個人再生の11個のメリットと10個のデメリット

執筆者

元弁護士ライター 福谷 陽子

借金がかさんで返済が出来なくなったら、個人再生で解決出来ることがあります。個人再生は、債務整理の1種です。

債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産、特定調停の4種類がありますが、個人再生はこれらの中でも裁判所に申立をして、借金返済額を大幅に減額してもらい、原則3年の間に返済する手続きです。

住宅ローンがある場合にも住宅ローン特則を利用して、マイホームを守ったまま他の借金だけを減らせるので、とても便利で人気があります。

債務整理手続にはそれぞれ特徴がありますが、個人再生には、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?今回は個人再生の11個のメリットと10個のデメリットについて解説します。

個人再生の11個のメリット

個人再生を利用すると、借金返済額を大幅に減額してもらうことができるので、借金がかさんだ場合には問題解決のために非常に効果的です。債務整理の1種である個人再生にはどのようなメリットがあるのでしょうか?以下では、順番に個人再生のメリットを確認していきましょう。

1.借金を大幅に減額出来る

個人再生を利用する場合には、裁判所に申立をします。そして、借金の返済方法について定めた再生計画を立てることになります。このとき、借金返済額を大幅に減額することが可能です。

たとえば同じ債務整理手続の中でも、任意整理特定調停では、利息制限法を超過した利率での取引がない限りは借金の大幅な減額は出来ません。これに対して、個人再生では利息制限法を超過した取引がなくても、借金を元本ごと大幅に減額することが出来るのです。

具体的には、以下の表のとおりになります。

借金額 減額可能額
100万円以上500万円未満の場合 100万円まで
500万円以上1500万円未満の場合 借金額の5分の1まで
1500万円以上3000万円未満の場合 300万円まで
3000万円以上5000万円以下の場合 借金額の10分の1まで

このように、個人再生を利用すると元本も利息も含めて大幅にカット出来るので、多額の借金がある場合にも借金を整理することが可能になります。よって、個人再生は、任意整理や特定調停では整理仕切れないほどの多額の借金がある人の場合にもよく利用されます。

2.債務整理を拒絶する債権者がいても利用可能

債務整理手続を利用したい場合、債権者が債務整理に反対することがあります。このような場合、任意整理で話し合いをしようとしても、そもそも交渉に応じてくれないことも多いです。特定調停をしても、調停が成立しません。

個人再生を利用する場合には、債務整理を拒絶する債権者がいても手続をすすめることが可能です。個人再生は、法律にのっとって裁判所を利用してすすめる手続なので、債権者の一存によって拒絶することが出来ません。必要な要件がそろっていれば、強制的に借金返済額が減額されてしまいます。

ただ、個人再生手続の中には「小規模個人再生手続」と「給与所得者等再生手続」があります。この中で、小規模個人再生の場合には、過半数の数か過半数の債権額の債権者が再生計画案に異議を出すと、再生計画案が認可されず、手続に失敗してしまいます。

給与所得者等再生の場合には、債権者の同意は不要なので、債権者の異議によって再生計画案が不認可になるおそれはありません。

小規模個人再生の場合であっても、大口の債権者が反対している場合は問題になりますが、小さな債権者が1社個人再生に反対したからと言って、再生計画案が認可されなくなることはありません。

任意整理や特定調停の場合、個々の債権者との交渉(話し合い)になるので、1社でも反対する債権者がいると、その借金は整理出来ないことになってしまいますが、個人再生ではそのようなおそれはないのです。このことは、任意整理や特定調停にはない個人再生の大きなメリットと言えます。

3.返済が楽になる

個人再生を利用すると、前述のように借金返済額が大幅に減額されます。そして、その減額された借金を、原則として手続後3年の間に返済していくことになります。もし3年間における返済が苦しい場合には、返済期間を5年にまで延長することも可能です。

このように、個人再生では借金返済額を大きく減らして返済期間を延ばすことによって、月々の返済の負担を大きく減らすことが可能になります。

たとえば個人再生前には500万円の借金があって、月々20万円近くの支払をしていた人であっても、個人再生で100万円にまで借金が減額されたら、月々の負担額は3万円以下になります(3年返済の場合)。

4.債権者からの督促や返済が止まる

個人再生を利用する場合には、弁護士や司法書士などの法律の専門家に手続を依頼することが普通です。個人再生は、裁判所を利用した非常に複雑で専門的な手続です。集めないといけない書類も膨大になりますし、個々のケースによって必要となる書類の内容も異なります。

