるようにするのが任意売却です。

競売と異なり、所有者が自分の意志(任意)で売ることから、任意売却と呼ばれています。

任意売却のメリット

任意売却には、競売と比べて多くのメリットがあります。

  • 競売より高い価格で売却できる
  • すみやかに売却できる
  • 引っ越し費用を捻出できる可能性がある
  • 諸費用の負担が少ない
  • プライバシーが守られる
  • 場合によっては住み続けることも可能

競売より高い価格で売却できる

競売の場合、落札価格の相場は市場価格の60%~70%といわれています。

しかも、1回目の入札で落札されなかった場合、2回目、3回目と進むたびに20%~40%程度の割合で売却基準価格が下がっていくため、時間がたてばたつほど低価格でしか売れなくなります。

一方、不動産業者が仲介する任意売却では、市場価格に近い金額での売却が可能です。その結果、競売と比較すると住宅ローンの残りも少なくなり、生活も再建しやすくなります。

すみやかに売却できる

競売では、競売開始決定から落札までに最低でも半年ほどかかることが一般的です。場合によっては、さらに長い期間かかることもあります。

競売では、金融機関の申し立てを受けて裁判所が売却を行うため、執行官(地方裁判所の職員)による物件の調査や、それをもとにした物件明細書の作成など、さまざまな手続きに時間がかかってしまうことが一因です。

また、上述したように1回目の入札で落札されなければ、さらに時間がかかることになります。その間、物件の価値はどんどん下がる一方です。

一方、任意売却では不動産業者が売却を担当するため、競売と比べてスピーディに手続きが進みます。

引っ越し費用を捻出できる可能性がある

競売では、売却代金がすべて債権者への返済にあてられるのに対し、任意売却では債権者との交渉により、引っ越し費用を出してもらえる可能性があります。

これは、競売が裁判所による強制力の強い手続きであるのに対し、任意売却は債権者との話し合いによるところが大きいからです。

任意売却では引っ越し費用や新居の敷金・礼金のほか、引っ越しの時期や残った住宅ローンの返済方法についてまでも、比較的柔軟に対応してもらえます。

諸費用の負担が少ない

任意売却では、不動産業者への仲介手数料や、滞納している固定資産税・マンションの管理料なども売却代金の中から支払うことができます。

そのため、費用負担が少ない点が大きなメリットです。

プライバシーが守られる

不動産が競売にかけられると、「競売物件」として新聞やインターネットに情報が掲載されますし、関心を持った不動産業者が様子を見に来ることなどがあるため、知人や近所の方に事情を知られてしまうリスクがあります。

しかし任意売却では、普通の中古物件と同じように販売されますので、周りからは「家を売って引っ越すんだな」としか思われません。

場合によっては住み続けることも可能

任意売却では、身内や知人、もしくは投資家の方に物件を買い取ってもらうことができれば、そのまま家に住み続けられる可能性もあります。

たとえば、資金に余裕のある方にお願いして買い取ってもらい、その後は家賃として月々お金を支払っていく、ということもできるのです。

任意売却のデメリット

一方、任意売却にもいくつかのデメリットがあります。

  • 利害関係者との交渉に手間がかかる
  • かならず任意売却できるとは限らない
  • 内覧に立ち会う必要がある

利害関係者との交渉に手間がかかる

任意売却を行なうためには、債権者はもちろん、保証協会や保証会社などの保証人がいる場合はそちらの了承を得る必要もあるため、手続きや交渉にやや手間と時間がかかってしまいます。

ただし、これらの交渉は不動産業者が代行してくれることが一般的です。

かならず任意売却できるとは限らない

債権者や保証人の了承が得られない場合や、税金・管理費などを多額に滞納してしまっている場合、すでに競売の手続きが進んでいる場合などは、任意売却が難しくなります。

たとえば固定資産税を滞納しすぎている場合、すでに市町村が不動産を差し押さえてしまっている可能性があります。こうなると厄介ですので、なるべく早めに不動産業者に相談することが大切です。

内覧に立ち会う必要がある

競売と異なり、任意売却では購入希望者に建物の中を見せる必要がありますので、その都度立ち合いが必要です。

不動産競売とは?

競売とは、住宅ローンや不動産担保ローンなどの支払いが困難になった場合、債権者(金融機関など)が不動産を差し押さえ、裁判所に申し立てを行なって売却する手続きのことです。

任意売却が、債権者と債務者、不動産業者の3者の協力によって行なわれるのに対し、競売では債権者の申し立てを受けて、裁判所が物件を売却します。

競売のデメリット

競売は、任意売却と比べるとデメリットの多い売却方法です。おもに以下の3点が問題となります。

  • 市場価格より低く売却されてしまう
  • 市場価格より低く売却されてしまう
  • 住宅ローンの残債がたくさん残る
  • 住宅ローンの残債がたくさん残る
  • プライバシーが守られにくい

市場価格より低く売却されてしまう

競売物件は、市場価格と比べて低く売却されることが一般的です。また前述したとおり、1回の入札で落札されなかった場合、2回目、3回目と進むにつれてさらに価格は下がっていきます。

競売物件がなぜ安いのかというと、通常の中古物件に比べてリスクが大きいことが主な理由です。

たとえば、競売物件は建物の中を見学できない場合が多く、執行官が撮影した写真のみで判断する必要があります。しかも現状渡しが原則ですので、ふたを開けてみれば予想外の修繕費がかかる可能性もあるのです。

また、落札後も前所有者が家に居座り続けることもあり、その場合は明け渡しの交渉を落札者が行なう必要があります。裁判所に「引き渡し命令」の申し立てを行なうことで、強制的に前所有者を立ち退かせることも可能ですが、相応の費用と労力がかかります。

こういったリスクがあることから、競売物件は市場価格より安く売られてしまうのです。

住宅ローンの残債がたくさん残る

市場価格より安く売却されるということは、当然ながら債権者に渡る金額も少なく、住宅ローンの残債が多く残ることになります。

つまり、競売で家を売っても引き続き借金地獄におちいる可能性があるということです。

競売後の残債を支払うことができないために、自己破産の選択をする人も少なくありません。

プライバシーが守られにくい

物件が競売にかけられると、その情報は裁判所で閲覧できるのみならず、新聞や裁判所のホームページなどでも見ることができます。

また、競売にかかった物件を見るために不動産業者が周りをウロウロしたり、訪問してきたりすることもあります。

上記のほかにも、「売却までの期間がかかる」「落札者が引っ越し代を出してくれるとは限らない」などのデメリットもあります。

競売のメリット

一方、競売にメリットがあるとすれば以下のような点が挙げられます。

  • 債務者の手間がかからない
  • 落札されるまで住み続けることができる

債務者の手間がかからない

債権者が申し立てれば、競売の手続きは自動的に進んでいきますので、立ち退きを迫られるまで債務者は特に動く必要はありません。

落札されるまで住み続けることができる

競売は、任意売却に比べると売却までにかかる期間が長いため、競売にかけられることが決定してもしばらくの間は住み続けることができます。

ただし、その間も「遅延損害金(延滞している元金に対して付く損害金)」が加算され続ける点に注意が必要です。

任意売却と競売の比較表

任意売却と競売の違いをまとめてみましょう。

比較項目 任意売却 競売
住宅ローンの残債
  • 市場価格に近い値段で売れるため、残債が比較的少ない
  • 債権者と、残債の返済方法を相談できる
市場価格より低く売却されるため、残債が多く残る
売却までの期間 スピーディ 最低半年~
引っ越し費用 債権者との話し合いの上、捻出してもらえる可能性がある 原則自己負担
滞納した管理費や固定資産税などの諸費用 売却代金から支払うことができる 原則自己負担
立ち退き
  • 引っ越しの時期などについて、債権者と相談できる
  • 身内や投資家が買い取れば、そのまま住み続けることも可能
落札者や執行官によって強制退去を求められる
プライバシー 任意売却であることは周りにわからない 競売の情報は、新聞やホームページなどで閲覧できる
債務者の手間 不動産業者への相談や、内覧の立ち合いなどが必要 特になし

