自己破産の7つのメリットと10個のデメリット

執筆者

元弁護士ライター 福谷 陽子

借金がかさんで返済が苦しくなった場合や、収入がなくなって借金返済が出来なくなってしまったら、自己破産によって借金問題を解決出来る可能性があります。

自己破産は、債務整理手続の1種です。債務整理には任意整理、個人再生、特定調停、自己破産の4種類がありますが、その中でも自己破産は、裁判所に申立をして免責してもらうことによって、すべての借金返済義務を0にしてもらうことが出来る手続です。

自己破産にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

このことを知っておかないと、自分では予想していなかったような不利益を被るおそれもあります。

そこで今回は、自己破産の7つのメリットと10個のデメリットについて解説します。

自己破産の7つのメリット

借金がかさんで多重債務者状態になり、返済が出来なくなったら自己破産によって解決する方法があります。自己破産にはどのようなメリットがあるのでしょうか?以下で順番に確認していきましょう。

1.借金返済義務が0になる

すべての債務の支払い義務がなくなる

自己破産手続を利用すると、借金返済義務がなくなります。消費者金融のキャッシングやクレジットカードのショッピング、リボ払い、各種のショッピングローンや銀行ローン、住宅ローンなど借入の種類はさまざまですが、これらのすべての債務は自己破産によってすべて支払い義務がなくなります。

自己破産を利用すると、奨学金の支払い義務や連帯保証人としての責任もなくなりますし、家賃などの滞納や買掛金の支払い義務など「借金」とは異なる債務も、一切の支払が不要になります。

自己破産では、裁判所に免責という決定をしてもらいますが、免責決定が出ると、すべての債務の支払い義務がなくなるのです。

手続後に返済が残らない

自己破産をした場合に免責が認められると、すべての債務の支払い義務がなくなるので、手続後に支払が残ることはありません。自己破産で免責を受けたあとは、すぐに借金が0の新しいスタートを切ることが出来ます。

手続後に支払が残らないので、手続後の支払が途中で出来なくなってしまったら、手続に失敗するなどのリスクもありません。

この点、他の債務整理手続では、どの方法をとっても手続後に支払が残ります。任意整理特定調停では、利息制限法を超過した取引がない限りほとんどの借金がそのまま残りますし、個人再生でも、減額が出来るとはいっても3年程度の支払が残ります。

これらの支払を途中で出来なくなると、手続に失敗して別の債務整理方法を利用しなければならなくなります。手続後に返済の残らない自己破産にはこのようなリスクはありません。

生活保護を受給する場合にも利用出来る

自己破産では手続後に返済が残らないので、生活保護を受給したい場合にも役立ちます。

生活保護を受給する場合には、借金返済することが認められていません。生活保護のお金は国民の貴重な税金が財源なので、これを借金返済に使われては困るという行政の判断があるからです。

よって、生活保護を受けたい場合には、手続後支払の残る任意整理や個人再生などの手続を利用する事は出来ません。自己破産によって借金返済義務をなくしてはじめて生活保護が受給出来るのです。

2.借金額に限度がない

自己破産を利用する場合には、借金額に限度額はありません。どれだけ多額の借金があっても自己破産で0にしてもらうことが可能です。

借金額が1000万円でも1億円でも10億円でも、自己破産で免責を認めてもらうことは可能ですし、免責決定が出ればどれほど多額の借金があっても返済義務が完全に0になります。

自己破産は、多額の借金がある場合だけではなく、借金額が少ない場合であっても利用出来ます。自己破産では、借金の金額では無く、その人の個別の状況からして借金返済が継続出来るかということが問題になります。

そこで、たとえば無職無収入の人の場合には、少額の借金でも支払不能ということになって、自己破産が出来ることになります。

シングルマザーでパートくらいの仕事しか出来ない場合には100万円以下の借金でも自己破産が出来ますし、生活保護受給者などの場合には、50万円以下の借金でも自己破産免責が認められます。

このように、借金額に限度がない点は、自己破産の大きなメリットです。個人再生の場合には、5000万円以下の借金の場合にしか利用できないという制限があり、これと比べても自己破産が有利であることがわかります。

5000万円を超える多額の借金や負債がある場合には、個人再生は利用出来ないので自己破産手続によって解決することになります。

3.利用出来る人の範囲が広い

収入要件がない

自己破産手続を利用する場合には、収入要件は必要になりません。先に説明したとおり、自己破産では、借金返済義務が完全に0になるので、手続後に支払が残りません。よって、手続後に支払が出来る程度の収入などは、まったく考える必要がないのです。

