サラリーマンが自己破産するケース

執筆者

元弁護士ライター 福谷 陽子

借金返済がかさんで支払ができなくなるケースはとても多いです。ひと言で借金返済ができないと言っても、その状況は人によってさまざまです。

その中でも多いのが、会社員(サラリーマン)が借金してしまうケースです。サラリーマンが借金返済出来なくなった場合、自己破産をするとどのような問題があるのでしょうか?

会社に自己破産したことが知られてしまうと、会社に居づらくなってしまいますし、そもそも会社に就職する場合などに会社に知られて不利益を受けるのかなども心配です。会社での昇進にかかわるのかなども知っておく必要があります。

そこで今回は、サラリーマンが自己破産する場合の問題点について解説します。

サラリーマンは借金がかさみやすい

借金をする事情は人によってさまざまですが、サラリーマンは借金がかさみやすいタイプの職種です。サラリーマンは、社会の中で信用が高いので、借金を利用しやすいからです。

まず、サラリーマンは給料制なので、一定の安定した収入があります。個人事業者などの場合には、月によって売上げの変動も大きいですが、これに比べてサラリーマンなら安定して返済を継続してくれます。

また、日本のサラリーマンはほとんどが無期限の雇用契約の、いわゆる正社員です。正社員の場合には、会社は従業員を簡単に解雇することができません。よほどその従業員に落ち度がある場合などでないと、会社都合による解雇は認められないのです。

よって、サラリーマンは借金をしても返済能力が高いです。そこで、多くの消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者は、相手がサラリーマンならどんどんお金を貸します。

銀行や信用金庫などの金融機関からもサラリーマンは借金しやすいです。たとえば住宅ローンなどのローンも、サラリーマンなら簡単に審査に通ります。

このように、サラリーマンは借金をしようと思えばいくらでもできる環境にあります。少し油断をして借金をかさねていると、気づいたときには莫大な借金を抱えているというケースも多いです。

サラリーマンの借金の特徴

借金の内容は人によってもさまざまですが、サラリーマンの借金にはどのような特徴があるのでしょうか?

サラリーマンが借金をする場合には、銀行カードローンや消費者金融のキャッシングなどがかさんでいることが多いです。利用している貸金業者はだいたい大手の会社です。サラリーマンは貸金業者の審査に通りやすいので、わざわざ中小のサラ金を利用する必要がないからです。また、家族が利用したりしてクレジットカードの債務もかさんでいるケースがあります。

さらに多いのが、高額な住宅ローンを抱えているケースです。サラリーマンが借金返済できなくなるきっかけの多くが住宅ローンです。

サラリーマンの場合、住宅ローン審査に通りやすいので、どうしても少し無理をして高めの住宅ローンを組んでしまいがちです。ボーナス時に増額して住宅ローンを支払うボーナス払いを利用することもよくあります。

しかし、無理をして高額な住宅ローンを組むと、最初は良くてもいずれは返済が苦しくなります。そして返済を滞納するようになって、最終的には支払不能状態になってしまいます。

個人再生の住宅資金特別条項で住宅を守ることができるうちならまだ良いですが、それより状況が悪化してもはや住宅も競売にかかり、自己破産によって解決するしかなくなるケースもあります。

サラリーマンも自己破産できる

サラリーマンが借金返済出来なくなった場合、自己破産をすることによって解決することができるのでしょうか?

自己破産とは、裁判所に申立をして、すべての借金返済義務をなくしてもらう手続きのことです。

自己破産は、特に利用できる人について制限はないので、サラリーマンでも自己破産を利用する事ができます。自己破産をすると、かさんだ借金をまったく返済しなくて良くなるので、借金問題を根本的に解決することができます。

サラリーマンが自己破産すると会社に知られるのか

会社員が自己破産をする場合には、そのことを会社に知られるかどうかが心配になります。

自己破産をすると、社会の中での信用が失われます。よって、会社に自己破産をしたことを知られると、会社の中で不利益な取り扱いを受ける可能性があるからです。

サラリーマンが自己破産をして会社に知られることはあるのでしょうか?