このようにみると、競売よりも任意売却のほうが、債務者にとってはメリットが大きいことがわかります。特に、高く売れると、債権者にとってもありがたいものです。

そこで、競売にかけられてしまう前に任意売却ができないかどうかを、不動産業者に相談してみることをおすすめします。

多くの不動産業者が任意売却の相談を受け付けていますが、特に任意売却の実績が豊富で、債務者の生活再建も含めたトータルサポートをしてくれる業者を選ぶようにしましょう。

もし不動産業者の選び方がわからない場合は、専門の相談員がアドバイスをしてくれるサービスを利用するのも一つの方法です。

たとえば「一般社団法人 全日本任意売却支援協会」では、無料で任意売却の相談に応じています。

また、住宅ローン以外にも借金があって整理したい場合や、自己破産を考えているような場合には、弁護士に相談するのがおすすめです。

なるべくいい条件で解決できるよう、住宅ローンの支払いで困った場合はぜひ専門家に相談してみてください。

離婚時に家を任意売却するべき3つのケース

監修者

元弁護士ライター 福谷 陽子

3組に1組の夫婦が離婚するといわれる日本ですが、住宅を所有している場合、その家をどうするか、という問題も立ちはだかります。

夫婦のどちらもその家に住む意思がない場合、もしくは住宅ローンや固定資産税の支払いが大変な場合には、離婚と同時に家をスッキリと手放すことも検討してみましょう。

家を手放す方法には、「通常の売却」「任意売却」「競売」などがあり、住宅ローンの残債や返済状況などによって選べる方法が異なります。

ここでは、特に任意売却をするメリットと任意売却すべきケースをご紹介していきます。

持ち家を手放す3つの方法とは?

住宅を手放す方法は、大きく分けて以下の3つです。

1.通常の売却

所有者が自由に持ち家を売却することです。これができるのは、以下のケースになります。

  • 住宅ローンをすでに完済している場合
  • 売却したお金で住宅ローンを完済できる場合
  • 売却したお金と自己資金で住宅ローンを完済できる場合

いずれにしても、住宅ローンを完済できる場合に限り可能な方法です。

2.任意売却

所有者が債権者(金融機関)の合意を得て、不動産業者の仲介で物件を売却することです。

任意売却は、自宅を売却しても住宅ローンを完済できない、いわゆる「オーバーローン」の場合に行なわれます。

本来、住宅ローンの返済が難しくなった場合は、債権者が物件を差し押さえて競売にかけることができるのですが、競売では市場価格より低い価格でしか売れないため、債務者にとってはローンの残債が多く残ることになります。また、債権者にとっても回収できるお金が少なくなってしまうのです。

一方、任意売却は不動産業者の仲介で物件を市場価格で売却できますので、競売よりも高く売ることができます。

そのほうが、債権者としても回収できるお金が多くなりますし、債務者にとっても残債を大きく減らすことができて有利になります。

さらに任意売却では、これまで固定資産税やマンションの管理費などを滞納してきた場合、その費用も売却代金から支払えますし、債権者との交渉しだいでは、新居への引っ越し代も捻出してもらえる可能性があります。

競売と比べると、何かとメリットの多い方法です。

3.競売

競売は、債権者の申し立てによって裁判所が物件を強制的に売却する手続きのことです。

競売も、任意売却と同じく「自宅を売却しても住宅ローンを完済できない場合」に行なわれますが、前述したように任意整理と比べると低い価格でしか売ることができないことが多いです。

ただし、場合によっては競売を避けられないこともあります。たとえば、固定資産税やマンションの管理費などをかなり滞納している場合や、任意売却で買い手がつかなかった場合、そもそも債権者が任意売却に合意しなかった場合などです。

いずれにしても、競売はすでに住宅ローンの返済が難しくなっている場合に行なわれます。

離婚にともなって家を任意売却するべき3つのケース

自宅の売却方法のうち、もっとも望ましいのは通常の売却ですが、住宅ローンの残債の額によっては難しい場合もあるでしょう。

そんな時、前向きに検討したいのが任意売却です。

離婚では、たとえば以下のようなケースにおいて任意売却が役立ちます。

1.一人では住宅ローンを支払っていけない場合

共働きの夫婦の場合、離婚によって一人になった夫(妻)が住宅ローンを支払っていくだけの余裕がなくなることもあります。

さらに、「今の段階で家を売ってもローンは完済できない」という場合は、任意売却を前向きに考えたいところです。

任意売却は、債権者との話し合いによるところが大きいため、いろいろと融通をきかせてもらえる可能性があります。

たとえば1,500万円の住宅ローンが残っていて、任意売却をすると1,200万円で売れる場合、残りの300万円をどのように支払っていくかを交渉することができるのです。

場合によっては、返済額を見直してもらうことで月々の負担がかなり軽くなる場合もあります。

2.夫や妻が住宅ローンの連帯保証人になっている場合

たとえば夫の名義で住宅を購入し、妻が連帯保証人になっている場合、離婚の際には妻が「連帯保証人を外れたい」と思うのが普通です。

また、連帯保証人よりも責任の重い「連帯債務者」になっている場合もあります。

いずれにしても、離婚したからといって連帯保証人や連帯債務者の役割から自動的に逃れることはできません。

どうしても外れたい場合は、自分と同等、もしくはそれ以上の収入がある人を連帯保証人として立てるか、別の不動産を担保に入れる、またはほかの金融機関でローンを組みなおす、などの方法をとる必要があります。

しかし、いずれの方法もそう簡単にいかないのが現状です。

とはいえ、そのまま離婚して将来的に元夫が住宅ローンを滞納してしまうと、元妻に督促が来てしまいます。

このような場合、思い切って住宅を処分するのも一つの方法です。もっとも望ましいのは、売却によって住宅ローンを完済できるケースで、これなら負債もなくなりますし、余ったお金は財産分与することができます。

一方、売却しても住宅ローンを完済できない場合は、任意売却を検討します。任意売却では市場価格で売却できますので、競売にかけられるよりは住宅ローンの残債が減り、返済が楽になる可能性があります。

ただし、任意売却した後のローンの残債にも連帯保証人の支払い義務がある点に注意が必要です。たとえば残債を元夫が支払うことになった場合でも、滞納してしまえば元妻に請求が来てしまいます。

残債の返済方法についてはあらかじめ夫婦間でしっかりと話し合うことが大切です。不安な場合は、弁護士に相談してアドバイスをもらうといいでしょう。

3.元夫名義の家に、元妻が住み続けている場合

離婚後、養育費や慰謝料の代わりとして、元夫名義の家に元妻と子どもが住み続ける、というケースもあります。

元夫がコンスタントに住宅ローンを返済してくれれば何も問題はないのですが、人生いつどうなるかわからないものです。ある時急に、元夫から「ローンを支払えなくなった」と言われてしまう可能性もあります。

そんな時も、任意売却なら家を出て行かずに済む可能性もゼロではありません。任意売却では、資金力のある身内、もしくは投資家などに物件を購入してもらうことで、そのまま住み続けられる可能性もあるのです。

実際、こうしたケースに協力してくれる投資家もおり、物件を購入した投資家と賃貸借契約を締結し、家賃を払うことで家に住まわせてくれることもあります(これを「セル&リースバック」といいます)。

