過払い金請求にかかる費用(手数料)

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執筆者

佐藤元宣FP事務所

FP 佐藤 元宣

長い間に渡って、消費者金融や銀行系のカードローンをはじめ、クレジットカードのキャッシングなど複数の借入をしている方にとってみますと、毎月の借金返済は本当に辛いものです。

この辛い借金返済も弁護士などの専門家が貸金業者などに対して行う過払い金請求によって、大幅に借金が減額されたり、まったく無くなったり、時として借金が無くなった他にお金まで戻ってくることさえあるのを知っていましたか?

中には知っていたとはいえ、「ただでさえ毎月のお金に苦労しているのに弁護士に過払い金請求を頼むお金なんて出せるわけがない」と思っている方、きっとたくさんいることだろうと思います。

そこで本記事では、過払い金請求をしたくともなかなか重たい腰が上がらない方を対象に、過払い金請求にかかる費用から実際にかかると予測される概算計算の他、弁護士に過払い金請求を依頼する上でのアドバイスまで幅広く解説していきます。

過払い金請求について

本記事を読んでいる方は、すでに「過払い金請求」についてご存知だと思いますが、念のため過払い金請求について簡単におさらいしていきます。

はじめに「過払い金」とは、貸金業者に対して返しすぎたお金のことを言います。そして、「過払い金請求」とは、この返しすぎたお金を貸金業者に対して返してくださいと請求することを言います。

過払い金請求にかかる3つの弁護士費用

過払い金請求にかかる弁護士費用は、「着手金」「報酬金」「手数料」の3つに大きく分けられます。これらの費用は、依頼する弁護士や弁護士法人によって異なりはあるものの、極端な報酬の差が実はありません。

こちらの理由につきましては、「5.過払い金請求のルールが実は存在する」で詳しく後述していきます。本項では、代表的なこれら3つの弁護士費用について個別に解説していきます。

着手金について

着手金とは、依頼された業務について対応してもらうために支払うお金のことを言います。

過払い金請求の例で解説しますと、貸金業者と弁護士の間で過払い金請求についての交渉を進めてもらうために弁護士などの専門家へ支払うお金のことを言い、貸金業者との交渉の成功、交渉の失敗といった結果の有無を問わない特徴があります。

仮に、過払い金請求の依頼途中で弁護士を解任した場合において、一度支払った着手金が戻ってくることはありません。着手金は、専門家の立場からすると依頼を遂行するための「手間賃」のような性質があるお金と考えて良いでしょう。

報酬金について

報酬金とは、依頼者からの依頼業務について成功という結果を残した場合に依頼者が専門家に支払う報酬のことを言います。報酬金はさらに「解決報酬金(成功報酬)」「減額報酬金」「過払金報酬金」と細かく分けられます。

過払い金請求の例で解説しますと、複数の貸金業者との過払い金請求を依頼された専門家が、貸金業者との交渉の末、借金の減額や和解に成功し、当初抱えていた借金について依頼者との契約内容に合致した場合、依頼者は報酬金を専門家へ支払わなければなりません。

報酬金は、専門家の立場からすると依頼者の依頼を確実に成功へ導くためのお金と考えて良いでしょう。

なお、過払金報酬とは、専門家が貸金業者などと過払い金請求について交渉し成功した場合において、貸金業者から取り戻せた過払い金から一定の割合を乗じたものが「過払金報酬」として専門家に支払われます。

「解決報酬金(成功報酬)」に似ているところがありますが、弁護士事務所や弁護士法人などによっては、成功報酬と過払金報酬をまとめて1つにしているところもあります。

手数料について

手数料とは、着手金に似ている部分もありますが、過払い金請求の成功・不成功がない事務処理にかかる報酬のことをいいます。

3つの弁護士費用のまとめ

ここまで過払い金請求における3つの弁護士費用を解説しましたが、弁護士事務所や弁護士法人によってこれらの弁護士費用の報酬名が異なっているため、何が何だかよくわからないと感じている方がきっと多いと思います。そこで、違った報酬名も含めて以下の表に改めてまとめております。

報酬名 報酬内容
着手金
または
基本報酬
依頼された業務について対応してもらうために支払うお金のこと。着手金の代わりに基本報酬といった時間相談料にしているところもある。
報酬金
解決報酬金
(成功報酬)
減額報酬金
過払金報酬金
・解決報酬金は、依頼者からの依頼業務について成功という結果を残した場合に依頼者が専門家に支払う報酬のこと。1社につき成功報酬2万円などのように「定額」の場合もある
・減額報酬金は、貸金業者が主張する債権額と実際に支払うことになった金額との差額(減額分)をもとに算定する報酬金のこと。減額分の10%以下
・過払金報酬金は、専門家が貸金業者などと過払い金請求について交渉し成功した場合において、貸金業者から取り戻せた過払い金から一定の割合を乗じた報酬のこと。20%程度。
手数料 過払い金請求の成功・不成功がない事務処理にかかる報酬のこと。弁護士事務所や弁護士法人によって金額はさまざま

