債務整理で任意整理が他と違う7つのポイント

監修者

元弁護士ライター 福谷 陽子

債務整理には、任意整理・特定調停・個人再生・自己破産の4つの方法がありますが、その中でも優先的に検討されることが多いのが任意整理です。

任意整理は、弁護士(もしくは司法書士)を通して債権者と直接交渉を行ない、借金を減額してもらう方法になります。

カットしてもらえるのは原則として「遅延損害金と利息」ですので、元金は変わりませんが、裁判所を通さないため手続きに時間がかからない点がメリットです。

また、整理したい借入先を自由に選ぶこともできます。

ちなみに、特定調停は任意整理で行なう交渉を自分でする方法になりますので、ここではおもに「任意整理が個人再生や自己破産と違うポイント」を中心にご紹介していきます。

①裁判所を介さないため、短期間で解決できる

任意整理がほかの債務整理と大きく異なるのは、裁判所を通さない手続きであることです。

個人再生と自己破産は地方裁判所に申し立てを行ないますし、特定調停も簡易裁判所の仲介のもとで債権者と交渉します。

一方、任意整理は代理人(弁護士や司法書士)が債権者と直接交渉を行ないますので、裁判所の介入は一切ありません。

つまり、双方が合意するだけで済むため、ほかの債務整理と比べて早期解決が見込めます。和解成立までの期間は個々の案件にもよりますが、早ければ弁護士に依頼してから2~3ヶ月程度です。

②元金はそのままで、利息や遅延損害金をカットしてもらう

任意整理は、債務整理の中でも減額効果はそれほど高くない方法です。原則として、遅延損害金と利息のみをカットしてもらい、残った元金を3年~5年の分割払いで支払っていきます。

元金自体も大きく減らしてもらえる個人再生や、借金そのものがなくなる自己破産に比べると減額率は高くありませんが、複数の借入先がある場合や、金利が高いところで借りている場合(消費者金融やクレジットカードのキャッシング枠など)は、返済の負担がかなり軽くなる可能性があります。

たとえば3社からそれぞれ50万円を年18.0%の金利で借りている場合、単純に計算すると1年で27万円の利息がかかりますので、これをカットしてもらえるだけでも返済は楽になります。

③過払い金の返還請求を同時にできる

弁護士に任意整理を依頼すると、まず過払い金の有無を調べることが一般的です。

過払い金とは、利息制限法の上限を超えて支払いすぎた利息のことで、特に古くからの借入先がある場合に発生している可能性があります。

もし過払い金が発生していれば、その分を差し引くことで借金の額がさらに減ります。また場合によっては、借金がすべてチャラになる上にお金がもどってくることもあるのです。

ちなみに、特定調停も任意整理と同じく遅延損害金と利息をカットしてもらう方法になりますが、過払い金がある場合は特定調停とは別に請求の手続きをしなければいけません。

また、調停調書に記載された文言によっては過払い金請求が難しくなるケースもあるなど、素人にはわかりにくい点もあります。その点、任意整理では弁護士が手続きを行なってくれますので安心です。

④周囲にバレにくい

任意整理は、4つある債務整理の中でもっとも周りにバレにくいといわれています。

まず、すべての手続きを弁護士に依頼するため、本人が動く必要がない点がメリットです。また、用意する書類もほかの債務整理に比べると少なく、家族に協力してもらわなくてはいけないものも基本的にありません。

一方、特定調停は平日の昼間に簡易裁判所に出廷しなくてはいけませんし、自分でいろいろな書類をそろえる必要があるため、家族にバレるリスクが高くなります。

また個人再生と自己破産では、家計収支表(家計簿のようなもの)や家族の給与明細書なども提出しますので、家族の協力が必要になる場合があります。

さらに、「官報」という国の発行する新聞のようなものに氏名と住所が掲載される点もネックです。

⑤特定の債権者のみと交渉できる

任意整理の大きな特徴の一つが、「整理先を自由に選べること」です。

たとえば個人再生と自己破産の場合、「債権者平等の原則」にのっとり、整理したい債権者を選ぶことはできません。

個人再生と自己破産は減額効果が高いだけに、特定の債権者のみにこれまで通り返済を続けていくのは不平等とみなされるからです。

一方、任意整理(および特定調停)では、交渉したい債権者を自由に選ぶことができます。

そのため、たとえば「保証人のいない借金だけを整理する」とか、「車と住宅は手放したくないから、これまで通りローンを支払っていく」というふうに、それぞれの希望に合わせて柔軟に対処することが可能です。

⑥そろえる書類が少ない

任意整理では、ほかの債務整理と比べて用意する書類の数が少ないメリットもあります。

たとえば個人再生や自己破産などの裁判所での手続きでは、「申立書」をはじめ、本人(および家族)の収入や財産を証明するための書類を複数用意しなくてはいけません。

一方、任意整理の必要書類は、借入先がわかるもの(契約書や取引明細、ない場合はクレジットカードやローンカードでも可)や、債務者本人の収入がわかるもの(源泉徴収票や確定申告書)、身分証明書、預貯金通帳、印鑑などが主です。

家族の協力がなくてもそろえられるものばかりですし、裁判所での債務整理と違って「絶対にこれがないとダメ」というものが少ないため、楽に手続きができます。

⑦弁護士費用が安い

個人再生や自己破産に比べると、任意整理は手続きにかかる費用が安い点も特徴です。

任意整理の費用の相場

弁護士費用(着手金) 債権者1件につき20,000~40,000円
過払い報酬(過払い金を回収した場合のみ) 回収した過払い金の15~20%程度

任意整理にかかる弁護士費用は、整理する債権者の数が多ければ多いほど高くなります。また過払い金を回収できた場合は、その額に応じた過払い報酬を弁護士に支払います。

一方、個人再生や自己破産は手続きがより複雑なため、30~50万円程度の弁護士費用がかかることが一般的です。

さらに、官報に情報を掲載するための「官報公告費用(10,000円~20,000円程度)」がかかるほか、場合によっては数十万円の予納金を別途支払うこともあります。

ちなみに、4つの債務整理の中でもっとも費用が安いのは「自分で特定調停の手続きをした場合」です。印紙代や切手代などの実費だけで済むため、ほかの債務整理よりかなり費用を抑えることができます。

ただし、特定調停は手続きが面倒な上、過払い金の返還請求は別途行わなければいけないなどのデメリットも多いことから、近年は申立件数が減ってきています。

任意整理のポイントまとめ

任意整理がほかの債務整理と異なる7つのポイントをまとめてみます。

  1. 裁判所を介さないため、和解までの期間が短い
  2. 元金はそのまま、遅延損害金と利息だけをカットしてもらう
  3. 過払い金が発生している場合は、同時に返還請求ができる
  4. 手続きをしたことが周囲にバレにくい
  5. 整理したい債権者を自由に選べる
  6. 用意する書類が少ない
  7. 弁護士費用が安い

債務整理を考える際は、まず任意整理を検討し、それで返済が難しそうな場合に個人再生や自己破産を検討する、という流れになります。

任意整理は裁判所を通さないため手続きが楽ですし、元金だけはきちんと完済できますので、債権者にとっても個人再生や自己破産よりは回収できる額が多い点がメリットです。

いずれの方法を選んでも信用情報機関には登録されるため、いわゆる「ブラックリスト入り」することにはなりますが(過払い金で借金がなくなったケースを除く)、しっかりと返済の道筋を作ることができます。借金で苦しんでいる方は、まず弁護士に相談することから始めてみましょう。

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