近年、任意売却とセル&リースバックを組み合わせた取引が増えていて、自宅を任意売却した後もそのまま住み続けられるケースも少なくないのです。

家の名義人が元夫であれば、元夫に任意売却に協力してもらう必要がありますので、まずはしっかりと話し合うことが大切です。

まとめ

住宅ローンが残っている状態で離婚する場合は、住宅をどうするのかについて慎重に考える必要があります。

万が一、将来的にローンを支払えなくなって滞納してしまうと、別れたパートナーに請求が行ったり、住宅を差し押さえられて競売にかけられたりするリスクもあるからです。

離婚後、住宅ローンを支払っていくのが難しそうな場合や、ローンのことで双方が不安を抱えることになる場合は、任意売却という選択肢を考えてみることをおすすめします。

裁判所から「支払督促」が届いた場合にすぐにやるべき2つのこと

監修者

元弁護士ライター 福谷 陽子

借りたお金を延滞していると、裁判所から「支払督促申立書」が届くことがあります。

支払督促とは、債権者(貸主)からの申し立てによって、簡易裁判所が債務者(借主)に対してお金の支払いを督促する手続きのことです。

裁判所からこのような通知が届くと、パニックになる人も多いと思いますが、この段階で財産や給与を差し押さえられることはありません。

ただし、放置してしまうと強制執行の手続きに移るため、早めに手を打つ必要があります。

ここでは、裁判所から支払い督促が届いた場合にとるべき行動についてご紹介します。

支払督促とはどんなもの?

借りたお金を延滞すると、最初は貸主から電話や手紙などで催促されますが、それでも返済しなかった場合、簡易裁判所から「支払督促申立書」が届くことがあります。

支払督促申立書とは、債権者(貸主)の申し立てによって、簡易裁判所が債務者(借主)に送付する督促状です。しかも、基本的には一括で支払うよう求められます。

訴訟と異なり、支払督促は債権者側の申し立て内容だけを審査して行なわれる上、時間や費用もあまりかからないことから、業者がよく使う法的手段の一つです。

支払督促申立書は、「特別送達」という特殊な郵便物で届きます。

債務者が個人の場合、自宅あてに送る決まりとなっているため、勤務先に送られてくることはありません(会社内に住み込んでいたり、住民票の住所として会社名が記載されていたりするケースを除く)。

また特別送達は、正当な理由なく受け取りを拒否することはできません。もし正当な理由なしで受け取りを拒んだ場合、郵便局員がその場に郵便物を差し置くことで送達が完了したとみなされますので、必ず受け取ることが大切です。

郵便局員は、送達が完了したという旨の書類(郵便送達報告書)を作成し、差出人である簡易裁判所に提出します。

支払督促を無視するとどうなるのか?

支払督促申立書を受け取ったら、早めに行動する必要があります。

というのも、申立書を受け取ってから何もせずに14日以上経つと、次の段階へと進み、今度は「仮執行宣言付き支払督促申立書」が裁判所から送られてくるからです。

これは「異議申し立てがなかったため、借金を認めたものとみなし、強制執行(仮執行)の手続きに移りますよ」という通知になります。仮執行宣言が付されると、申立人はすぐにでも強制執行の手続きをとることが可能です。

仮執行宣言付き支払督促申立書が届いた後でも、14日以内であれば債務者は異議申し立てができます(その場合、通常の民事訴訟に移行します)が、強制執行を止めることはできません。

さらにこの申立書も無視すると、法的に借金の存在が認められて、もはや異議申し立てができなくなります。ですから、支払督促申立書を受け取った時点で行動することが大切なのです。

まずは、すみやかに「異議申し立て」を行なう!

支払督促申立書が送られてくる際には、「督促異議申立書」という書類も同封されています。

もし「この借金に身に覚えがない」「金額に納得できない」「一括で支払うのは難しい」などの事情がある場合は、支払督促申立書を受け取ってから14日以内に、督促異議申し立て書を使って異議申し立てを行ないます(督促異議申立書は、裁判所の窓口にも備え付けてあります)。

この時点では、異議の理由については問われませんので、「異議あり」の旨を書いて提出するだけで問題ありません。それが受理されると、その後は民事訴訟の手続きへと移ります。

14日を過ぎてしまうと、上述の通り次のステップに進んでしまいますので、必ず14日以内に異議申し立てをすることが大切です。

異議申し立て後の流れ

異議申し立てをすると、裁判所から「訴状」「答弁書催告状」「口頭弁論期日呼び出し状」などの書類が届きます。

「訴状」とは、債権者側が訴えの内容を記して裁判所に提出したものです。借金の場合、「○○円の借金があり、△ヵ月以上支払いがないため、一括請求します」というような内容になっています。

この場合、答弁書を作成しなければなりません。「答弁書」とは、その訴えに対して債務者が希望を書くものです。たとえば「一括返済は不可能のため、月○万円の分割払いを希望します」というように記入します。

そして「口頭弁論期日呼び出し状」は、裁判所への出廷の日時について書かれたものです。「○月△日に××裁判所に来てください」と書かれているため、その日時に出廷できるようスケジュールを調整します。

どうしても事情があって行けない場合は、日時を変えてもらえないかどうか裁判所に問い合わせます。

期日に裁判所に行くと、まずは法廷に通されます。法廷には裁判官や書記官のほか、傍聴者がいることもありますが、法廷で行なわれるのは事実確認が主で、それほど時間はかかりません。

その後は別室で、債権者と訴訟上の和解に向けて話し合いが行われることが多いです。債権者側も、一括返済が難しいことはあらかじめ分かっているため、多くの場合は和解が成立します。

和解後は、裁判所書記官が和解調書を作成します。和解調書は確定判決と同じ効力を持つため、後から不服を唱えたり、和解で解決した内容を再び訴訟で争ったりすることは原則としてできません。

また和解の際は、話し合いで決めた支払いが万が一とどこおった場合に備えて、「過怠約款(かたいやっかん)」という約束事を決めることが一般的です。

たとえば分割払いで合意した場合、「2回以上返済を延滞した場合は残りを一括返済し、さらに遅延損害金もつける」などの取り決めをします。

ですから和解した後は、必ず約束通りに返済していくことが大切です。

ちなみに、これら一連の手続きはすべて自分で行なうことも可能ですが、弁護士や司法書士に依頼して代理人になってもらうこともできます。その場合、債務者本人は法廷に足を運ぶ必要はありません。

支払督促に不満がある、もしくは返済が難しい場合は弁護士に相談する!

上記は、支払督促申立書の内容に問題がなく、前向きに支払っていくパターンですが、もし「そもそも身に覚えのない借金だ」とか「金額が違う」などの問題がある場合は、その旨を記載して異議申し立てを行ない、裁判で争うことになります。

この場合は、できれば弁護士に相談するのが望ましいでしょう。

また、「督促の内容に相違はないけれども、そもそも返済するのが難しい」という場合もあると思います。このようなケースでは、むしろいいチャンスととらえて、債務整理を検討するのがおすすめです。

債務整理には、「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」といった方法があり、それぞれのケースに応じてどの方法が最適かは異なります。

この場合も、法律のプロである弁護士に相談してアドバイスをもらうのが一番です。早めに行動しないと財産を差し押さえられる可能性もあるため、まずは至急相談することをおすすめします。

たとえば自己破産などの法手続きをすれば、強制執行を受けることはありません。

支払督促の対処法まとめ

裁判所から支払督促申立書が来た場合は、いずれにしても早めに行動することが大切です。

分割で支払っていけそうな場合は異議申し立てを行ない、裁判所に出廷して訴訟上の和解に向けた協議をします。出廷が難しい場合は、弁護士や司法書士を代理人として立てることも可能です。

一方、返済ができそうにない場合、もしくは支払督促の内容に納得できない場合などは、弁護士に相談の上、対策を考えるようにしましょう。

架空請求業者からの支払督促にご注意!