個人再生の申し立て後も、裁判所からの指示に従って適切な対応をとる必要があります。裁判所の指示にきちんと従わないと手続が進まなくなり、失敗してしまうことになります。

このような個人再生手続への対処はしろうとの債務者が自分で対応することは困難です。よって、個人再生では弁護士や司法書士に依頼することがほとんど必須になるのです。そして、弁護士や司法書士に手続を依頼した場合には、債権者からの督促が止まります。

弁護士などの専門家が債務整理手続に介入した後は、債権者は債務者に直接連絡をとってはいけないことが、金融庁のガイドラインによって定められているからです。

よって、借金を滞納して債権者から督促が来ていても、個人再生手続を弁護士などに依頼すると督促が止まることになります。さらに、債務整理手続に入ると、借金額を確定する必要があるために、借金の返済もストップします。

このように、個人再生を弁護士に依頼すると、借金滞納していても債権者から督促が止まるばかりか返済もストップするので、債務者としては大変楽になります。債務者は、この間に、借金に追われて崩れてしまった生活を立て直すことが出来ます。

5.強制執行を止めることが出来る

個人再生を利用する場合には、借金を滞納して既に差押(強制執行)を受けている可能性があります。差押とは、債権者から裁判所に申立をされて、預貯金や給料などを取り立てられることです。給料の差押などが行われると、生活が成り立たなくなってしまうこともあります。

個人再生を申し立てると、強制執行を止めることが可能です。個人再生の申し立て後には強制執行停止の申立をして、それが認められたら給料などの差押を止めることが出来るのです。

また、個人再生手続の開始決定が出ると、当然に強制執行は停止します。さらに、個人再生手続の開始決定後は、あらたに給料などの強制執行を申し立てることは出来なくなります。

このように、借金滞納をして給料などの差押を受けている場合には、個人再生は非常に有用です。任意整理や特定調停では、差押(強制執行)を止めることは出来ないので、このことは個人再生に認められる大きなメリットと言えます。

もし、現在給料などの差し押さえを受けているのであれば、任意整理や特定調停ではなく個人再生や自己破産(自己破産にも同じように強制執行を止める効果があります)を利用する方法をとるべきです。

6.住宅ローンがあっても自宅を守ることが出来る

個人再生を利用したい場合、「住宅ローン」を組んでいるケースが多いです。マイホームを購入する場合、通常不動産は高額なので代金を一括払いすることは出来ません。そこで銀行や公庫などから住宅ローンを借ります。

ところが、住宅ローンがある場合に住宅ローンを債務整理すると、家を失うことになります。住宅ローンを組む場合には、自宅に抵当権を設定するので、ローン支払いを滞納したり債務整理手続をとると、住宅ローン債権者が抵当権を実行して、家を競売にかけてしまうからです。

そうなると、家は競落されて、売却代金はローン会社に支払われ、自宅は新しい所有者(競落人)のものになります。これが住宅ローンがある場合に債務整理した場合の原則になります。

しかし、個人再生ではこのような結果を避けることが出来ます。個人再生には住宅資金特別条項という制度があります。この制度を利用すると、住宅ローンだけはそのまま支払を続けて、他の借金だけを減額することが可能です。

住宅ローンはそのまま支払を続けるので、債権者が抵当権を実行することもなく、家がなくなるおそれはありません。

住宅資金特別条項はとても便利なので、住宅ローンを負った債務者に広く利用されており、わかりやすく「住宅ローン特則」とも呼ばれています。

任意整理や特定調停では、住宅を守ることは出来ても借金を大幅に減額することは出来ません。かといって自己破産をすると、確実に家がなくなることになります。

これらの他の手続と比べた際に、個人再生で「自宅を守ったまま他の借金だけ減額出来る」ことは大きなメリットとなることがわかります。

住宅ローンがある場合に債務整理を検討する場合には、ぜひとも個人再生を検討してみることをおすすめします。

7.住宅の競売手続を中止出来る

借金がかさんで債務整理をしたい場合で住宅ローンを抱えているケースでは、既に住宅ローンを滞納して競売手続が開始されていることがあります。

住宅ローンは、ローン滞納後半年程度が経過すると、保証会社が代位弁済をして自宅についての競売を申し立ててくることが普通です。競売手続を放っておくと、先に説明したとおり、自宅は競落人のものとなってしまいます。