無職無収入や生活保護の人であっても自己破産することは出来ます。専業主婦やシングルマザーなどでも、自己破産を利用することは多いです。

この点、他の債務整理である任意整理、特定調停、個人再生では、どの手続をとっても手続後の支払が残ります。

そうすると、どうしてもその支払が出来るための最低限の収入が必要になってきます。特に個人再生の場合には、相当厳格に収入要件が審査されるので、手続を利用出来る人が相当限られてくることになります。

法人でも利用出来る

自己破産手続は法人でも利用出来ます。法人というのは、会社や企業などのことです。会社を設立して経営していても、経営状況が悪化して倒産することがあります。

この場合には法人も債務整理をしなければなりません。会社経営している場合には、自分一人が破産しただけでは解決出来ず、法人そのものも債務整理する必要があるのです。

法人が債務整理する方法はいくつかありますが、その中に破産手続があります。破産手続は法人でも利用出来るので、会社の借り入れ状況が悪化したら、会社が自己破産すれば良いのです。会社代表者と会社が同時に破産を申し立てて、一緒に破産手続をすすめていくケースもとても多いです。

このように手続をすすめると、会社代表者の借金と会社自身の借金が同時に清算されて、問題が一挙に解決出来ます。

この点個人再生は法人が利用することは出来ず、個人だけが利用出来ます。会社が再生手続を利用したい場合には、個人再生よりも複雑な民事再生という手続を利用する必要があります。

4.債務整理を拒絶する債権者がいても利用可能

自己破産する場合には、債権者の意見はあまり問題になりません。自己破産では、裁判所に免責を認めてもらえさえすれば、借金返済義務がなくなります。

破産法において、いくつかの「免責不許可事由」があり、免責不許可事由があると免責が受けられなくなる可能性はありますが、ここで必ずしも債権者の同意は必要にはなりません。

債務整理をする場合には、反対する債権者が出てくることが多いです。たとえば任意整理で話し合いをしようとしても、まったく話し合いに応じない債権者もいます。また、個人再生を利用しようとしても、再生計画案に対して異議を出してくる債権者がいます。

給与所得者等再生の場合には、異議を出す債権者がいてもあまり問題にはなりませんが、小規模個人再生の場合には、過半数の数や過半数の債権額の債権者が異議を出すと、再生計画案が認可されなくなってしまいます。

この点、自己破産ではこのような問題はありません。基本的に、免責不許可事由さえなければ、債権者がどれだけ反対しても免責が認められます。極端な話、債権者が全員自己破産に反対していたとしても、免責不許可事由さえなければ免責が認められて、借金返済義務が0になります。

他の債務整理方法では、何らかの形で債権者による意見が問題になることが多いので、これと比べると、手続に反対している債権者の存在が問題にならない自己破産には大きなメリットがあると言えます。

5.債権者からの督促や返済が止まる

自己破産手続を利用する場合には、弁護士や司法書士などの法律の専門家に手続を依頼することが普通です。自己破産は複雑で専門的な対応を必要とするので、しろうとである債務者が自分で対応することは困難だからです。

そして、自己破産手続を弁護士や司法書士に依頼すると、借金を滞納している場合であっても、債権者からの支払の督促が止まります。弁護士や司法書士が債務整理手続に介入した後は、債権者は債務者に直接連絡をとってはいけない旨、金融庁のガイドラインで定められているからです。

よって、自己破産手続に入ると、債権者からのしつこい督促から解放されますし、家族に借金を秘密にしている場合も、債権者からの連絡によって家族に謝金がバレる可能性が低くなります。

また、自己破産手続に入ると、借金返済もストップします。自己破産をする場合には、債権調査をして借金額がどれだけあるかを確定する必要があるからです。そして、自己破産申立をして免責が認められれば、そのまま借金返済義務は無くなることになります。

自己破産手続に入ると、債権者からの督促も止まり、借金返済もストップするので、債務者としては金銭的な負担もなくなり、精神的にも大変楽になります。

弁護士や司法書士に手続を依頼して余裕が出来れば、それまでの借金漬けの生活の中で崩れてしまった日常を徐々に取り戻すことが可能になります。手続後には完全に借金返済から解放されて、まさしく0からのスタートを切ることが可能になります。