最近は、支払督促を悪用した架空請求の事例が報告されています。

支払督促の手続きは、債務者側の意見を聞くことなく一方的な申し立てで行なわれますので、この段階ではそれが架空請求かどうか裁判所は判断できません。

届いた申立書を見て「こんな借金に身に覚えはない」と思っても、放置してしまうとそのまま仮執行の手続きに進んでしまいます。

裁判所から郵便物が届いた場合は必ず内容を確認し、不明な点があれば裁判所に問い合わせてみましょう。

債務整理中に自己破産に切り替える4つのケース

執筆者

西岡合同事務所

司法書士 西岡 容子

債務整理のメニューには「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」といった各種のものがありますが、どれを選択するかは最初の段階でとても大切なことです。

ただ、いったん選んでしまった後でやはりその手続きができない事態になることもあります。

では、具体的にどういった場合に手続きの切り替えが必要になるのでしょうか。他の手続きから自己破産に移行する場合を例に考えてみましょう。

ケース1 任意整理の和解が成立しない場合

これは、近年よくみられるケースです。

任意整理とは、裁判所を通さずに行う和解ですのであくまで貸金業者がどう対応してくるかがその成否を決めます。

ただ、平成20年あたりから和解について自社の条件を決して譲らない会社が増えてきました。ここには背景となる事情があります。

平成18年、貸金業者にとって不利な最高裁判決が出たことなどもあり、いわゆる「過払い金」の返還請求が怒涛のように行われるようになりました。

キャッシュが大量に流出した中小の貸金業者は次々と倒産に追い込まれ、倒産を免れても大規模なリストラを敢行しなくてはならないケースが急増したのです。

そうなると「人手が足りない=人員的、予算的にみても長期の債権管理はできない」という状況に陥ります。

よって、債務者が「3年の分割払いにしてほしい」といっても業者は「1年でなければ認めない」などと言い出すことになり、話し合いは膠着してしまうことになります。

債務整理の実務経験豊富な弁護士であれば「各業者に合わせた落としどころ」を心得ており、うまくまとめてくれることもありますがそれでもやはり無理なこともあります。

こういった場合、業者側の主張に合わせた返済方法が不可能であれば、あとは債務者の収入の事情に応じて個人再生や自己破産を選択せざるを得ないことになります。

ケース2 任意整理の途中で返済が滞った場合

任意整理による和解をいったん成立させたが、何らかの事情でその後の返済が滞ってしまうこともあります。

任意整理の場合、和解成立からだいたい3年~5年くらい返済が続くわけですが、その間には色々なことが起こる可能性があります。

たとえば勤務先の倒産や減収、リストラなどがその代表例でしょう。また、給料が変わらなくても思わぬ支出が発生してしまったなどの事情も考えられます。

実務的にはもし任意整理で成立した内容の返済を滞ると、まず手続きを担当した弁護士などのところに連絡が入ることが多いでしょう。

貸金業者は「〇〇さんの返済が滞っているのですがご本人に連絡してもよいですか?」と聞いてきます。

これは、基本的に「債務整理を弁護士や司法書士が受任したら、それ以降は債務者本人に直接連絡を取ってはならない」という規制があるからです。

多くの場合は任意整理だと和解成立をもって委任契約(債務者と法律家の間の契約)が終了となっていることが多いため、法律家がそれを口頭や文書で伝えると今度は債務者本人のところに直接連絡が入ります。

たとえば1,2カ月何らかの事情で返済出来ない場合、事情を説明すれば待ってもらえることもありますが、ここで誠実な態度を取らないと貸金業者から訴訟を打たれるようなことにもなりかねません。

放置しておくと貸金業者の勝訴、給与などの差押えという事態にもなるため、現実的に可能な対処を考えなければならないのです。

少し待ってもらえれば返済金を工面できる(病気などで一時的に減収しているなど)ような事情であれば債権者と話し合いの余地もあるでしょう。しかし決して無理は禁物です。

待ってもらっても状況が変わらないことが明白なのであれば、潔く自己破産に切り替えた方が貸金業者もだらだらと債権管理をし続けることなく貸倒として処理できますし、債務者本人にとっても経済的な再生がしやすくなります。

ケース3 個人再生において再生計画の認可がおりない場合

「個人再生」の手続きにおいては裁判所が関与しているため、最終的に裁判所が「再生計画案(具体的にどこの業者に月いくら返済するかなどの計画)」を認可しなければ成立させることはできません。

つまり、「不認可」とされる事由もあるということです。

たとえば、再生計画案の内容が手続き上のルールに則っていない場合です。

具体例を挙げると、「清算価値保障の原則」に反する場合があります。清算価値保障とは、「その債務者が破産をした場合に破産財団(債権者に配当するべき財産)に組み入れられる金額以上は返済しなければならない」という決まりのことです。

これは、自己破産の場合にも言えるのですが、「自分自身の財産をキープしたままで債権者にだけ我慢させるようなことがあってはならない」という考え方に基づくものです。

よって、裁判所が再生計画案をチェックして、この清算価値保障の原則で判断される金額より低い弁済額を設定しているとみれば不認可になることもありえます。そうなるとあとは必然的に自己破産に移行することになります。

また、債務者自身に返済する能力(安定した収入)が欠けていると思われるような場合にもやはり不認可となる可能性が高くなりますので、自己破産への移行が必要となります。

ケース4 過払い金が思うように取り戻せなかった場合

高金利業者(年利20%超え)との取引がある程度長期間にのぼる場合、利息の払い過ぎ(過払い金)が発生していることがあります。

その金額によっては、過払い金を貸金業者から取り戻すことで残債務のある業者に返済して解決できることもあります(このパターンも任意整理の一種といえます)。

しかし、近年では上記のように貸金業者の経営状態が悪化しており、過払い金を取り戻すにもそう簡単ではないケースが増えています。

任意の和解で取り戻せない場合は訴訟を起こさなければならないこともありますが、本気で戦おうとすれば手間と費用、時間もかかってきます。

そして最終的に期待したほど過払い金が取り戻せなかった場合は、債務者自身の収入から残債務のある債権者に返済することになります。

債務者の収入から返済することが不可能なのであればやはりこちらも個人再生または自己破産に移行せざるを得ないでしょう。

まとめ

いかがでしょうか。

いくつかのパターンを紹介しましたが、いずれにせよ、債務整理においては「債務者本人の収入、そして債務の現状から見て、決して無理な手続選択をしない」ことが成功の秘訣です。

「どうしても自己破産を避けたい」といって無理に任意整理をしてしまい、途中で支払えなくなることが時々ありますが、途中から自己破産に切り替えると最初に行った任意整理の費用や手間はすべて無駄になってしまいます。

最初の段階で法律家とよく相談し、ある程度の余裕をもって遂行できる手続きを慎重に選ぶことが大切です。

多額の借金は離婚理由になる?

執筆者

行政書士Yurako法務事務所

行政書士 森本 由紀

夫や妻が自分の知らない間に多額の借金をしていたら、誰でも非常にショックなはずです。

借金の返済のために、生活が困窮してしまうようなことになれば、「離婚もやむを得ないのでは…」と考えることもあるのではないでしょうか?