個人再生を利用すると、すでに競売が開始されていても自宅を守ることが出来る可能性があります。個人再生の住宅資金特別条項を利用すると、競売手続を中止することが出来るからです。このことによって、自宅が新たな競落人の物になることを防ぐことが出来ます。

また、住宅ローン特則を用いると、保証会社が代位弁済した後であっても、代位弁済自体がなかったことになります。このことを、住宅ローンの巻き戻しと言います。巻き戻しによって、債務者はもとのとおり、銀行などの住宅ローン債権者に対して住宅ローンを分割返済することが出来るようになるのです。

このように、個人再生の住宅ローン特則を使うと、住宅ローンの滞納をしていて保証会社が代位弁済していたり、競売手続が開始されていたとしても、自宅を守ることが出来る可能性があります。

任意整理や特定調停では、このようなことは出来ません。これらの手続には巻き戻しの効力はないので、いったん保証会社が代位弁済してしまったらもう元のように住宅ローンの分割返済をすることは不可能です。

また任意整理や特定調停は競売を止める効果もありません。競売が開始されていると、任意整理などの手続では自宅を守ることは出来ないのです。これらのことからしても、住宅の競売手続を中止したり、巻き戻し効果のある個人再生の住宅資金特別条項には、大きなメリットがあることがわかります。

8.財産がなくならない

個人再生を利用する場合には、債務者がいろいろな財産を持っている可能性があります。たとえば預貯金や生命保険、株券などを持っていることもありますし、車やマイホームを持っていることもあります。個人再生を利用しても、これらの財産が無くなることはありません。

個人再生でも、債務者がどのような財産を持っているかは一応問題になります。具体的には、持っている財産の評価額については、最低限返済をしなければいけないことになります。しかし、そのことによって財産そのものが失われることはありません。

たとえば300万円の財産がある人の場合、最低でも300万円の返済をする必要はありますが、その300万円分の財産が手続によってとられたり失われることがないのです。

この点、自己破産手続の場合には、債務者の財産のうち最低限生活に必要な分以外については、いったんすべて失うことになります。これと比べると、債務者が手持ちの財産を守ることが出来ることは、個人再生のメリットと言えます。

9.職業制限がない

個人再生を利用しても、今の職業が続けられなくなるということはありません。また、個人再生をしている最中に何らかの仕事に就けないということもありません。

個人再生中にどのような職に就くことも出来ますし、個人再生手続後もどのような仕事を選ぶことも出来ます。個人再生では、職業を制限されることがないのです。これに対して、自己破産手続の場合には、手続き中は一定の職業につくことが出来なくなります。

たとえば、弁護士や司法書士、税理士や公認会計士などのいわゆる「士業」と呼ばれる職種には就くことが出来なくなります。不動産業を行うための宅建業も出来ませんし、警備会社の警備員や生命保険会社の生命保険外交員の仕事に就くこともできなくなります。

さらには、認知症などで判断能力が低下し、自分では財産管理が出来なくなった人のために財産管理をする「成年後見人」の職務に就くことも出来なくなります。

このような職業や資格に関する制限を「資格制限」と言います。自己破産の場合には資格制限があるので一定の仕事をしている場合などに不利益を被る可能性がありますが、個人再生には資格制限がないので、そのようなおそれはありません。

10.借金の原因を問われない

個人再生を利用したい場合には、どのような原因で借金をしたかということが問題なることはありません。ギャンブルや買い物、旅行などの浪費が原因で借金がかさんでしまった場合にも、個人再生を利用することは可能です。

これに対して、同じ裁判所に申立をして決定をしてもらう手続である自己破産手続では、借金の原因が大きな問題になります。自己破産では免責決定をしてもらうことによって借金が0になりますが、一定の事由があると免責が認められなくなる可能性があります。

自己破産で免責が認められないと借金が無くならないので、免責が不許可になると自己破産手続に失敗してしまいます。そして、借金の原因が浪費やギャンブルなどである場合にも、免責不許可事由に該当します。よって、これらが原因の借金があると免責が認められなくなる可能性があります。

個人再生では、このような制限は一切ありません。どのような原因の借金があっても、他の要件さえそろっていれば借金の減額が受けられますし、減額してもらった借金を3年の間に弁済すれば、借金から解放されることになります。