会社に自己破産についての通知や連絡はない

会社員が自己破産をしたからといって、会社にその事実が知られることはありません。

自己破産をしても、裁判所や債権者、弁護士などから会社に連絡が来ることはありませんし、何らかの通知がなされることもありません。

よって、自己破産をしても、基本的に自分でその事実を申告しない限り、会社に自己破産が知られることはありません。

自己破産すると官報掲載される

自己破産をすると、氏名や住所、自己破産の事実などが「官報」に掲載されるという問題があります。官報とはどのようなものなのでしょうか?

官報とは、法律や条約などの法令に関する情報や、破産者などについての情報が掲載される政府の機関紙のことです。政府が発行している新聞のようなものだと考えるとわかりやすいです。

官報を閲覧したい場合には、インターネット上で一部を閲覧することができます。古いバックナンバーなどについては、図書館に行くと読むことができます。

ただし、どの図書館にも官報を置いているわけではないので、官報を読みたい場合には、事前に図書館に対して、官報が置いてあるかどうかを確認する必要があります。官報は定期購読することも可能です。

官報に掲載されても会社に知られない

自己破産をすると、氏名や住所、自己破産した事実などが2回官報に掲載されます。このことによって、会社に自己破産したことが知られる可能性はあるのでしょうか?

これは実際にはほとんどありません。

官報は、一般の人や会社はほとんど閲覧や購読をしていません。実際周囲の人に官報について知っているかどうかを尋ねても、ほとんどの人が知らないと答えるでしょう。

会社においても同じことです。よって、官報に情報掲載されたからと言って会社に自己破産がバレることを、さほど心配する必要はありません。

ただ、不動産屋やリサイクル業者など、一部の業種では、官報広告などによって自己破産者をチェックしていることがあります。これらの会社に勤めている場合には、官報掲載によって自己破産がバレる可能性が絶対にないとは言えません。

会社にバレると解雇理由になるのか

サラリーマンが自己破産をしても、基本的に会社にバレることはありません。しかし、もし何らかのきっかけで会社に自己破産がバレてしまった場合には、解雇されてしまうおそれはあるのでしょうか?

日本の会社員の多くは無期雇用契約の正社員です。期限を定めずに雇用されているということです。この場合、解雇できるケースは極めて限定されます。

従業員の能力が通常よりも著しく劣っていて、会社に酷い迷惑をかけ続けている場合などに、ようやく認められる程度です。しかも、会社側がその改善のために何度も努力したけれども、どうしようもなかったケースなどに限られます。

このように、会社がサラリーマンを解雇できるケースは極めて限定されているので、従業員が自己破産したというだけで解雇することは認められません。

自己破産は、会社の業務とは無関係な従業員の個人的なお金の問題です。このことによって、従業員が信用を失うことはあっても、会社を解雇される理由にはならないのです。

ただし、解雇はされないとしても、会社に自己破産したことがバレることによって、会社に居づらくなる可能性は充分にあります。

会社での雰囲気が悪くなって居心地が悪くなり、事実上退職を申し出ざるを得ない状態になってしまうこともあり得ます。

自己破産が知られることによって、会社内がどのような雰囲気になるかは、会社によっても大きく異なります。

基本的に、自己破産をしても解雇されることはありませんが、業種や社風などによっては事実上会社にいられなくなることがあるので注意が必要です。

会社での昇進に影響するか

サラリーマンが自己破産をした場合、そのことが会社での昇進に影響を及ぼすかどうかも心配になります。

この問題も、そもそも自己破産が会社に知られる可能性があるのかという問題と関わります。

この点、先にも説明した通り、自己破産をしても会社にその事実を知られる可能性はほとんどありませんので、その場合には、当然自己破産が昇進に影響することはないということになります。

これに対して、何らかのきっかけで会社に自己破産したことがバレてしまった場合には、昇進できなくなることがあるのでしょうか?