しかし、借金を理由に「離婚したい」と言っても、相手が応じてくれない可能性もあります。

ここでは、借金はそもそも離婚理由になるのかについて説明します。相手に離婚を切り出す前に、借金を理由に離婚できるかどうかを知っておきましょう。

「離婚したい!」と思っても簡単に離婚できるとは限らない

夫婦が離婚に合意していれば協議離婚が可能

離婚は自分だけの問題ではありません。結婚というのは相手あってのことですから、離婚するときも自分の意思だけで離婚できないのは、当然と言えば当然のことです。

ちなみに、民法では「夫婦は、その協議で離婚をすることができる」(763条)と定められており、たとえ明確な理由がなくても、お互いが合意すれば「協議離婚」という形で離婚することが可能とされています。

夫婦双方の意思が「離婚したい」ということで合致しているのであれば、双方が署名捺印した離婚届を提出するだけで、離婚ができます。

一方的に離婚するなら離婚理由が必要

元々は他人同士の夫婦が一つ屋根の下で暮らし始めると、何かとすれ違いが起こることもあります。ケンカの果てに「もう離婚だ!」などと、ついつい言ってしまうこともあると思います。

しかし、些細な夫婦ゲンカで一方が「離婚したい」と言って、それで離婚できてしまうのであれば、他方が離婚したくない場合には酷な結果になってしまいます。

こうしたことから、夫婦双方が合意していないにもかかわらず離婚を認めてもらいたい場合には、明確な離婚理由(離婚原因)が必要とされています。

些細な夫婦ゲンカくらいでは、一方的に離婚はできません。ひとたび結婚して法律上の夫婦になると、簡単に離婚にならないよう、法律で保護されているのです。

法律に定められた5つの離婚原因

法定離婚原因とは?

民法では、「夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる」として、下記の5つの離婚原因(法定離婚原因)を定めています(770条)。

  • ① 配偶者に不貞な行為があったとき
  • ② 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • ③ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • ④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • ⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

相手が「離婚したくない」と言っているのに、自分はどうしても「離婚したい」という場合には、最終的に裁判を起こさなければ離婚ができません。

その場合には、上記5つの離婚原因のうち、どれかに該当していなければ、裁判を起こすことができないことになっています。

裁判以外で離婚する場合にも離婚原因が必要?

実際には、離婚するときに裁判にまで至るケースは、それほど多くありません。

また、日本では離婚などの家事事件に関しては「調停前置主義」がとられており、協議離婚ができない場合でも、裁判を起こす前に家庭裁判所の調停を経なければならないことにもなっています。

ですが、協議や調停の段階で離婚の話し合いをする場合でも、離婚原因に該当しているかどうかが重要になります。

もし離婚原因に該当していれば、離婚したくない側は裁判になっても勝ち目がないため、どこかで妥協せざるを得ないからです。

借金を理由に離婚するには

多額の借金があれば直ちに離婚できるわけではない

たとえば、夫がサラ金から多額の借金をしているのがわかった場合、妻は「離婚できないか?」と考えることもあると思います。法定離婚原因を見ても、「多額の借金があるとき」とは書いていません。

そもそも、結婚すれば住宅ローンを組むために数千万円単位の借金をするようなことは普通にありますから、夫に多額の借金があるという理由だけで離婚が認められることはないのです。

借金が「婚姻を継続し難い重大な事由」になるかどうかで決まる

法定離婚原因には、「⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由」というのがあります。これは、①~④に該当しないけれど、結婚生活を続けていくことが困難な状態について定めた規定になります。

借金が⑤の「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当すれば、離婚原因となる可能性はあります。しかし、どういう場合に離婚原因になるかはあくまでケースバイケースで、最終的には裁判官が判断するところになります。

たとえば、夫婦の一方が多額の借金を繰り返し、その返済のために生活費が不足し、生活が困窮するような事態になった場合には、離婚原因として認められる可能性が高いと言えるでしょう。

夫婦関係が破綻していなければ離婚する必要はない

離婚に関しては、一方に有責な事由が存在する場合に離婚を認める「有責主義」と、実質的に婚姻関係が破綻している状態であれば離婚を認める「破綻主義」の2つの考え方があります。

現在の日本の民法では破綻主義が採用されていますから、形式的に離婚原因に該当するかよりも、実質的に夫婦関係が破綻しているかどうかが問題になります。

たとえ一方に多額の借金があっても、夫婦で協力して返していきたいというのであれば、もちろんそれでかまいませんし、離婚する必要もありません。

ですが、相手の借金により生活もままならなくなり、挙句の果てに夫婦ゲンカが絶えない毎日となってしまい、自分はどうしても相手を許すことができないといったような状態にまでなっていれば、夫婦関係は既に破綻しており、円満な関係に戻る可能性は低いと考えられます。

このような場合には、相手に対して借金を理由に離婚を主張し、まずは話し合いで協議離婚の可能性を探ってみても良いのではないかと思います。

まとめ

借金で結婚生活が破綻しており、夫婦関係の修復も難しいようであれば、離婚もやむを得ないことがあります。

借金で離婚できるかどうかは、最終的には裁判官の判断になりますが、裁判となると時間も労力もかかってしまいます。

借金を理由に離婚を考えているようなら、弁護士等の専門家に相談してサポートを受けるなどし、できる限り協議離婚で決着するよう話し合いを進めるのがおすすめです。

多重債務・多重債務者とは?

監修者

元弁護士ライター 福谷 陽子

多重債務とは、一般的に「複数の業者から借金をして、返済が苦しくなっていること」を指します。また、そのような状態にある人のことを「多重債務者」と呼びます。

JICC(日本信用情報機構)の調査によると、2015年7月時点で2社以上の貸金業者から借り入れをしている人は、全国に399万人いるとのことです。また、年間およそ8万人が自己破産を申し立てています。

2010年から完全施行された「改正貸金業法」の効果もあって、多重債務者の数は減少傾向にありますが、最近は銀行カードローンで多重債務に苦しむ人が増えているようです。

なぜ、人は多重債務に苦しんでしまうのか?その理由や、解決方法などについてもご紹介したいと思います。

自転車操業状態におちいりやすい「多重債務」

多重債務者とは、消費者金融をはじめとする複数の貸金業者からお金を借り入れ、返済が困難になっている人のことを指します。

何件以上から借り入れていると多重債務になるのかについては、明確な定義はありません。中には「5件以上」が目安にされることもありますが、一般的には「2件以上から借り入れていて、かつ返済に困窮している人」であれば、多重債務者と呼ばれます。

借り入れ先が多ければ多いほど、借入額も大きくなるのが普通ですので、いずれ返済に行き詰まるようになります。

そこで早めに手を打てればまだいいのですが、一社に返済するために、ほかの会社からまたお金を借りるという悪循環におちいり(このことを自転車操業といいます)、どんどん負債がふくらんでしまう人が多いようです。

その結果、最終的には自己破産任意整理などの債務整理に行き着く人もいます。しかし多重債務者全体のうち、債務整理を行なう人はごく一部であり、人知れず自転車操業を続けている人はかなり多いとみられています。

なぜ多重債務者になってしまうのか?