11.過払い金請求が出来る

個人再生手続を利用する場合、各債権者の債権額を確定する必要があります。そのために、各債権者から取引履歴を取り寄せて、利息制限法に引き直し計算をします。この手続において、払いすぎ利息である過払い金が発見されることがあります。

個人再生手続の最中に過払い金が見つかった場合には、過払い金請求をすることが出来ます。個人再生手続は弁護士や司法書士に依頼することが普通ですが、債権調査の際に過払い金が発見されたら弁護士や司法書士は当然に過払い金請求をしてくれます。

そして、弁護士費用や司法書士費用を差し引いた金額を、依頼者に返金してくれます。よって、もし過払い金がある場合には、個人再生を利用するだけで過払い金の回収が出来ることになります。

これに対して、たとえば特定調停では過払い金が発見されても同じ手続では過払い金請求が出来ないので、同時に過払い金請求が出来ることは個人再生のメリットと言えます。

ただ、個人再生の場合には、後に説明するように、債務者が所持している財産の評価額分については最低限返済をしなければなりません。

返還を受けた過払い金も債務者の財産ということになりますので、もし返還を受けた過払い金が多額になった場合には、個人再生手続後の支払金額が大きくなる可能性もあります。

そうだとしても、返ってきた過払い金をどのように使うことも自由ですので、個人再生手続で過払い金請求をすることには大きなメリットがあります。

個人再生の10個のデメリット

個人再生にはたくさんのメリットがあることがわかりました。では、反対にどのようなデメリットがあるのでしょうか?以下では、個人再生のデメリットを順番に確認していきましょう。

1.ブラックリスト状態になる

個人再生を利用すると、信用情報機関が保有する個人信用情報に事故情報が記録されて、その後ローンやクレジットカードなどの利用が出来なくなります。

信用情報期間とは、個人の借り入れに関する信用情報を管理している機関のことであり、「CIC」と「JICC」、「全国銀行協会」の3つがあります。

個人再生などの債務整理手続をとると、弁護士や司法書士から債権者に受任通知が送られた段階で、各債権者が信用情報期間に通知をするので、個人信用情報にネガティブ情報(異動情報、事故情報)が記録されてしまうのです。

銀行などの金融機関や消費者金融会社などの貸金業者は、融資の審査を行う際に、信用情報機関の個人信用情報を参照します。このとき、債務整理によって事故情報が記録されていると審査落ちしてしまいます。

このように、個人信用情報に事故情報が記録されていてローンやクレジットカードなどの利用が出来なくなった状態のことを、俗にブラックリスト状態と言っています。

ブラックリスト状態になると、住宅ローンや車のローンなどの各種ローンは利用出来ませんし、自分名義でクレジットカードを発行することも出来なくなってしまうので、大変不便です。

個人再生後のブラックリスト期間は、CICとJICCでは手続後5年間ですが、全国銀行協会では手続後10年間続きます。よって、個人再生を利用すると、手続後10年間は住宅ローンなどの銀行ローンを利用出来なくなる可能性があります。

2.手続後に支払が残る

個人再生を利用すると、手続後に原則3年間の間の支払い義務が残ります。借金返済額を減額出来るとはいっても、手続後3年間の間毎月数万円の負担が発生するので、生活に対する影響は大きいです。

しかも、この支払いを途中で出来なくなると、個人再生手続に失敗します。再生計画の認可決定が取り消されて借金が復活してしまうことがあります。個人再生後の支払が出来なくなると、そのときには自己破産をして借金をなくしてもらう他なくなることも多いです。

このように、個人再生を利用すると、その後支払が残ることが大きなデメリットになります。この点、同じ裁判所を利用する手続の中でも自己破産の場合には、借金返済義務が完全に0になるので、手続後に支払は残りません。

このことと比べると、手続後も数年間支払を継続しなければならない個人再生は債務者に負担のある手続だと言えます。

3.厳しい収入要件が必要

個人再生では、手続後に支払が残ります。先にも説明したとおり、手続後の支払が途中で出来なくなると、個人再生に失敗してしまいます。よって、個人再生後の支払を確実にしていく必要性は高いです。