6.強制執行を止めることが出来る

借金を滞納して自己破産をしようという場合には、すでに債権者から強制執行(差押)を受けていることがあります。借金を滞納すると、債権者から督促の連絡が来ますが、これも無視していると、債権者から訴訟(裁判)を起こされてしまいます。

裁判所で支払い命令が出ると、債権者はその判決書に従って、債務者の財産に強制執行してくるのです。このとき差押の対象になる財産は、債務者名義の預貯金や生命保険、給料などのあらゆる財産です。

給料を差し押さえられると、継続的に給料の一部が取り立てられるので、生活が困難になることも多いです。このように、借金滞納によって差し押さえが起こっている場合にも、自己破産をするとその強制執行手続を停止させることが可能です。

自己破産を申し立てて、破産手続開始決定が降りると、強制執行は効力を失うか、手続が中止します。よって、債務者は給料を受け取ることが出来るようになります。

ただし、自己破産手続の中でも「同時廃止」になるか「管財事件」になるかによって、給料の取り扱いが異なります。同時廃止とは、財産がない人のための簡易な自己破産手続のことで、管財事件とは財産がある程度ある人のための複雑な自己破産手続のことです。

管財事件の場合には、破産手続開始決定後は強制執行の効力がなくなるので、すぐに給料を全額受け取れるようになりますが、同時廃止の場合には、強制執行は注意されるだけです。

よって、破産手続き中に支払われた給料の一部(差し押さえ対象分)は免責決定後にまとめて受け取る形になります。

さらに、自己破産を申し立てて破産手続開始決定が出ると、それ以後に差押をすることは出来なくなります。

よって、借金を滞納していて債権者から裁判をされていたり、判決で支払い命令が出ている場合、「早期に借金支払いをしないと差押をする」などと言われている場合には、早めに自己破産手続を申し立てて開始決定を出してもらっておくと安心です。

破産手続開始決定さえ出れば、それ以後に新たに差し押さえが行われることはなく、そのまま免責が出れば借金から解放されることになるからです。

7.過払い金請求が出来る

自己破産をする場合には、各債権者の債権額を確定する必要があります。そのためには、各債権者から取引履歴を取り寄せて、それを利息制限法に引き直し計算します。その過程で、過払い金が発生していることが明らかになることがあります。

過払い金が発生していると、自己破産手続をすすめている場合でもその過払い金を回収することになります。自己破産手続は、通常弁護士や司法書士などの法律の専門家に手続を依頼しますが、弁護士や司法書士が自己破産手続の最中に過払い金を発見したら、当然に過払い金返還請求をします。

このように自己破産手続であっても、手続き中に過払い金が発見されたら過払い金請求が出来るというメリットがあります。

ただし、自己破産では、後のデメリットの項で説明するとおり、債務者は最低限生活に必要な財産しか持って破産することが出来ません。

よって、回収した過払い金は、ほとんどの場合、債権者に配当されてしまうことになります。任意整理や個人再生の場合のように、回収した過払い金を全額手元に残せることにはなりません。

ただし、一定額は手元に残せる可能性があるという限度で、自己破産においても過払い金回収が出来ることにメリットはあると言えます。

自己破産の10個のデメリット

自己破産には、手続によってすべての借金返済義務が0になるという強力な効果がありますが、その分いろいろな制限があり、デメリットも多いです。自己破産には、具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか?以下では自己破産のデメリットについて順番に確認していきましょう。

1.ブラックリスト状態になる

自己破産をすると、すべての借金返済義務がなくなりますが、ローンやクレジットカードなどの利用が出来なくなります。自己破産をすると、信用情報機関が保管している個人信用情報に事故情報(異動情報、ネガティブ情報)が記録されてしまいます。

信用情報機関とは、個人の借り入れなどについての信用状態に関する信用情報を管理している機関です。信用情報機関には「CIC」と「JICC」、「全国銀行協会」の3つがあります。

そして、銀行などの金融機関や信販会社などの貸金業者は、ローン審査の際に信用情報を参照します。このとき、個人信用情報に事故情報が記録されていると、債務整理したことが判明してローン審査に落ちてしまいます。

このように、個人信用情報に事故情報が記録されていてローン審査に通らない状態のことを、俗にブラックリスト状態と言っています。

ブラックリスト状態になると、住宅ローンや車のローンなどの各種のローンを利用することは出来ませんし、自分名義でクレジットカードを発行することも出来ません。今利用しているクレジットカードもいずれは止められることになってしまいます。子どもの奨学金の連帯保証人になることも出来なくなり、大変不便です。