「それにしても、なぜ多重債務者になってしまうんだろう?普通に考えれば、あちこちの業者からお金を借りていれば、いずれ返済に困ることは想像がつくのに…」と不思議に思う方も多いのではないでしょうか。

また、「多重債務者になる人なんて、どうせパチンコや競馬などのギャンブルをしている人でしょ?」とか「身の丈に合わないブランド品を買いまくっているのでは?」というイメージもあるかもしれませんね。

しかし、実情は少し違うようです。日本弁護士連合会消費者問題対策委員会が2014年に自己破産者を対象に行なった調査によると、破産原因としてもっとも多かったのは「生活苦・低所得」で、破産者のおよそ60%となっています。

続いて「保証債務(22.42%)」「病気・医療費(20.73%)」「失業・転職(19.84%)」「負債の返済(17.18%)」と続いており、ギャンブルや浪費が原因と答えた人は意外と少ないことがわかります。

日本弁護士連合会消費者問題対策委員会「2014年破産事件及び個人再生事件記録調査 破産原因(複数回答)」より

中でも「生活苦・低所得」は、2000年の調査時から変わらず破産原因の1位を占めています。このことから、生活費の不足を補うために多重債務におちいった人が多い、という事実がうかがえます。

生活費の補てんのための借金は、最初から高額になることはまれです。多くは少額の借り入れからスタートし、それが少しずつ増えていきます。

また最近のカードローンは、月々の返済額が低く抑えられている場合が多いため、たとえば数十万円の負債があっても毎月10,000円ぐらいの返済で済むことも少なくありません。しかしその分、なかなか元本が減っていきませんので、いつまでも返済し終わらないローン地獄へとつながっていきます。

このように、多重債務におちいる背景には「少額ずつ借りる上、一社あたりの月々の返済額もそれほど高くないため、いずれどうにかなると思いやすい」という事情があると考えられます。

つまり、多重債務者は特別な人たちというわけでは決してなく、誰もがなる可能性があるものです。本人の甘さと言ってしまえばそれまでですが、貸す側にも問題があるケースも多く、「多重債務者をつくらないシステム」の整備も必要だといえます。

「多重債務者は減っている」といわれるけれど…

一時は社会問題になるまでに増加した多重債務者でしたが、近年は減少傾向にあります。

その大きなきっかけとなったのが、2010年に完全施行された「改正貸金業法」という法律です。特に、その中に盛り込まれた「総量規制」というルールが、借金事情を大きく変えました。

それまで、消費者金融をはじめとする貸金業者は、利用者の所得にかかわらずお金を貸し付けていましたが、改正貸金業法では「利用者の年収の3分の1までしか貸し付けてはいけない」というルールが新たに設定されました。これが「総量規制」と呼ばれるものです。

年収の3分の1までというのは、すべての貸金業者からの借り入れを合わせた総額になります。たとえば年収300万円の人の場合、貸金業者から借りられるのは最高でも100万円ですので、すでに一社から50万円借りているなら、ほかの会社からはあと50万円までしか借りられません。

これによって、収入に見合わない額を消費者金融から借りられなくなり、多重債務者の減少につながったのです。

もう一つ、貸金業法の改正によって変わったことに「グレーゾーン金利の撤廃(みなし弁済の廃止)」もあります。

利息に関しては、「利息制限法」という法律の中で「元本が10万円未満の場合は年20.0%、10万円以上100万円未満の場合は年18.0%、100万円以上の場合は年15.0%が上限」と昔から決められています。しかし一方で、「出資法」という別の法律では「年29.2%を超える金利で貸し付けた場合、罰則の対象になる」と規定されていました。

つまり、利息制限法では「最高20.0%まで」となっているにもかかわらず、出資法では「29.2%を超えたら罰しますよ」と言っているため、多くの貸金業者が最高29.2%の金利を設定していたのです。

この「20.0%超29.2%以下」のあいまいな金利のことを「グレーゾーン金利」といい、長らく黙認されていました。こうして高い金利が平気で設定されていたこともあり、多重債務者の返済はますます苦しいものとなったのです。

しかし、本来なら貸金業者は利息制限法を守らなければいけないのであり、改正貸金業法においてグレーゾーン金利はついに撤廃されることになりました。これにより、現在ではどの貸金業者も年20.0%までを上限としています。

ちなみに、テレビCMなどでもよく見かける「過払い金請求」とは、グレーゾーン金利が設定されていたころに貸金業者から借り入れていた人が、余分に払ったお金(利息)の返還を求めることです。

本来守られるべきだった金利で引き直し計算することで、過払い金がもどってきたり、現在ある借金が減額されたりゼロになったりする可能性があります。(参考:今流行りの過払い金請求とは?

こうした法律の変化もあり、近年は多重債務者が減っているのは喜ばしいことです。

しかし一方で、個人の自己破産の申し立て件数が久しぶりに増加したというニュースも報道されています。最高裁によれば、2016年の個人の自己破産申請件数は64,637件で、前年より1.2%増。自己破産の件数が前年より上回ったのは、実に13年ぶりとのことです。

多重債務者が減ったのに、なぜ今になって自己破産が増えているのかというと、その一因に「銀行カードローンの過剰融資」があると指摘されています。

総量規制のルールは、あくまで銀行以外の貸金業者に適用されるもので、銀行は対象外です。そのため、消費者金融から借りられなくなった人が、今度は銀行カードローンで借り入れるケースが増えていると考えられます。

このままでは、せっかく減少に転じた多重債務者がまた増えてしまう危険性があるため、「銀行カードローンにも何らかの規制が必要ではないか」という議論が始まっています。

借金の返済に苦しんでいる人は、弁護士への相談を!

多重債務におちいった場合、自力でなんとかするのは難しいものです。よほど「たなぼた」でまとまったお金が手に入らない限り、不可能に近いでしょう。

しかし、どんな借金にも合法的な解決方法があります。たとえば、任意整理や個人再生、自己破産などの債務整理です。手を打つ時期が早ければ早いほど、失うものも少なく済みます。

そのためにも、自転車操業で負債を増やし続ける前に、弁護士などの専門家に相談することが大切です。

多重債務に苦しんでいる人の中には、最終的に自殺や失踪などの選択をする人もいますが、合法的な解決手段がある以上、逃げたり命を落としたりすることはありません。

「返済が難しい」と思ったら、なるべく早く専門家に相談しましょう。

借金整理の4つの方法の特徴と違い

監修者

元弁護士ライター 福谷 陽子

借金の返済がどうにもならなくなった場合、カードローンなどでこれ以上負債を増やすよりも、思い切って債務整理をすることを考えてみましょう。

債務整理とは、合法的に借金を整理する方法のことです。個人の場合、大きく分けて「任意整理」「特定調停」「個人再生(個人民事再生)」「自己破産」の4つがあります。

それぞれのケースによって、向いている方法と向いていない方法がありますので、まずは弁護士などの専門家に相談をしたほうが確実です。

ここでは、4つの借金整理の方法のおもな特徴や違いなどについて解説していきます。

利息や遅延損害金などをカットしてもらう「任意整理」

任意整理は、裁判所を通さず直接債権者と交渉して、債務を減額してもらう方法です。

たとえば、利息や遅延損害金(支払いが遅れた場合に付くペナルティのような損害賠償金)をカットしてもらうなどして、できる範囲で支払いを少なくしてもらいます。

「え?借金を減らしてもらうことなんてできるの?」と不思議に思われるかもしれませんが、債権者としても自己破産されるよりは任意整理に合意して、少しでもお金を取り戻したほうが得策と考える場合も少なくありません。

そうして減らしてもらった負債を、原則として3~5年の分割払いで返済していきます。

ちなみに、だいぶ前からある借金の場合は「過払い金」が発生している可能性がありますので、取引開始時にさかのぼって、現在の上限金利(15~20%)に引き下げて再計算(引き直し計算)します。

これによって、減額になるどころか逆にお金がもどってくる場合もあるのです。

いずれにしても、任意整理の交渉は債務者本人では難しいため、弁護士や司法書士などのプロに依頼して行なう必要があります。

任意整理のメリット

  • 裁判所を通さないため、手続きが比較的簡単
  • 借金の総額が減り、返済が楽になる
  • 場合によっては過払い金がもどってくることもある
  • 自由度が高いため、一部の債務だけを任意整理することもできる
  • 財産の処分や職業(資格)の制限などがない

任意整理のデメリット

  • 事故情報として扱われるため、完済から最長5年間は新たな借り入れができない
  • 債務整理の中では、減額効果がそれほど大きくない
  • 近年、任意整理に応じない業者も増加している

このように、任意整理にはメリットもデメリットもありますが、債務整理の中でももっとも手続きが容易であり、場合によっては過払い金がもどってくる可能性もあることから、まず優先的に検討されることの多い方法です。