そのために、個人再生手続では、「収入要件」が厳しく審査されます。収入の金額が一定以上であり、しかも安定した収入があることが求められるのです。

必要となる収入の金額は、手続後に支払が必要になる弁済額を支払うに足りる金額です。

たとえば会社員や公務員の場合には個人再生が利用しやすいですが、アルバイトの人や専業主婦、無職の人などは個人再生を利用することは難しくなることが多いです。

借金返済が出来る程度の金額の収入があれば年金生活者でも個人再生が出来ますが、返済に足りない金額の場合には手続を利用出来ません。

個人再生では、給与明細書や源泉徴収票、確定申告書などを提出して、裁判所によって厳しく収入を確認されます。このときに、十分な収入がないと、再生計画案は認可されないことになってしまい、個人再生に失敗してしまいます。

4.借金に限度額がある

個人再生を利用したい場合は、多額の借金があるケースもあります。しかし、個人再生には利用出来る借金額に限度があります。

具体的には、住宅資金特別条項を利用する場合の住宅ローン借り入れ残高を除いた借金の額(減額したい借金の金額)が5000万円以下でないと、個人再生手続を利用することが出来ません。5000万円を超える借金がある場合には、自己破産などの別の債務整理手続を利用しないといけないことになります。

自己破産では、借金額に制限がなく、1億円でも10億円でもすべての借金を0にすることが出来ます。このことと比べると、5000万円という制限がついている個人再生にはデメリットがあると言えます。

5.保証人に迷惑をかける

個人再生手続を利用する場合にも、連帯保証人がついている借金があるケースがあります。このようなケースでは、個人再生手続をとることによって、債権者は連帯保証人に借金残額の請求をすることになります。

連帯保証人は、債務者本人が借金返済をしない場合にそなえるための担保なので、主債務者が個人再生をして借金の全額返済をしなくなると、債権者は当然に連帯保証人に借金の支払い請求をするのです。

この場合には、借金の分割払いは認められず、残金全額の一括払いになりますし、通常利息よりも高額な遅延損害金が加算されることになります。

同じ債務整理手続の中でも任意整理や特定調停の場合には、債務整理の対象とする債権者を選ぶことが出来るので、連帯保証人つきの借金を対象にしなければこのような問題は起こりません。

個人再生手続では、債権者を平等に扱わなければならないという債権者平等の原則が働くので、特定の債権者だけを外すということが出来ません。よって、必然的に連帯保証人のついている借金も対象となり、連帯保証人に迷惑をかけざるを得ないのです。

6.膨大な資料が必要

個人再生を利用する場合には、膨大な量の書類や資料が必要になります。

申立書や家計収支表、報告書、債権者一覧表や財産目録などの記入が必要な書類だけではなく、住民票や給与明細書、源泉徴収票などの収入に関する書類、債権調査票や銀行の預貯金通帳、取引履歴、生命保険の解約返戻金証明書、不動産の登記簿謄本、固定資産評価証明書、車検証、退職金証明書など、必要となる資料の数も膨大で、枚挙にいとまがありません。

また、個別のケースによっても必要書類の種類は異なってくるので、自分の場合にどのような資料が必要になるかを的確に判断する必要もあります。必要書類がかけていると、裁判所は手続を先に進めてくれません。

個人再生では種類も数も膨大な書類を集めて裁判所にまとめて提出しなければならないのです。このような書類や資料を的確に集めることはかなりの負担になり、困難を伴います。このようなこともあるので、個人再生手続は弁護士や司法書士などの専門家に依頼することが必須になるのです。

参考:個人再生の必要書類(書式)と書く際の注意点

7.手続が厳格

個人再生は、裁判所に申立をして、個人再生手続開始決定をしてもらい、その後は裁判所の定める手続と予定に従って順番に手続をすすめていきます。この定まった手続の流れにきちんと従わないと、個人再生は前にすすまなくなります。

たとえば個人再生委員が選任されたらすぐに面会をすること、積立金の指示が出たらそれに従って毎月きちんと積立金をすること、期限までに再生計画案や弁済計画書を提出することなど、各段階において定まった手続に従う必要があります。

このように、個人再生では、非常に厳格に手続の流れが定められています。適切に対応が出来ないと手続が進まず、個人再生は失敗してしまいます。このような厳格な手続への対処はしろうとの債務者が一人で対応することは困難になります。

8.専門家への依頼が必須になる

個人再生を利用したい場合には、弁護士や司法書士などの専門家への手続依頼がほとんど必須になります。先にも説明したとおり、個人再生では膨大な数と種類の書類や資料が必要になり、その内容もケースバイケースによって異なります。