まず、一般的には、自己破産したからといって昇進させないという対応がとられることはありません。会社での昇進の問題は、その人の会社での活躍ぶりを見て判断されるべきものであって、その人が会社の業務と関係のないところで自己破産したからと言って、昇進させない理由にはならないからです。

ただ、会社の業種や社風などによっては、自己破産して信用がない人を昇進させないこともあります。たとえば銀行などの金融機関につとめている場合などには、自己破産したことが勤務先にバレると、昇進が難しくなることは充分にあり得ます。

銀行の利用者から見ても、自己破産した人が支店長を勤めているような銀行には大切なお金の預け入れをしたくないと考えることが多いでしょう。

このように、信用を重視する業種や社風などの場合には、自己破産が会社にバレると昇進が難しくなるケースもあり得るので、注意が必要です。

会社への就職に影響するか

自己破産をすると、会社への就職に影響することがあるのでしょうか?たとえば、現在の会社を辞めて再就職する際などに、自己破産が不利益に評価されることがあるのかなどが心配です。

ここでも、そもそも自己破産したことが採用先の企業に知られることがあるのかという問題があります。

先にも説明しましたが、自己破産をしてもそのことを勤務先に知られることはありません。同じように、採用先の企業に自己破産したことが知られることも、通常はありません。

採用先の企業が、採用前に身上調査などで自己破産したかどうかを調査することもありません。

よって、通常の就職活動をして通常の就職先に就職する場合には、自己破産したことが採用先の企業に知られることはまずありません。

ただ、過去に自己破産をして免責の対象にした会社に就職する場合などには、当然就職先に自己破産が知られていることになります。よってこの場合には、そのことが不利益に評価されて就職が難しくなることも考えられます。

これら以外の一般的な就職の場合に自己破産が影響することはまずありません。自己破産をしても、戸籍や住民票、運転免許証などの公的書類にも何らの記載もされないので、これらの記載から自己破産が就職先にバレることもありません。

以上のように、自己破産をしても、基本的に就職先にバレたり不利益に影響することはないので、安心しましょう。

サラリーマンが自己破産すると家族はどうなる?

サラリーマンが自己破産する場合、その人は家族の大黒柱であることが多いです。大黒柱が自己破産することによって、家族にはどのような影響があるのでしょうか?

まず、自己破産すると破産者の財産がすべて失われます。破産者名義の預貯金や生命保険、不動産などはすべてなくなります。

たとえば破産者名義で積み立ててきた預貯金や、子どものためにかけていた学資保険などもなくなります。住宅ローンを支払っているマイホームがある場合にも、自宅がなくなりますので、家族全員が新しい家を探して引っ越しをしなければなりません。

また、自己破産をすると、ブラックリスト状態になってしまうので、その後はローンやクレジットカードを利用することができません。今使っているクレジットカードも止められます。

よって、サラリーマンが自己破産をすると、その後家族で話し合ってローンを組みたい場合にも利用する事はできませんし、クレジットカードも発行できません。

配偶者が専業主婦で収入が無い場合などには、家族全体がクレジットカードを利用出来なくなって大変不便になることもあります。

このように、家族のいるサラリーマンが自己破産をすると、少なからず家族に影響を及ぼしてしまうため、事前にきちんと家族と話し合って理解を得ておく方が良いでしょう。

まとめ

今回は、サラリーマンの自己破産について解説しました。サラリーマンは借金がかさみやすいです。自己破産をしても会社にはバレませんし、解雇されたり昇進に影響することも基本的にはありません。

しかし、業種や社風によっては、自己破産したことで会社に居づらくなる可能性もあります。サラリーマンが自己破産する場合には、これらのリスクをしっかり理解しておく必要があります。

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