債務者と債権者が裁判所で直接話し合う「特定調停」

特定調停とは、簡易裁判所の調停委員の仲介により、債務者と債権者が話し合って返済条件を見直す方法です。

任意整理と同じく、取引開始時にさかのぼって引き直し計算を行ない、過払い金が発生していないかどうかを調べたり、利息や遅延損害金などをカットしてもらうよう交渉したりします。

任意整理と異なるのは、「債務者が裁判所に申し立てを行ない、債権者と話し合う必要がある」ということです。任意整理では弁護士にすべてをお任せできますが、特定調停では原則として債務者本人が書類の準備や交渉を行なう必要があります(ただし、弁護士が代理人になることは可能)。

また、特定調停で合意が成立した後は、約束どおりに支払わないと給与差し押さえなどの強制執行を受ける可能性がある点に注意が必要です。(参考:裁判所から訴状!「給与差し押さえ」がきたらすぐにやるべきこと

合意後、裁判所が「調停調書」という書面を作成するのですが、これには裁判での判決と同じ効力があります。

ちなみに、特定調停では支払予定期間が4年を超えると、債権者側が応じない可能性が高いため、原則として3年ほどで返済できるだけの債務がある場合に対象となります。

特定調停のメリット

  • 場合によっては過払い金がもどってくることもある
  • 合意したい債権者を自由に選ぶことができる
  • 財産の処分や職業(資格)の制限などがない
  • 弁護士を使わない場合、任意整理よりも費用が安い

特定調停のデメリット

  • 事故情報として扱われるため、完済から最長5年間は新たな借り入れができない
  • 書類の用意や裁判所への出廷など、任意整理に比べると手続きが面倒
  • 債権者からの取り立てが、任意整理の場合よりも長引く可能性がある
  • 約束通りに支払わなかった場合、給与差し押さえなどの強制執行を受けることがある
  • 必ずしも希望どおりの合意ができるとは限らない

特定調停は、弁護士を通さないだけに債務者本人の負担が大きい点がデメリットです。また、任意整理では弁護士が間に入った時点で取り立てがストップしますが、特定調停の場合は債務者が書類をそろえて申し立てを行なうまでの間、取り立てが続きます。

また、間に入る調停委員は弁護士のような専門家ではありませんし、あくまで中立の立場ですので、債務者にとって不利な内容で決着がつく可能性もあります。

債務を大幅に減らすことができる「個人再生」

個人再生とは、裁判所を通して借金を減額してもらう方法です。任意整理と同じく、弁護士や司法書士などのプロの手を借りて行ないます。

個人再生では、裁判所に「再生計画」を提出して認可を受ける必要があります。認可を受けると、借金の額に応じて債務がカットされ、それを3~5年で支払っていきます。

個人再生を利用した場合の最低弁済額(減額幅)

借金総額 最低弁済額
100万円~500万円未満 100万円まで(最大80%カット)
500万円~1,500万円未満 借金総額の20%(一律80%カット)
1,500万円~3,000万円未満 300万円まで(最大90%カット)
3,000万円~5,000万円 借金総額の10%(一律90%カット)

借金の総額が5,000万円超の場合は個人再生の手続きができません。

また、上記の減額幅は最大値ですので、実際には返済額が上積みされる可能性もあります。

いずれにしても、任意整理に比べると減額効果が高いため、負債の大きい場合に最適です。また自己破産と違い、条件さえ満たせば住宅や車を手放さずに済む可能性もあります。

個人再生のメリット

  • 債務が減るため、返済が楽になる
  • 自己破産と違い、住宅を手放さずに済む可能性がある
  • 財産の処分や職業(資格)の制限などがない

個人再生のデメリット

  • 残債の返済義務がある
  • 自己破産と同じく、住所や氏名が「官報」(国が発行する機関紙)に掲載され、最長10年間は新たにローンを組むことができなくなる
  • 返済能力があり、借金の総額が5,000万円以下の場合に限られる
  • 手続きにかかる費用がやや高額

個人再生では、減額後の債務を原則3年、最長でも5年で支払っていく必要がありますので、「継続的な収入を得られる見込みがあり、かつ借金の総額が5,000万円を超えない場合」のみ対象となります。

また、個人再生の費用は弁護士への報酬を含めて、30万円~50万円以上かかることが一般的です。(参考:個人再生にかかる費用と相場

借金解決の最後のとりで、「自己破産」

借金整理の中でも、最後の選択肢になるのが自己破産です。

自己破産は、税金などを除くすべての債務の支払いを免除してもらう方法で、裁判所に申し立てを行なう必要があります。そして裁判所から免責が許可される、つまり支払い不能と認められると、借金はゼロになります。

ただし、一定以上の価値がある財産(原則20万円超)は没収され、換金されて債権者に配当されますので、持ち家は原則として手放す必要があります。とはいえ、生活に必要な家具などは処分されませんので、普通の暮らしを営むことは十分に可能です。

自己破産するためには、「破産申立書」の作成や書類の整備などが必要なため、弁護士に依頼することが一般的です。

自己破産のメリット

  • 税金や健康保険料などの一部を除く債務の返済義務がなくなる
  • 生活に必要なものは手元に残せる
  • 精神的・経済的に楽になる

自己破産のデメリット

  • 住所氏名が「官報」に載り、最長10年間は新たにローンを組むことができなくなる
  • 免責決定を受けるまでの間、一部の資格職に制限が出る
  • 場合によっては免責を受けられないこともある

自己破産というと、「借金がチャラになる代わりに、すべて没収されて裸一貫で生活を始めなくてはいけない」というようなイメージを抱く方も多いかもしれませんが、実際は日常生活への影響は意外と少ないものです。

原則として、20万円以下の価値の物品や、99万円以下の現金については所持が許可されていますし、生活に必要な最低限のものは十分に手元に残せます。

ただし、免責が確定するまでの間、一時的に資格制限を受けることがあります。たとえば弁護士・税理士・宅地建物取引士・旅行業務取扱管理者などの資格です。(参考:自己破産手続き中に就けない職業「資格制限」とその理由

あくまで免責決定を受けるまでの一時的な制限ですので、その後は資格を生かして働くことができます。

とはいえ、自己破産は債務整理の中でも「最後の手段」です。支払える可能性が少しでもある場合は、自己破産ではなく任意整理や個人再生などの方法を選んだほうが最低限の義務を果たせますし、住宅も手放さずに済みます。

自己破産は、それらの方法でも返済が難しい場合に初めて検討するものです。

ちなみに、自己破産の申し立てをした人で、裁判所から認められない(免責を受けられない)人はあまりいませんが、たとえば財産を隠していたり、ギャンブルや浪費が原因で借金を作ったりした場合は、「免責不許可事由」に該当し、自己破産できないこともあります。

また、「前回の免責決定確定から7年以内」に再び破産の申し立てを行なった場合も、免責不許可事由に該当します。つまり、7年以内に2回以上の自己破産はできないということです。

ただし、免責不許可事由に該当した場合でも、状況によっては裁判所の判断で免責を決定できる「裁量免責」というものが認められています。

いずれにしても、一度自己破産をした場合はその原因を反省し、2度目がないように気を付けて生活することが大切です。

夜逃げは借金解決法として有効?

監修者

元弁護士ライター 福谷 陽子

借金がかさみ、借り入れ先からの督促が来るようになると、思い悩んだ末に「夜逃げ」という行動に出る人もいます。

確かに夜逃げをすれば、一時的に督促からは逃れることができるかもしれませんが、結局は何の解決にもなっていません。

「借金には時効があるから、それまでの時間稼ぎをしよう」と思っても、実際は業者側が裁判所に訴えることで「時効の中断」が認められてしまいます。

また、住民票を異動できないことで日常生活にもさまざまな不都合が生じてしまうのです。

借金は夜逃げをしなくても十分に解決が可能ですので、ぜひまっとうな方法を選ぶようにしましょう!