また、非常に手続が厳格であり、その状況ごとに適切に対応する必要があります。もし書類が欠けていたり、誤った対処方法をとると、個人再生手続が前に進まなくなったり、再生計画案が認可されずに個人再生が失敗してしまう恐れが高いです。

このような手続への対応は、しろうとである債務者個人が自分一人で行うことは極めて困難なので、個人再生を利用する場合には、どうしても弁護士や司法書士への依頼が必要になってきます。そうなると、当然専門家の費用なども発生してくるので債務者の負担は増してしまいます。

たとえば任意整理や特定調停なら、債務者が自分で手続きすることも出来るので、それと比べると個人再生には専門家への依頼が必須となる分、デメリットがあると言えます。

9.手続費用が高い

個人再生は、比較的費用が高くかかる債務整理方法です。個人再生にかかる費用には裁判所におさめる実費の費用と弁護士や司法書士の費用があります。

個人再生の実費としては、個人再生委員が選任されない場合には印紙代と郵便切手、官報広告費用の数万円程度です。これに足して、個人再生委員が選任されると、最低でも15万円の個人再生委員の報酬(予納金)が必要になってしまいます。

さらに、個人再生は、先に述べたとおり弁護士や司法書士などの専門家に手続を依頼することがほぼ必須です。すると、弁護士費用や司法書士費用がかかります。

専門家の費用の具体的な金額は、着手金が30万円~50万円程度です。住宅資金特別条項付きの個人再生を申し立てる場合には、住宅ローン特則を利用しない場合よりも着手金の金額が高くなることが多いです。

このように、個人再生では、裁判所におさめる実費も弁護士費用も両方が比較的高額になります。個人再生の費用の総額の目安としては、実費が数万円(+15万円)と弁護士費用がかかるので、だいたい40万円~60万円くらいかかると考えると良いでしょう。

参考:個人再生にかかる費用と相場

10.官報に情報掲載される

個人再生を利用すると、官報に氏名や住所などの情報が掲載されます。官報と言う言葉を聞いたことがない人も多いかも知れません。官報とは、法律や条令、条約などの法令についての情報や、裁判所の破産者などの情報が掲載されている政府の機関紙のことです。

政府が発行している新聞のようなものだと考えるとわかりやすいです。個人再生を利用すると、官報にその情報が掲載されます。

具体的には、氏名や住所、裁判所が下した決定内容などが掲載されます。個人再生を利用する場合に官報に掲載される回数は3回です。

官報に情報が掲載されたからと言って、必ずしも周囲に個人再生がバレるわけではありません。実際に官報を見ている人はあまりいないので、官報に情報掲載されても家族や会社の人に知られるリスクはほとんどないと言って良いでしょう。

ただ、闇金業者などは官報を見て、個人再生の再生債務者や破産者の情報をチェックしています。これらの情報は、闇金の勧誘に利用されています。よって、個人再生で官報に氏名等が掲載されると、手続後に闇金利用のDMなどが届くことがあり、迷惑に感じることがあります。

また、一般の人がほとんど見ないとは言っても、絶対に見ないとは言い切れないので、官報に氏名等が掲載されること自体に、周囲に知られるリスクが一定程度あることは否定できません。

まとめ

今回は、債務整理手続の中でも個人再生手続のメリットとデメリットについて解説しました。個人再生を利用すると、借金が元本ごと大幅に減額出来て返済が楽になりますし、債務整理に反対する債権者がいても利用出来るなどのメリットがあります。

しかも、強制執行を止める効力があったり、住宅ローンやその滞納があっても住宅を守ることが出来る点も大きなメリットになります。手続の利用によって財産が無くなることもありませんし、仕事が出来なくなることもありません。

しかし、個人再生を利用すると、他の債務整理手続と共通の問題として、ブラックリスト状態になってしまいますし、個人再生を利用したい場合には、厳しい収入要件が必要になります。

さらに、膨大な書類や資料が必要になり、手続も厳格なので弁護士などの専門家に依頼することが必要となり、その分かかる費用も多額になります。官報に情報掲載されるなどの問題もあります。

個人再生を検討している場合には、これらの個人再生のメリットとデメリットを正しく把握して、本当に個人再生が自分に適しているのかを的確に判断する必要があります。

今後個人再生をしようとしている場合や、現在個人再生を利用している場合には、今回の記事を参考にして、賢く借金問題を解決しましょう。

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