自己破産の申請中に絶対にしてはいけないこと6つ!

執筆者

元弁護士ライター 福谷 陽子

自己破産をすると、借金返済義務が完全になくなるので、借金問題を根本的に解決することができます。どれだけ多額の借金があっても自己破産することはできます。1億円の借金があってもすべて0にできるので、絶大な効果があります。

しかし、自己破産も失敗することはあります。自己破産に失敗しないためには、手続き中に適切な対処をする必要があります。間違った対処をすると、免責が認められなくなって借金が無くならない可能性があるからです。では、具体的にどのようなことに注意すればよいのでしょうか?

そこで今回は、自己破産の申請中に絶対にしてはいけないこと6つをご紹介します。

1.財産を隠す

自己破産をする場合に、絶対にしてはいけないことがいくつかあります。自己破産では、借金返済義務を無くしてもらうために裁判所で免責という決定をしてもらう必要がありますが、免責不許可事由があると免責が認められなくなってしまいます。

よって、自己破産を成功させたい場合には、絶対に免責不許可事由に該当する行為をしてはいけないのです。

自己破産の免責不許可事由の代表的なものが、財産隠しです(破産法252条1項1号)。よって、自己破産する場合には絶対に財産隠しをしてはいけません。

同様に、不当に財産を減少させるような行為をすることも認められません。以下では、自己破産時にありがちな財産隠しのパターンをいくつか見てみましょう。

直前に不動産の名義を移転する

自己破産で問題になりがちな財産隠しの方法として、自己破産の直前に不動産の名義を移転するというものがあります。

たとえば自分名義の家やマンションなどの不動産がある場合に、自己破産前に親族に贈与するなどして他者名義に移転してしまうのです。

このことにより、表面的には自己破産時にその不動産は破産者名義ではなくなるので、破産者の財産として没取されなくなるとも思われます。

しかし、実際にはそのようなことは認められません。この場合には、財産隠しと見なされて、免責が受けられなくなるおそれがあります。

また、名義移転の効果も否認されて、不動産の名義は破産者名義に戻されます。よって、財産隠しのために自己破産直前に不動産などの名義移転をしてはいけません。

離婚を偽装する

自己破産の財産隠しとして良く問題になるのが、離婚の偽装です。

離婚をする場合には、元の配偶者に対して財産分与をしたり慰謝料を支払うケースが多いです。そこで、自己破産前に離婚することによって、元の配偶者に高額な財産分与をしたり慰謝料の支払いをしてしまうのです。

そうすれば、破産者の手元にはほとんど財産が残らないので、自己破産をしても失う財産はなくなると考えます。

確かに、その離婚が本当に当事者の真意にもとづくもので、財産分与や慰謝料の支払いが妥当なものであれば、自己破産時にも問題になることはありません。

しかし、離婚を偽装して財産隠しをする場合には話は別です。

本当は配偶者と離婚するつもりがないのに、一時的に離婚届けを出して戸籍を分けることによって、主立った財産をすべて配偶者名義に変えて、破産による財産の没収を免れようとする場合には、その財産分与や慰謝料の支払の効果が認められません。

この場合には、財産隠しがあったとして免責が認められなくなるおそれがあります。また、配偶者への財産の名義移転や慰謝料の支払の効果は否認されて、結局は債権者に配当されてしまうことになります。

財産目録に虚偽記載する

財産隠しと関連する問題として、「財産目録」の記載についての問題があります。自己破産をする場合には、破産者の財産内容を正確に記載した財産目録を作成して提出する必要があります。財産隠しをするためにこの財産目録に虚偽の記載をして提出すると、免責が認められなくなるおそれがあります。

よって、自己破産する場合には、必ず財産目録には正直にすべての財産を記載する必要があります。

2.債権者を隠す

自己破産の免責不許可事由の重大なものとして、債権者への偏頗(へんぱ)弁済があります(破産法252条1項3号)。

偏頗弁済とは、一部の債権者にだけあえて借金返済をすることです。

自己破産をする場合、すべての債権者を平等に扱わなければならないという「債権者平等の原則」が働きます。よって、一部の債権者だけを優遇して支払をすることは許されないのです。