上記、代表的な3つの弁護士費用の他、減額報酬といったその他の弁護士費用もケースバイ・ケースで必要になることもあります。

明朗会計であるのは当然に求められることでありますが、特に分かりづらい報酬システムだけに、追加費用の有無などもしっかりと確認しておくことが重要です。つい目先の報酬の安さにつられて、結果として追加費用で高くなったということだけは避けなければならないでしょう。

3つの弁護士費用の全体的な相場とは

前項では代表的な3つの弁護士費用について解説しました。本項では、これらの弁護士費用の全体的な相場についてまとめて紹介していきます。

報酬名 相場報酬
着手金
または
基本報酬
無料から1社あたり1万円から4万円
基本報酬は相談料1時間5,000円程度
成功報酬
または
解決報酬金
1社あたり2万円前後
過払金報酬金 回収に成功した過払い金×20%
訴訟の場合は25%

上記はあくまでも過払い金請求における専門家に支払う相場であるため、弁護士事務所や弁護士法人によってその報酬制度にばらつきがあります。過払い金請求は、報酬だけでなく実績も加味して信頼できる専門家に依頼する必要があります。

過払い金請求は「実費」も発生する

過払い金請求を行った場合、専門家へ支払う報酬の他、収入印紙代、切手代、交通費、振込手数料といった細かな支出も必要になってきます。

これらの支出は「実費」となりますが、仮に貸金業者との過払い金交渉において和解が成立せず、訴訟となってしまった場合は、これらの実費費用はさらに膨らむことになります。参考までに訴訟費用の項目を以下の表へまとめております。

訴訟費用費目一覧表の例

訴訟費用
裁判費用 裁判外費用
手数料 手数料以外の費用 旅費・日当など 書類作成など
印紙代 訴訟、判決等の送達料 旅費(1人分のみ) 日当 宿泊費(1人分のみ) 裁判所への文書送付費用 訴訟準備書面作成費用 書類作成費用 戸籍謄本、住民票など

訴訟費用は、裁判費用と裁判外費用に大きく分けられ、さらに手数料、手数料以外の費用、旅費・日当、書類作成といったように細かく分類されます。

これらの金額は、「民訴費用法」といった法律に基づいて定められておりますが、本記事では訴訟費用は細かな実費支出が多く伴うといったイメージを持っていただくことを目的としておりますので、金額の掲載につきましては割愛させていただきます。

過払い金請求のルールが実は存在する

先に「過払い金請求にかかる3つの弁護士費用」で軽くふれさせていただきましたように、弁護士事務所や弁護士法人が定めている弁護士費用にはそれぞれ異なりがあるものの、極端な報酬の差が実はありません。この理由について本項では詳しく解説していきます。

「債務整理事件処理の規律を定める規定」の施行背景

平成16年4月より弁護士報酬の自由化が始まり、弁護士事務所や弁護士法人がそれぞれ独自の報酬を設定することで差別化を図れる時代が訪れました。

一方で、平成23年4月1日より日本弁護士会連合会(以下、日弁連とします)は、「債務整理事件処理の規律を定める規定」を施行しました。

この規定の施行背景には、弁護士や司法書士の一部が、過払い金請求の事務手続きを無資格の事務員に任せたままで自分では手をかけなかったり、不相当に高額な弁護士報酬を依頼者に請求したりするといったことなどが、社会問題となりつつありました。

そのため、この問題を解決するために日弁連は、「債務整理事件処理の規律を定める規定」を定め、平成23年4月1日よりこの規定を施行したのが始まりです。

「債務整理事件処理の規律を定める規定」の概要

債務整理事件処理の規律を定める規定」には、以下のようなことが定められています。

  • 弁護士報酬の規制
  • 依頼者との過払い金請求の方針説明
  • 依頼者に対する不利益事項の説明
  • 依頼者に対する弁護士費用の説明
  • 依頼者に対する民事法律扶助に関する説明
  • 依頼者に対する手続きの報告

上記の内容は、言葉だけ見ますと難しく感じてしまいますが、要は物を購入したり何かサービスを受ける前にあらかじめ説明や注意があるのと同じことです。この規定が定まる前は、このような今ではごく当たり前のことがなされていなかったという見方もできます。

過払い金請求の前により詳しく、より分かりやすい説明ができない弁護士事務所や弁護士法人の場合は、後々の金銭トラブルも十分予測することができます。

あいまいな部分は、理解するまで確認することはもちろん、説明が不十分であったり不誠実と感じられた場合には、他の弁護士事務所や弁護士法人を探す選択が無難であると考えられます。