自己破産をすると、弁護士や司法書士が債権者に対して受任通知を発送した段階で、個人信用情報に事故情報が記録されてブラックリスト状態になります。

自己破産によるブラックリスト期間は、CICとJICCの場合には自己破産手続後5年間ですが、全国銀行協会の場合には自己破産手続後10年になります。

よって、自己破産後5年~10年の間は、ローンやクレジットカードの利用をすることが困難になります。

2.基本的に財産がなくなる

自己破産をすると、借金返済義務はなくなりますが、その代わり失うものも大きいです。自己破産をすると、基本的に破産者が所有している財産はすべて失うことになります。破産者の所有する財産は、破産管財人という職務の人がすべて現金に換価して、債権者に平等に配当されてしまうからです。

たとえば預貯金や生命保険があっても解約されますし、不動産や車なども売却されてしまいます。先ほどのメリットの項で説明したように過払い金を回収しても、結局は債権者に配当されてしまいます。

ただし、自己破産ではすべての財産を取られるわけではありません。

自己破産手続を利用しても、生活に最低限必要な財産は手元に残すことが可能です。具体的には、個別の財産について、20万円までは手元に持ったまま破産することが出来ます。

たとえば、預貯金や生命保険、車などの評価がそれぞれ20万円までなら持ったまま破産出来るということです。さらに、現金で財産を所有している場合には99万円まで持ったまま破産することが出来ます。

よって、先ほどの例で、過払い金が回収出来た場合には、回収金額が20万円以内なら失うことはありませんし、20万円以上になっていても、20万円以下の部分については手元に残せる可能性があります。

また、自己破産手続によって失う財産は、基本的に破産者名義の財産です。家族名義の財産などについては、自己破産によっても手放す必要はありません。

ただし、財産隠しのためにわざと配偶者名義にした場合などには、名義移転の効果が否定されてしまうことがありますし、免責不許可事由に該当してしまうおそれもありますので、注意しましょう。

3.資格制限を受ける

自己破産手続を利用すると、一定の職業に就けなくなる可能性があります。自己破産手続が開始すると、免責決定が確定するなどして自己破産手続が終結するまで、「資格制限」という制限を受けます。資格制限とは、一定の職業に就けなくなってしまうことや、一定の資格を失うことです。

具体的には、弁護士や司法書士、税理士などの士業に就くことが出来なくなりますし、不動産業を行う際の宅建業や、警備員、生命保険外交員などの仕事に就くこともできなくなります。

また、判断能力が低下して自分で財産管理が出来なくなった人(たとえば認知症の人など)のために財産管理をする成年後見人になる資格も失います。

このように、自己破産をすると、免責決定が出るまでの間、一定の職業に就けなくなってしまうことや成年後見人になる資格などが失われることがデメリットになります。

これと似たデメリットで、自己破産をするといったん会社の役員を退任しなければならないというもデメリットもあります。

自己破産によって当然に委任契約が終了するので、自己破産により取締役や監査役、代表取締役などの役員はいったん退任することになります。

ただ、これについては資格制限とは異なるので、免責を待たずに再任してもらうことが可能です。自己破産によっていったん役員を退任しても、その後再任されれば、また同じように役員をすることが可能です。

参考:自己破産手続き中に就けない職業「資格制限」とその理由

4.借金の原因が問題になる

自己破産をする場合には、借金の原因が問題になることがあります。自己破産では、借金を0にしてもらうための決定である「免責」を得ることが目的になります。ところが、一定の事由があると、免責を出してもらうことが出来なくなります。

このように、免責が受けられなくなる可能性のある一定の事由のことを、「免責不許可事由」と言います。

そして、借金の原因によってはこの免責不許可事由に該当してしまいます。具体的には浪費やギャンブルなどが原因で借金した場合には、免責不許可事由に該当します。

たとえばパチンコや競馬などのギャンブル、買い物、旅行などの浪費が原因で借金がかさんでしまった場合には、免責が受けられなくなってしまうおそれがあります。自己破産では、免責が受けられないと借金がなくならないので、手続に失敗してしまいます。

ただし、免責不許可事由があっても必ずしも免責が受けられないということではありません。自己破産には「裁量免責」という制度があります。裁量免責とは、免責不許可事由があっても、その事案を総合的に評価して、裁判官の裁量によって免責が認められるという制度です。