これに反して、一部の債権者にだけ支払うという偏頗弁済をすると、免責不許可事由に該当して免責が認められなくなるおそれがあります。

保証人のついている債権を隠す

自己破産で問題になりがちな偏頗弁済でよくあるのが、保証人がついている借金を隠す問題です。

保証人がついている借金がある場合、その借金を債務整理すると、債権者は保証人に対して借金返済の請求をします。この場合、借金残金の一括請求となることが普通です。

よって、保証人がついている借金がある場合に自己破産をすると、保証人には多大な迷惑をかけることになります。

このことを恐れて、自己破産するときに保証人がついている借金を隠して、それだけは自分で返済しようとする人がいます。しかし、そのような取り扱いは自己破産では認められません。先に説明した偏頗弁済に該当して、免責が認められなくなってしまうおそれがあります。

よって、自己破産中には、保証人がついている借金を隠したり、その借金だけ返済するということをしてはいけません。

個人の債権者にだけ支払う

自己破産中の偏頗弁済でよく問題になるのが、個人の債権者にだけ支払を続けるというパターンです。

借金は、消費者金融などの業者から借り入れをすることもありますが、友人や知人などの個人から借り入れする場合もあります。

個人からの借入の場合、人間関係があるので、自己破産をして支払をしないということを宣言すると、人間関係が壊れてしまうおそれがあります。そこで、個人からの借金だけは、自己破産中にも支払を続けようとする人がいるのです。

しかし、このようなことは、自己破産では認められません。やはり偏頗弁済とみなされて、免責不許可事由に該当してしまいます。よって、自己破産する場合に個人からの借金を隠したり、それだけ返済することは絶対にしてはいけません。

債権者名簿に虚偽記載する(破産法252条1項7号)

自己破産の偏頗弁済とも関連しますが、自己破産する場合の債権者名簿に虚偽の記載をすることも認められません。すべての債権者をもれなく記載する必要があります。一部の債権者を隠して債権者名簿を作成提出すると、免責不許可事由となって免責が認められなくなるおそれがあります。

また、記載しなかった債権者については、非免責債権となって自己破産後も支払い義務が残ってしまうこともあります。

よって、自己破産中には、債権者名簿に虚偽記載をすることは認められないので、必ず全員を記載するよう、注意が必要です。

3.新たに借金をする

自己破産する場合に絶対にしてはいけないこととして、新たに借金をすることがあります。

自己破産の直前などに、あえて借金や債務の負担をすると免責不許可事由に該当するおそれがあります(破産法252条1項2号)。

クレジットカードの現金化をしてはいけない

自己破産直前の債務負担でよくある問題が、クレジットカードの現金化です。クレジットカードの現金化とは、たとえばクレジットカードで新幹線の回数券などの商品を購入して、それをすぐに売却することによって現金を得る方法のことです。

クレジットカードは、このような現金化の利用を予定していません。また、クレジットカードの現金化を専門とする悪質業者なども多いです。

このように、クレジットカードの現金化には多くの問題があります。自己破産でも、このような行為があると、免責が認められないことになります。

よって、自己破産直前などに、クレジットカードの現金化をしてはいけません。

信用状態について嘘をついて借金する

自己破産する際の債務負担で問題になりがちなもう1つの問題が、そもそも返済する意思も能力も無いのに、信用力があるように見せかけて借金するパターンです。

自己破産の1年以内に、このように信用力について虚偽を述べて借入をすると、免責不許可事由に該当します(破産法252条1項5号)。そればかりでなく、悪質な場合には、詐欺破産罪などの犯罪が成立してしまうおそれもあります。

よって、そもそも返済する意思も能力も無いのに、返済出来るかのような顔をして借金をすることは絶対にしてはいけません。

4.裁判所の指示に従わない

自己破産する場合には、各場面において裁判所からいろいろな指示が出されます。自己破産手続きをスムーズに進めていくためには、このような裁判所の指示にきちんと従う必要があります。