弁護士事務所や弁護士法人が定めている弁護士費用について極端な報酬の差がない理由は、日弁連が規定している「債務整理事件処理の規律を定める規定」に順守しているからになります。

過払い金請求にかかる費用を概算計算した一例

ここからは、過払い金請求にかかる費用を概算計算した一例を紹介していきます。まずは前項で解説した「債務整理事件処理の規律を定める規定」に定められている具体的な報酬上限を以下の表にまとめて紹介します。

「債務整理事件処理の規律を定める規定」で定める報酬上限

報酬名 報酬上限
着手金 上限なし(例外あり)
解決報酬金 原則として1社あたり2万円以下
ただし商工ローンは5万円以下
減額報酬金 減額分の10%以下
過払金報酬金 訴訟によらない場合回収額の20%以下
訴訟による場合回収額の25%以下

すでにお気付きの方もおられると思いますが、先に解説した「3. 3つの弁護士費用の全体的な相場とは」の報酬金額と何ら変わりありません。

つまり、多くの弁護士事務所や弁護士法人の報酬に大差がないのは、「債務整理事件処理の規律を定める規定」で定める「報酬上限」を採用しているからなのです。

過払い金請求にかかる費用を概算計算した一例

ここで紹介する過払い金請求にかかる費用を概算計算した一例は、日本弁護士会連合会のホームページの内容を一部引用して紹介しております。

金使荒男(かねづかいあらお)さんは、A貸金業者から50万円を請求され、B業者から70万円を請求されていました。この度、それを弁護士事務所に依頼して過払い金請求をすることにしました。その結果は以下の通りです。なお、弁護士事務所の着手金は1社あたり2万円とします。

1.A業者との間では、引き直し計算の結果、過払金が発生していたので、金使さんからA業者への支払いはなく、30万円の過払金を裁判による訴訟をすることなく回収することができました。

A業者との関係での報酬金(報酬上限の場合)

① 着手金    2万円

② 解決報酬金  2万円

③ 減額報酬金  5万円(50万円の請求額が0円となったので、減額分は50万円。よって50万円の10%にあたる5万円)

④ 過払金報酬金 6万円(過払金回収金額30万円の20%)

⑤ 合   計  15万円

2.B業者との交渉の結果、引き直し計算をして50万円を分割で支払うことになりました。

B業者との関係での報酬金(報酬上限の場合)

① 着手金   2万円

② 解決報酬金 2万円

③ 減額報酬金 2万円(70万円の請求額が50万円になったので、減額分は20万円。よって報酬額は20万円の10%にあたる2万円)

④ 過払金報酬金 0円(過払い金が発生していないため)

⑤ 合   計 6万円

 

総報酬金合計 21万円+消費税=226,800円

上記弁護士費用の他に、手数料や実費分が上乗せで必要になりますので、その分を加算するのを忘れないように注意が必要です。

弁護士に依頼するお金が気になる方へのアドバイス

本記事の冒頭で「ただでさえ毎月のお金に苦労しているのに弁護士に過払い金請求を頼むお金なんて出せるわけがない」と思っている方がきっとたくさんいることだろうと記述させていただきました。しかしながら、前項で解説した「過払い金請求の概算計算一例」を見るといかがでしょう?

弁護士へ過払い金請求をした場合の報酬は「226,800円+@」であることが分かりますが、先の例の金使荒男(かねづかいあらお)さんは、弁護士のおかげでA社から過払金30万円を回収しています。

つまり、手持ちのお金を支出することなくA社とB社に対する過払い金請求のお金が捻出できたことになります。

さらに当初抱えていた借金の総額120万円(A社50万円、B社70万円)は、B社の50万円のみに圧縮されたことによって70万円の借金の減額に成功しております。以後は、弁護士との話し合いの下、B社の50万円を3年程度の年月をかけて返済していくことになります。

もちろんこの50万円は元金のみとなり利息が発生することはありません。ここまで知ることができたら、後は弁護士への過払い金請求依頼に躊躇する理由など、どこにもないのではないでしょうか?

まとめ

本記事では、過払い金請求にかかる費用(手数料)について幅広く解説しました。おそらくこれを読んでいただけた多くの方は、弁護士へ過払い金請求を依頼した場合における費用のイメージを明確に持つことができたのではないでしょうか。

弁護士事務所や弁護士法人へ過払い金請求を依頼する前に、基本的に無料の相談なども行っているところも多く、現在の債務状況を確認してもらうことで、過払い金の有無や支払う弁護士費用などの概算金額について提示してもらえる場合もあります。

したがいまして、過払い金請求の費用が出せないと決めつける前にまずは専門家へ相談してみることが大切です。この一歩が、新たな生活再建をはじめ、貸金業者に払いすぎたお金を取り戻せる始まりとなるわけです。

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