裁量免責するかどうかの判断に際しては、たとえば破産者がしっかり反省しているかや、浪費やギャンブルに使われたお金の金額などの要素が考慮されます。

実際、1回目の破産の場合には、免責不許可事由があったとしても、ほとんどのケースで裁量免責が認められている現状もあるので、浪費やギャンブルなどによる借金があっても、それほどナイーブになる必要はありません。

5.保証人に迷惑をかける

自己破産を利用する場合、借金に連帯保証人がついていることがあります。借金する場合には、家族や親戚、友人知人などに連帯保証人になってもらうことも多いです。

このような場合に自己破産手続を利用すると、債権者は連帯保証人に借金の支払い請求をします。

そして、この場合には借金を滞納していることによって借金の分割払いが出来なくなって、連帯保証人に対しては借金残金の一括払い請求がなされてしまうことが多いです。さらに、通常利息よりも高額な遅延損害金が加算されてしまうことが普通です。

連帯保証人はこの債権者による借金の一括請求を拒むことが出来ませんし、もし支払が出来ないなら、連帯保証人自身も自己破産などの債務整理手続をとらないといけなくなります。

このように自己破産手続を利用すると、自分の借金はなくなりますが、連帯保証人には多大な迷惑をかけることになります。親戚や友人知人に連帯保証人になってもらっている場合には、人間関係に亀裂が入ることもあり、大きな問題になります。

この点、任意整理や特定調停の場合には、対象とする債権者を選べるので、連帯保証人がついている借金を外して手続をすれば、連帯保証人に迷惑をかけることは避けられます。

これと比べて、すべての債権者を対象にしなければならない自己破産には、連帯保証人に迷惑をかけざるを得ない点で大きなデメリットがあります。

6.官報に情報掲載される

自己破産をすると、官報に氏名や住所などの情報が掲載されてしまいます。官報というのは、政府が発行している機関誌のことです。具体的には法律や条令、条約などの法令に関する情報や、破産者などの裁判所の情報などが掲載されています。

政府が発行している新聞のようなものだと考えると良いでしょう。官報は、インターネット上でも閲覧することが出来ますし、一部の図書館でも読むことが出来ます。

自己破産手続を利用すると、官報に氏名等の情報が掲載されます。具体的には氏名と住所、裁判所での決定内容(手続開始決定や免責決定など)などが掲載されます。

ただ、官報に情報掲載されることによって、周囲に自己破産がバレるリスクはさほど高くはありません。一般の人で官報を読んでいる人はほとんどいないからです。よって、官報に氏名等が載ったからと言って、家族や職場に自己破産したことが判明する心配はほとんどないと言って良いでしょう。

ただ、官報に氏名や破産情報が掲載されることによって、闇金業者などが、自己破産手続後にDMなどを送ってくることがあります。闇金業者は、これらの情報をチェックして、勧誘の手段に利用しているからです。

また、官報掲載によって周囲に自己破産がバレる可能性は低いとはいっても0ではないので、その意味でも官報掲載されるデメリットはあると言えるでしょう。

7.膨大な資料が必要

自己破産は、裁判所に申立をして免責決定をしてもらう手続です。裁判所を利用する手続なので、その分必要書類の数がとても多いです。

申立書や債権者一覧表、財産目録などの作成が必要な書類もたくさんありますし、給与明細書、源泉徴収票、確定申告書や課税証明書、銀行預貯金通帳や取引履歴、保険証券や解約返戻金証明書、不動産登記簿謄本や固定資産評価証明書、退職金の証明書や住民票など、大量の資料類も必要になります。

しかもこれらの必要書類は、個別のケースによって、何が必要かが異なってきます。そして、必要書類や資料に漏れがあると、裁判所は手続をすすめてくれないので、自己破産手続が進まなくなります。

このように、自己破産では膨大な書類や資料が必要になります。これらの書類を適切に集めることには非常に困難を伴います。

この意味でも、自己破産手続を利用する場合には弁護士や司法書士に手続を依頼することが必須になります。どのような書類が必要かや、集め方がわからない場合には、手続を依頼している弁護士や司法書士に尋ねると、教えてもらうことが出来ます。

