離婚した元夫の借金を子供に相続させない方法

執筆者

行政書士Yurako法務事務所

行政書士 森本 由紀

元夫の借金が原因で離婚した場合などには、子供を引き取った女性の方は、「子供が借金を相続することになるのでは…」と心配なこともあると思います。

こでは、離婚した元夫の借金を子供が相続するのを防ぐにはどうすれば良いかについて説明します。もしものことがあっても慌てないよう、しっかりと理解しておきましょう。

元夫が亡くなったら相続はどうなる?

別れた妻が元夫を相続することはない

人が亡くなると、その人が持っていた権利や義務を一定の範囲の親族が相続することになります。

離婚した夫婦は、法律上も親族ではなく他人になってしまいますから、元夫が亡くなっても元妻が相続するということはありません。

ただし、夫婦に子供がいる場合、子供には別れた親の相続も関係してきますので注意しておきましょう。

親権がなくなっても、親子関係がなくなるわけではありません。両親が離婚しても、子供と別れた親との親子関係は変わらないのです。

子供は必ず親の相続人になる

相続では、被相続人(亡くなった人)の現在の配偶者は必ず相続人になりますが、配偶者以外では、次のような優先順位が定められています。

  • 第1順位 直系卑属(子、孫など)
  • 第2順位 直系尊属(父母、祖父母など)
  • 第3順位 兄弟姉妹

上記のとおり、子供というのは、第1順位の相続人ですから、生きていれば必ず親の相続人になります。元夫が再婚している場合でも、前妻の子供は相続人になります。

また、元夫と再婚相手との間に子供がいても、その子供と一緒に前妻の子供も相続人となります。

逆に、子供を引き取った妻側が再婚し、再婚相手の男性が子供と養子縁組して養父となった場合にも、実父と子供の親子関係がなくなるわけではありませんから、子供は実父の相続人になります。

つまり、親子というのは、法律上切っても切れない関係ということです。長年別々に暮らしていて全くかかわりがなくなっていても、お互いに縁を切ったつもりになっていても、親子である以上、相続権はなくならないのです。

子供は亡くなった親の借金を相続することになる

もし元夫が財産を残していれば、子供はその財産を相続できますから、むしろありがたいと思うこともあるでしょう。

しかし、相続では、財産だけでなく借金も承継することになります。元夫が借金を残していれば、たとえ全くかかわりがなくなっていても、子供は借金を相続してしまいます

なお、相続に関しては、被相続人が遺言を残していれば、遺言が法定相続(民法で規定された相続方法)に優先するという原則があります。

しかし、借金に関しては、基本的に遺言で相続方法を指定することはできません。たとえ被相続人が借金に関する遺言を残していたとしても、それに拘束されることはなく、民法上の相続人(法定相続人)が民法で定められた割合(法定相続分)に従って借金を相続することになります。

具体的には、子供だけが相続人の場合にはそれぞれの子供が平等に相続することになり、配偶者と子供が相続人の場合には配偶者が2分の1、残りの2分の1を子供が平等に分けることになります。

子供のところには亡くなった親の借金の請求が来る可能性がある

長年会ってもいなかった子供のところに借金の取り立てが来るのかと思われるかもしれませんが、債権者が金融業者である場合、債務者が亡くなったら相続人に対して借金の支払いを請求してきます。

弁護士などに依頼して戸籍を調べれば、金融業者は簡単に相続人を突き止めることができます。借金をしている親が亡くなった以上、子供がどこに住んでいても、債権者から連絡が来るものと思っておいた方が良いでしょう。

借金を相続しないためにはどうすればいい?

相続放棄すれば相続しなくてすむ

上述のとおり、子供はいかなる場合でも親の相続人となってしまいます。相続人が相続を拒否するためには、相続放棄するしかありません。

相続放棄すれば、その相続人は初めから相続人とならなかったものとみなされますから、借金を引き継ぐこともなくなります。

ちなみに、相続にはプラスの財産の範囲内でマイナスの財産(借金)を承継する限定承認という方法もありますが、限定承認は相続人全員でしなければならないなど、手続きが複雑になっています。

限定承認した方が良いような特別な事情がなければ、相続放棄をしたのでかまいません。よくわからない場合には、専門家に相談してアドバイスを受けるようにしましょう。

相続放棄ができるのは相続開始を知ったときから3ヶ月

相続放棄はいつまでもできるわけではなく、「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内」にしなければなりません。

被相続人が亡くなってから3ヶ月以内ではありませんので、時間が経ってから元夫が亡くなったことを知った場合でも、そこから3ヶ月以内に手続きすれば間に合います。

元夫の債権者から子供に借金の支払い請求の通知が来てはじめて元夫の死亡を知ることもあると思います。このような場合でも、通知を受けてから3ヶ月以内に相続放棄の手続きをすれば、子供は借金を相続せずにすみます。

相続放棄の手続き方法

相続放棄は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、相続放棄申述書を提出して行います。子供が未成年者である場合には、親権者は自分も相続人になっていなければ代理人として手続きできます。

つまり、元夫の相続に関しては、親権者である元妻は未成年の子供を代理して手続きしてかまいません。

相続放棄申述書には、被相続人の戸籍謄本や住民票(除票)のほか、被相続人との関係がわかる戸籍謄本などの必要書類を添付する必要があります。戸籍謄本等の収集には手間がかかりますので、弁護士、司法書士等に手続きを依頼するのがおすすめです。

借金の支払義務を逃れるためには

元夫の債権者から子供に借金の支払請求が来た場合に支払いを免れるためには、相続放棄したことを証明しなければなりません。家庭裁判所で相続放棄申述書が受理されると、申請により相続放棄申述受理証明書を発行してもらえます。

債権者に相続放棄申述受理証明書を見せれば、それ以降借金の支払いを請求されることはなくなります。

まとめ

離婚した元夫の借金も、子供は相続することになってしまいます。

子供に借金を相続させないためには、元夫が亡くなったことを知ったときから3ヶ月以内に、家庭裁判所で相続放棄の手続きをする必要があります。

子供が未成年者であれば親権者が手続きしなければなりませんので、迅速に対応するようにしましょう。

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