裁判所の指示に従わず、協力しない場合にも、免責不許可事由となって免責が認められなくなる恐れがあります(破産法252条1項8号)。

求められた文書や資料を提出しない

自己破産でよくある裁判所の指示として、追加で文書や資料を提出してほしいと言われることがあります。

たとえば現在提出している文書に補足して説明文が必要だと言われたり、新たに家計収支表の提出が要求される場合もあります。反省文などが必要なケースもあります。

このように、裁判所から文書提出の指示があった場合に、きちんと対応しない破産者がいます。裁判所からの文書提出の指示に従わないと、破産手続きが進まなくなりますし、最悪の場合には免責が認められなくなるおそれもあるので、絶対にそのようなことのないよう注意が必要です。

呼出に応じない

自己破産中の裁判所からの指示内容として、裁判所への呼出もあります。たとえば、破産手続きの中でも「同時廃止」の場合には免責の審尋などの手続きが行われます。

破産手続きの中でも「管財事件」では債権者集会や財産状況報告集会などが開かれます。これらの場合、破産者自身が裁判所に行く必要があります。

裁判所からの呼出があった場合には、きちんと応じて、定められた時間に裁判所に出頭する必要があります。呼出を無視していると、手続きが進まなくなりますし、場合によっては免責が認められなくなるおそれもあります。

5.破産管財人の指示に従わない

自己破産で問題になる免責不許可事由としては、破産管財人の指示に従わないケースもあります(破産法252条1項9号)。

自己破産する場合には、破産者に一定以上の財産があると、破産管財人が選任されて管財事件になります。この場合には、破産管財人から破産者に対してさまざまな指示が出されます。

たとえば追加で資料を出してほしいと言われたり、管財人事務所に呼出を受けて、いろいろな質問を受けることなどもあります。

これらの破産管財人による指示にきちんと従わないと、免責が認められなくなるおそれがあります。

よって、自己破産申請中には、破産管財人の指示を無視したり、応じないなどの対応をとってはいけません。

6.弁護士の指示に従わない

自己破産する場合には、弁護士に手続きを依頼することが普通です。

その場合、弁護士が申立に必要な財産目録や債権者名簿なども作成してくれますし、裁判所や破産管財人とのやり取りもしてくれて、連絡内容を連絡してくれます。

裁判所から追加の指示があった場合や、破産管財人の事務所に行く日にちなども弁護士が設定して連絡をしてくれます。

また、自己破産申請前や手続き中に、弁護士事務所で今後の進行などについて打ち合わせをする機会も多いです。

ところが、債務者の中には、このような弁護士の指示に従わない人がいます。たとえば弁護士から資料を用意してほしいと言われても、いつまでたっても用意しなかったり、弁護士からの呼出があってもドタキャンしてしまう人もいます。さらには弁護士から電話がかかってきても無視する人などもいます。

このように、弁護士に非協力的な態度をとっていると、破産手続きを前にすすめるどころではなくなり、必ずと言って良いほど失敗します。

また、弁護士からの問い合わせなどに対して応答はするけれども、弁護士に嘘をつく人がいます。たとえば、財産内容や債権者の数や内容について弁護士に嘘をついて、裁判所に対して虚偽の報告をしようとするのです。

このようなことをすると、やはり免責不許可事由に該当するなどして自己破産に失敗してしまいます。よって、自己破産中には、必ず依頼している弁護士の指示に従い、くれぐれも無視したり嘘をついたりしないことが大切です。

まとめ

今回は、自己破産手続き中に絶対にしてはいけないことをご紹介しました。

自己破産には免責不許可事由があるので、それに該当するような行動をとってはいけません。財産内容や債権者の内容については正しく申告して、裁判所や破産管財人、弁護士の指示にはきちんと従いましょう。今回の記事を参考にして、正しく自己破産手続きを利用しましょう。

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