参考:自己破産の必要書類(書式)と書く際の注意点

8.手続が厳格

自己破産を利用する場合には、裁判所で手続をすすめて免責決定をしてもらう必要があります。そのためには、裁判所での厳格な手続進行に従わなければなりません。

必要な時期に必要な書類を提出しなければなりませんし、裁判所で集会や審尋が行われる場合には、債務者もきちんと出頭する必要があります。

免責不許可事由があるケースなどでは、裁判所から反省文の提出を求められる場合などもありますが、この場合にも早めにきちんとした内容の反省文を提出しないと、免責が受けられなくなる可能性があります。

手続にかかる期間もだいたい決まっており、急いでもらうことなどの便宜をはかってもらうことは出来ません。このように、自己破産は手続が厳格な債務整理方法です。

これに対して、たとえば裁判所を利用しない任意整理手続では手続はとても簡便です。特に厳格な決まりはなく、債権者と話し合って双方が納得すれば基本的に問題が解決されます。これと比べても、自己破産は手続が厳格で利用に困難をともなうことがわかります。

9.専門家への依頼が必須になる

前項やその前の項で説明したとおり、自己破産では膨大な数と種類の書類や資料が必要になり、しかも手続も非常に厳格です。よって、しろうとである債務者が自分で取り組むことはほとんど不可能です。

よって自己破産手続を利用する場合には、弁護士や司法書士などの専門家への依頼が必須になります。専門家に依頼すると、その分費用もかかります。

この点、他の債務整理手続である任意整理や特定調停の場合には、手続が比較的簡便なので、債務者が自分で手続をとることも可能です。実際にこれらの手続を自分ですすめている債務者もたくさんいます。

これと比べると、自分で手続をすすめることが困難な自己破産にはデメリットがあることがわかります。債務者が自分で自己破産申立をしようとして裁判所に行くと、裁判所から弁護士に依頼するように事実上勧告されることもあります。

10.手続費用が高い

自己破産手続を利用する場合には、費用がかかります。自己破産にかかる費用には、裁判所におさめる実費と弁護士費用(司法書士費用)があります。実費とは、仮に弁護士に依頼せず自分で手続きしたとしてもかかる費用のことです。

自己破産にかかる実費は、自己破産手続の種類によって異なります。財産が無い人のための簡易な手続である同時廃止事件の場合には、自己破産にかかる費用は印紙代と郵便切手、官報広告費用の合計3万円程度です。

これに対し、財産がある人のための複雑な手続きである管財手続の場合には、上記に足して、最低限20万円の管財予納金が必要になります。よって、自己破産の場合には、管財手続になると、実費だけでも相当な金額がかかってくることになります。

さらに、自己破産する場合には、上記のように、弁護士や司法書士などの専門家に手続を依頼することが必須になります。そうすると、当然専門家の費用がかかります。

自己破産する場合の弁護士費用は、着手金がだいたい20万円~50万円程度です。弁護士の費用も、同時廃止事件より管財事件の方が高くなることが普通です。

よって、専門家にかかる費用においても、自己破産は、管財事件になると相当高額な費用がかかってしまうことになります。

また、同時廃止事件でも、他の任意整理や特定調停などの手続を比べると、費用が高くなることが多いです。自己破産手続でかかる費用の総額のだいたいの目安としては、同時廃止事件の場合には30万円程度ですが、管財事件になると50万円~60万円程度にもなってしまいます。

以上のように、自己破産では、特に管財事件になった場合にかなりの費用負担が必要になる点がデメリットになります。

参考:自己破産にかかる費用と相場

まとめ

今回は、自己破産のメリットとデメリットについて解説しました。

自己破産をすると、借金返済義務が完全に0になります。このことは、他のどの債務整理手続にもない自己破産の大きなメリットです。

また、自己破産には借金額に制限はありませんし、個人再生と違って収入要件なども不要です。弁護士に依頼すれば債権者からの督促も止まりますし、強制執行が行われていても、これを止めることも可能です。

しかし、自己破産は借金を0にするという強力な効果がある分、デメリットも大きいです。基本的に財産はすべて無くなりますし、一定の職業に就けなくなる資格制限もあります。官報に情報掲載されますし、手続が厳格で必要書類も多く、費用も高額だという問題もあります。

自己破産を検討する場合には、これらのメリットとデメリットを正しく把握して、適切な判断をする必要があります。

今後自己破産を検討していたり、現在自己破産手続き中の方は、今回の記事を参考にして後悔のない債務整理を行いましょう。

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