債務整理が配偶者に与える4つのデメリット

監修者

元弁護士ライター 福谷 陽子

家庭のある人が債務整理を行なう場合、「配偶者に何か影響があるのでは?」という心配が出てくると思います。

結論からいいますと、債務整理で配偶者にもっとも大きな影響が出るのは、配偶者が借金の保証人になっている場合です。

ただし、保証人になっていない場合でも債務整理によって、債務者本人の財産を没収されるなどして、なんらかの迷惑がかかってしまう可能性はあります。

ここでは、債務整理が配偶者に与えるおもなデメリットを4つご紹介していきます。

保証人になっている場合、返済義務が生じる

債務整理は基本的に債務者本人の問題ですので、結婚しているからという理由だけで配偶者が連帯責任をとらされることはありません。

しかし、配偶者が借金の保証人になっている場合は話が別です。

債務整理の種類によって影響の度合いが異なりますので、くわしく解説していきます。

任意整理と特定調停の場合

債務整理の中でも保証人への影響が比較的少なく済む可能性があるのは、任意整理特定調停です。

これら2つは整理先を自由に選んで行なうことができるため、「保証人のいる借金は対象から外す」という選択ができます。

つまり保証人のいる借金は引き続きそのまま返済し、ほかの借金だけを減額してもらうということです。これなら保証人(配偶者)に迷惑をかけずに済みます。

もし保証人付きの借金を全額返済するのが難しそうであれば、主債務者と保証人が連名で任意整理や特定調停を行なうという方法があります。

そうすれば、利息や遅延損害金をカットしてもらえる分、返済額は少なくなりますし、主債務者が約束通りに支払っていけば保証人に返済の請求はいきません。

ただしこの方法では、配偶者の信用情報にも事故情報が記録されてしまい、いわゆる「ブラックリスト入り」する点がデメリットです。

個人再生と自己破産の場合

保証人への影響が大きくなるのは、個人再生もしくは自己破産をする場合です。

まず、個人再生と自己破産では「債権者平等の原則」というルールがはたらくため、任意整理や特定調停のように整理したい債権者を自由に選ぶことができません。つまり、保証人のいる借金も必ず債務整理の対象となります。

また、個人再生と自己破産で減額されるのは主債務者の借金だけです。

たとえば個人再生で借金を5分の1に減らしてもらった場合、残りの5分の4は保証人に支払い義務がありますし、借金が帳消しになる自己破産では、すべての負債を保証人が負うことになります。

しかも保証人は原則として分割払いができないため、一括で支払わなくてはいけません(債権者との交渉によっては、分割払いが認められるケースもあります)。

このように、個人再生と自己破産では主債務者の借金は楽になるものの、保証人の負担はかなり大きくなってしまいます。

返済が難しい場合は保証人も債務整理を行なう必要が出てきますので、配偶者が保証人になっている場合はよく相談した上でどうするかを決めることが大切です。

ローンやクレジットカードを利用できなくなる可能性がある

債務整理を行なうと信用情報機関に事故情報が記録され、その後5~10年間はローンやクレジットカードを利用できなくなります。

ただし、配偶者の信用情報にまで影響するわけではありませんので、配偶者自身に安定した収入がある場合は、配偶者名義で申し込めば審査に通る可能性は十分にあります。

しかし、そうでない場合はしばらくの間クレジットカードや各種ローンを利用できなくなってしまうため、大きな買い物が難しくなるかもしれません。

ほかには、携帯電話の端末代の分割払いを申し込む際にも信用情報調査が行なわれますので、配偶者の名義で申し込むか、もしくは一括払いする必要があります。

また子どもの奨学金を利用する場合も、債務整理をした人が保証人になると審査に通らない可能性があるため、配偶者やほかの親族を保証人にしたほうが確実です。

いずれも事故情報が消えるまでの問題ではありますが、それまでは家族にも何かと不便をかけることになるかもしれません。

車や家を手放さなくてはいけない可能性がある

債務整理の内容によっては、車や家などの財産を手放す必要があります。

もっとも代表的なのは、自己破産をした場合です。

自己破産では、税金や健康保険料などを除くすべての借金を免除してもらえる代わりに、20万円以上の価値がある財産は破産管財人によって没収されて換金され、債権者への返済にあてられます(現金は99万円までの所持が認められています)。

住宅はもちろんのこと、時価20万円以上の車や貴金属、美術品などは手放すことになりますし、解約返戻金が20万円を超える生命保険も解約しなくてはいけません。

また自己破産以外の債務整理でも、車や住宅のローンを整理の対象に含める場合は、債権者によって引き揚げられてしまいます。

ただし、任意整理と特定調停では整理したい借金を選ぶことができますので、車のローンや家のローンを外して手続きをすると、家や車を手放さずに済みます。

個人再生では「住宅ローン特則」という制度を利用することで、住宅ローンだけは例外的に整理の対象から外すことが可能です。

書類を用意してもらわなくてはいけないことがある

債務整理では、基本的に本人や弁護士が書類の準備や作成を行ないますが、場合によっては配偶者の協力が必要になることもあります。

任意整理と特定調停ではその可能性は低いのですが、個人再生や自己破産の場合は、家庭の収入や支出を細かく記した「家計収支表」が必要です。

また、生計が同一である家族の収入や資産についての書類も提出を求められることがあり、その場合は配偶者の給与明細や預金通帳なども必要になります。

このように、配偶者に家計の状況を確認したり、資料の提出を求めたりしないといけないので、配偶者に手間をかけることになります。

ちなみに、債務整理で財産とみなされるのは本人の預貯金ですので、配偶者の預貯金は原則として没収されることはありません。

特に結婚前からある貯金や、結婚後も配偶者自身が働いて得たお金は、配偶者個人の財産として扱われます。

ただし、そうでないお金は夫婦の共有財産とみなされることがあるため注意が必要です。

まとめ

債務整理が配偶者に与える4つのデメリットをご紹介しました。

中でももっとも影響が大きいのは、配偶者が保証人になっている場合に返済義務が生じることです。

もし返済が難しい場合は配偶者も債務整理をしなくてはいけませんので、夫婦一緒にブラックリスト入りしてしまう可能性もあります。

とはいえ、今のままでは返済できない借金を抱え続けるのは得策ではありません。負債はふくらんでいく一方ですし、返済が滞れば督促や取り立ての電話や手紙が自宅に来るようにもなります。

それなら、思いきって合法的な手段である債務整理を行ない、リスタートを切ったほうがよほど前向きな選択です。

いずれにしても、配偶者に影響がおよぶような債務整理を行なう際には事前にしっかり話し合うとともに、弁護士の無料相談などを利用して、影響を最小限に抑える方法についてアドバイスをもらうことをおすすめします。

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