離婚後、元配偶者に借金の返済義務があるケースとないケース

執筆者

フジヤマ行政書士事務所

行政書士 小沼 淳

 

財産分与とは?

離婚の際に決めるべき重要な事柄の一つに「財産分与」があります。この「財産分与」は、簡単に言うと、「婚姻生活で築き上げた財産だから、離婚の際にはお互い公平に分け合いましょう。」というものです。

財産分与は、この「公平」というところがポイントで、単純に半分ずつ分ければ良い、というものではありません。

婚姻生活で財産形成に、お互いにどのように貢献してきたのか、夫婦の年齢差はどうなのか、離婚後にどのような生活状況におかれるのか、などといった事柄を加味して、「公平」になるように分けるのが原則です。これはなかなか複雑な問題です。

また、実際に財産を分けるにあたって、多額の財産があると「どちらがどれだけもらうか。」で揉める場合があることは想像に難くないと思います。

更に、その逆の場合、つまり離婚の際に借金があった場合にも「どちらがどれだけ負担するのか。」ということが大きな問題になってくるのです。

借金も財産分与の対象になる?

まず、「婚姻生活で築き上げた財産」が対象ですから、プラスの財産のみならず、マイナスの財産、つまり借金がある場合はその借金も分与の対象になるのが原則です。

ただし、その対象とするのはプラスの財産の範囲までです。これが少々分かりにくいですね。

例えば、夫が借金をしていて、プラスの財産とマイナスの財産を差し引くと、トータルで500万円のマイナス(借金)が残る、という場合です。

この場合に、「婚姻生活で築き上げた財産だから。」といっても、半分の250万円を妻に負担させることは出来ません。借金の名義人である夫がそのまま負担することになります。この辺はなんだか不公平な感じもしますね。

つまり「マイナスの財産も分与財産に含まれるが、トータルでマイナスの場合に、借金を負担させられることは原則的にはない。」ということになります。

離婚後に元配偶者から借金の負担をせまられる?

さて、離婚をする場合には、財産分与やその他の取り決め(慰謝料、親権、養育費、面会交流など)について定め、それを離婚協議書に残すことが一般的です。

離婚の際には、「そんなことに時間かけないで早く離婚したい。」「協議なんかしている気持ちの余裕ないよ。」などと思っても、後々の争いを防止する為には離婚協議書の作成はとても重要です。

また、離婚協議書に「財産分与に関する定め」があるのでしたら、離婚の際に財産についてしっかりと話し合った可能性が高いです。

ですので、借金に関してもどのように負担するのか、決めていることが多いと思います。

問題になるのは、離婚の際にきちんと決め事をしておかなかった場合

離婚後、元配偶者から「結婚していた期間に借金があるから、負担して欲しい。」と、借金の負担をするように迫られる、ということがあるのです。

では、そのような場合に、負担をしなくても良いケースと、負担をしなくてはならない代表的なケースについて説明します。

離婚後に請求されても、負担しなくても良いケースとは

配偶者が婚姻前に作った借金のケース

婚姻前に相手が勝手に作った借金を離婚の際に負担させられる、というのは、常識的に考えても納得がいきませんよね。

前述の様に、財産分与は、「婚姻生活で築き上げた財産を公平に分ける」ものですから、その配偶者が結婚前に個人的に作った借金は、例え請求されても一切負担する必要はありません。

婚姻期間中に作った借金ではあるが、配偶者が自分に隠れて浪費して作った借金であるケース(ギャンブルの借金、自分一人の趣味で作った借金など)

配偶者が自分の趣味などの為に、借金を作っていた、という場合です。この場合には、その借金は婚姻生活の為の借金とはもちろんいえませんので、請求されても負担する必要はありません。

借金を作った配偶者にそのまま全額背負ってもらいます。

離婚協議書を作成し、財産分与についての決め事が済んでいるケース

一旦財産分与を有効に終えた場合には、原則的には蒸し返して争うことは出来ません。それが借金の支払い請求であっても同様になると考えられますので、離婚の際にきちんと協議書を作成することで、後々の不要な争いを避けることが出来るのです。

「もう財産分与は済みましたよ。」ということで、請求に応じなくても良い可能性が高いです。

負担しなくてはいけないケース

今度は逆に、請求された場合に負担しなくてはいけないケースです。

夫婦の生活費として作った借金のケース

「生活費が足りない。」「子供の学費の足しにした。」など、夫婦の共同生活を営む上で必要に迫られ、借金をしてきたケースです。

この場合は、財産分与の価額から、借金を差し引いて、残った財産を分け合うことになります。但し、その場合も、借金を完全に同じ割合で(半分ずつ)負担すべきなのかというと、また違った答えになる場合もあるのです。

例えば、その借金を高利の消費者金融から借りている場合などは、実際に借り入れをした配偶者の負担割合を高くすることで調整する場合があります。

責任が大きい方には負担も大きく、という理屈ですね。また、いくら生活の足しにする為といっても、配偶者に無断でいつの間にか高額の借金を作っていた、などという場合には、実際に借金を作った者の負担割合が高くなることも多いです。

住宅や自動車などのローンが残っているケース

離婚の際、住宅(自動車)ローンが残っているケースはけっこう多い様に思います。そういったローンは残額も大きいことが多いので、その負担割合について揉める可能性も高いと言えます。

出来る限り負担を小さくしたいのは当然の心理ですが、負担の方法を決める場合、不動産を売却した上でローンを返済し、その残額を分ける方法や、どちらかの名義にしてしまい、預金などの分与割合で折り合いをつける、などの方法がとられることが多いです。

どの場合でも、考え方は基本的には同じです。ローンを差し引いて、プラスの財産が残るならば分与し、マイナスになってしまう場合にはローン名義人が引き受けます。

また、住宅ローンの頭金をどちらかが大きく負担している場合などには、分与の割合を原則の2分の1ずつにせず、出した頭金の額によって割合を3:1や4:1にする、などの方法をとるケースもあります。

まとめ

離婚後に金銭に関する争いが出てくるケースは意外と多いです。そしてその多くは実は、、「離婚の際にきちんと決め事をしておけば防げた。」というケースなのです。

離婚の際はつい感情的になってしまい、きちんと話し合いをせずに離婚をしてしまうことが多いのですが、出来る限り、その後の生活の安定の為にも無用な争いを防ぐように努めましょう。

以上、財産分与と離婚後に借金の負担を求められた場合についてでした。

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