夜逃げをしても、借金はチャラにならない!?

昔から、借金の返済に困った人が夜逃げすることはよくありました。

夜中に家財道具一式を持って、ひそかに家族全員で町を逃げ出す…という光景、よくドラマや映画などでも見かけますよね。

しかし、もちろん「夜逃げ=借金の解決」にはなりません。ただ問題を放置して逃げ出すだけで、返済義務はなくならないのです。

「でも、確か借金には時効があるから、それまでの時間稼ぎはできるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、そううまくいくとは限りません。

借金の時効とは?

確かに、借金には時効(消滅時効)があります。その年数は以下の通りです。

ケース 時効成立までの期間
貸主もしくは借主のいずれかが商法上の商人の場合など 5年(商法522条)
貸主と借主がいずれも商人ではない場合など 10年(民法167条)

つまり、営業していない個人からお金を借りている場合は10年、貸金業者などの会社から借りている場合は5年で時効を迎えることになります。ただし貸主が個人であっても、たとえば事業資金を借りる場合などは商行為にあたるため、時効が5年になります。

いずれの場合も、時効のカウントが始まるのは「弁済期または最後の返済の翌日から」です。弁済期とは、債務者が債務の返済をするべき時期という意味になります。

たとえば、1回でも返済を行なっている場合は「最終返済日の翌日から」となりますが、中にはまだ1度も返済していない人もいるわけで、その場合は「本来の一回目の返済期日の翌日」が起算日となります。もし返済期日を決めていなかった場合は、契約の翌日が起算日です。

ちなみに、所定の年数が過ぎただけでは借金の返済義務はなくなりません。期間を過ぎた上で、借主が貸主に対して「時効が成立しているので、私の支払い義務は消滅していますよ」と伝えて、初めて時効が成立するのです。

これを「時効の援用」といい、一般的には貸主に内容証明郵便で通達します。(参考:債務整理で使える!内容証明郵便の「書き方」と「文例」

時効はリセットできる!

「それなら、5年か10年逃げ続けていれば、時効を迎えて借金を返す義務がなくなるのでは?」と思われるかもしれませんが、そううまくはいきません。時効によって不利益をこうむる側のために、「時効の中断」という制度が用意されているからです。

しかも時効の中断は、単に時効の進行をストップさせるだけではなく、これまでの時効期間をなかったことにする効力もあります。つまり、起算日にさかのぼってリセットできるということです。

時効を中断するもっとも簡単な方法は、「借主に債務の存在を認めさせること」です。支払いの誓約書にサインをさせたり、債務の一部を1円であっても返済させたりすることができれば、その時点で時効は中断します。

とはいえ、夜逃げまでした人がこうした要求に対応する可能性は低いため、その場合は貸主が時効延長のための裁判を起こすしかありません。判決が下りると、10年間時効が延長されます。

しかもこの裁判は何度でも起こせますので、貸主さえその気になれば20年、30年も時効が延びることになるのです。

ちなみに、裁判は借主が欠席していても起こすことができますし、夜逃げ中で住所がわからない状態でも問題はありません。

このように、時効成立を期待して夜逃げをしても、そうは問屋が卸さない、ということもあるのです。

夜逃げをすると、日常生活にさまざまな支障が出る!

夜逃げには、ほかの問題もつきまといます。

夜逃げをする場合、住民票を移さずに引っ越しますが、そうすると転居先では色々と困ったことになります。国民健康保険や国民年金の払い込みや利用にも支障が出ますし、子どもがいる場合は進学にも影響が出るでしょう。

とはいえ、夜逃げ先は住民票の異動からバレることがほとんどですので、それを恐れて住民票を移さないまま潜伏生活を送っている人は少なくないと思われます。

しかし、特に家族がいる場合には、まっとうな生活を送るためにも夜逃げは避けたい手段です。

現在の借金の取り立ては、昔ほど厳しくない!

そもそも、なぜ人は夜逃げという選択をするのでしょうか?

その大きな理由は、「督促の嵐から逃れたいから」だと思います。

確かに少し前までは、一部の消費者金融が悪質な取り立てを行なっていました。実際、それが表面化して大きな問題になったこともあります。

しかし、最近は「改正貸金業法」の施行によって、業界全体の浄化が進んでおり、取り立てに関しても以前より厳しく規制されるようになりました。

現在の貸金業法第21条では、「取立て行為の規制」として以下のような行為が禁止されています。

  • 正当な理由がないのに、社会通念に照らし不適当と認められる時間帯(午後9時~午前8時)に債務者に電話をかけたり、ファックスを送信したり、自宅を訪問したりすること。(21条1項)
  • 正当な理由がないのに、債務者の勤務先や自宅以外の場所に電話をかけたり、ファックスを送信したり訪問したりすること。(21条3項)
  • 債務者の自宅や勤務先、その他の場所などを訪問した際、退去を言い渡されたにもかかわらず退去しないこと。(21条4項)
  • 貼り紙や立て看板などで、債務者の借り入れに関する事実やプライベートなことを、第三者に明らかにすること。(21条5項)
  • 債務者以外の人に対して、代わりに返済を要求すること。(21条7項)

このように、現在の法律では取り立てに関するさまざまな禁止事項が規定されています。もちろん、延滞している以上は督促の電話や手紙、場合によっては訪問を受けることはありますが、ひと昔前のように恐ろしい目に遭うようなことはまずありません。

もっとも良くないのは、連絡をまったくとらず、返済の意思があるのかないのかわからない状態にすることです。そうなると、貸主としては督促をエスカレートさせるしかありません。

何らかの理由で延滞せざるを得ない場合は、まず早い段階で電話に出て、誠実な態度で事情を説明することが大切なのです。

「合法的な解決ができない借金はない」と心得よう!

「とはいっても、今のままでは返済できるあてがない…」という場合は、これ以上負債を増やさないためにも、夜逃げではなく債務整理を考えましょう。

債務整理とは、合法的な借金解決の手段のことで、「任意整理」「個人再生」「特定調停」「自己破産」などの方法があります。

どうしても返済が厳しい場合は、弁護士などの法律のプロに相談して、自分にはどういった方法が向いているかを教えてもらうのが一番です。

もちろん、いずれの方法を選んでも金融事故にはなってしまいますから、その後数年間はローンやクレジットカードを利用できない、いわゆる「ブラックリスト入り」することになります。

それでも、収入の範囲内で普通の日常生活を送る分には問題ありませんので、夜逃げをするよりはよほどまともな選択です。

「いや、自分は正規の業者じゃないところから借りているから、夜逃げするしかないんだ」と思われている方もいるかもしれませんが、法律を無視した高金利(年20.0%超)で貸し付けを行なう、いわゆる「闇金融」に対しても、法律で正当に立ち向かうことができます。

そもそも、闇金融の多くはきちんとした認可を受けずに経営しているため、「貸金業法」に違反した存在です。さらに、法律で定められたパーセンテージを超えた金利でお金を貸し付けていますので、「利息制限法」や「出資法」という法律にも違反していることになり、罰則の対象となります。

また、現在は「ヤミ金融対策法」という法律も整備されたことで、その罰則はより厳しくなっています。

無登録営業および高金利での貸し付けによって、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金に処されるほか、出資法違反の高金利を設定していることによって不法原因給付(民法708条)になるため、ヤミ金には返還請求権が認められず、返済義務がなくなるのです。

ですから、どこでお金を借りたかにかかわらず、「合法的に解決できない借金は一つもない」ということをぜひ知っておいてください。正規の業者から借りている人も、ヤミ金の被害に遭っている人も、まずは弁護士に相談してみることから始めましょう。