離婚時に家を任意売却するべき3つのケース

監修者

元弁護士ライター 福谷 陽子

3組に1組の夫婦が離婚するといわれる日本ですが、住宅を所有している場合、その家をどうするか、という問題も立ちはだかります。

夫婦のどちらもその家に住む意思がない場合、もしくは住宅ローンや固定資産税の支払いが大変な場合には、離婚と同時に家をスッキリと手放すことも検討してみましょう。

家を手放す方法には、「通常の売却」「任意売却」「競売」などがあり、住宅ローンの残債や返済状況などによって選べる方法が異なります。

ここでは、特に任意売却をするメリットと任意売却すべきケースをご紹介していきます。

持ち家を手放す3つの方法とは?

住宅を手放す方法は、大きく分けて以下の3つです。

1.通常の売却

所有者が自由に持ち家を売却することです。これができるのは、以下のケースになります。

  • 住宅ローンをすでに完済している場合
  • 売却したお金で住宅ローンを完済できる場合
  • 売却したお金と自己資金で住宅ローンを完済できる場合

いずれにしても、住宅ローンを完済できる場合に限り可能な方法です。

2.任意売却

所有者が債権者(金融機関)の合意を得て、不動産業者の仲介で物件を売却することです。

任意売却は、自宅を売却しても住宅ローンを完済できない、いわゆる「オーバーローン」の場合に行なわれます。

本来、住宅ローンの返済が難しくなった場合は、債権者が物件を差し押さえて競売にかけることができるのですが、競売では市場価格より低い価格でしか売れないため、債務者にとってはローンの残債が多く残ることになります。また、債権者にとっても回収できるお金が少なくなってしまうのです。

一方、任意売却は不動産業者の仲介で物件を市場価格で売却できますので、競売よりも高く売ることができます。

そのほうが、債権者としても回収できるお金が多くなりますし、債務者にとっても残債を大きく減らすことができて有利になります。

さらに任意売却では、これまで固定資産税やマンションの管理費などを滞納してきた場合、その費用も売却代金から支払えますし、債権者との交渉しだいでは、新居への引っ越し代も捻出してもらえる可能性があります。

競売と比べると、何かとメリットの多い方法です。

3.競売

競売は、債権者の申し立てによって裁判所が物件を強制的に売却する手続きのことです。

競売も、任意売却と同じく「自宅を売却しても住宅ローンを完済できない場合」に行なわれますが、前述したように任意整理と比べると低い価格でしか売ることができないことが多いです。

ただし、場合によっては競売を避けられないこともあります。たとえば、固定資産税やマンションの管理費などをかなり滞納している場合や、任意売却で買い手がつかなかった場合、そもそも債権者が任意売却に合意しなかった場合などです。

いずれにしても、競売はすでに住宅ローンの返済が難しくなっている場合に行なわれます。

離婚にともなって家を任意売却するべき3つのケース

自宅の売却方法のうち、もっとも望ましいのは通常の売却ですが、住宅ローンの残債の額によっては難しい場合もあるでしょう。

そんな時、前向きに検討したいのが任意売却です。

離婚では、たとえば以下のようなケースにおいて任意売却が役立ちます。

1.一人では住宅ローンを支払っていけない場合

共働きの夫婦の場合、離婚によって一人になった夫(妻)が住宅ローンを支払っていくだけの余裕がなくなることもあります。

さらに、「今の段階で家を売ってもローンは完済できない」という場合は、任意売却を前向きに考えたいところです。

任意売却は、債権者との話し合いによるところが大きいため、いろいろと融通をきかせてもらえる可能性があります。

たとえば1,500万円の住宅ローンが残っていて、任意売却をすると1,200万円で売れる場合、残りの300万円をどのように支払っていくかを交渉することができるのです。

場合によっては、返済額を見直してもらうことで月々の負担がかなり軽くなる場合もあります。

2.夫や妻が住宅ローンの連帯保証人になっている場合

たとえば夫の名義で住宅を購入し、妻が連帯保証人になっている場合、離婚の際には妻が「連帯保証人を外れたい」と思うのが普通です。

また、連帯保証人よりも責任の重い「連帯債務者」になっている場合もあります。

いずれにしても、離婚したからといって連帯保証人や連帯債務者の役割から自動的に逃れることはできません。

どうしても外れたい場合は、自分と同等、もしくはそれ以上の収入がある人を連帯保証人として立てるか、別の不動産を担保に入れる、またはほかの金融機関でローンを組みなおす、などの方法をとる必要があります。

しかし、いずれの方法もそう簡単にいかないのが現状です。

とはいえ、そのまま離婚して将来的に元夫が住宅ローンを滞納してしまうと、元妻に督促が来てしまいます。

このような場合、思い切って住宅を処分するのも一つの方法です。もっとも望ましいのは、売却によって住宅ローンを完済できるケースで、これなら負債もなくなりますし、余ったお金は財産分与することができます。

一方、売却しても住宅ローンを完済できない場合は、任意売却を検討します。任意売却では市場価格で売却できますので、競売にかけられるよりは住宅ローンの残債が減り、返済が楽になる可能性があります。

ただし、任意売却した後のローンの残債にも連帯保証人の支払い義務がある点に注意が必要です。たとえば残債を元夫が支払うことになった場合でも、滞納してしまえば元妻に請求が来てしまいます。

残債の返済方法についてはあらかじめ夫婦間でしっかりと話し合うことが大切です。不安な場合は、弁護士に相談してアドバイスをもらうといいでしょう。

3.元夫名義の家に、元妻が住み続けている場合

離婚後、養育費や慰謝料の代わりとして、元夫名義の家に元妻と子どもが住み続ける、というケースもあります。

元夫がコンスタントに住宅ローンを返済してくれれば何も問題はないのですが、人生いつどうなるかわからないものです。ある時急に、元夫から「ローンを支払えなくなった」と言われてしまう可能性もあります。

そんな時も、任意売却なら家を出て行かずに済む可能性もゼロではありません。任意売却では、資金力のある身内、もしくは投資家などに物件を購入してもらうことで、そのまま住み続けられる可能性もあるのです。

実際、こうしたケースに協力してくれる投資家もおり、物件を購入した投資家と賃貸借契約を締結し、家賃を払うことで家に住まわせてくれることもあります(これを「セル&リースバック」といいます)。

近年、任意売却とセル&リースバックを組み合わせた取引が増えていて、自宅を任意売却した後もそのまま住み続けられるケースも少なくないのです。

家の名義人が元夫であれば、元夫に任意売却に協力してもらう必要がありますので、まずはしっかりと話し合うことが大切です。

まとめ

住宅ローンが残っている状態で離婚する場合は、住宅をどうするのかについて慎重に考える必要があります。

万が一、将来的にローンを支払えなくなって滞納してしまうと、別れたパートナーに請求が行ったり、住宅を差し押さえられて競売にかけられたりするリスクもあるからです。

離婚後、住宅ローンを支払っていくのが難しそうな場合や、ローンのことで双方が不安を抱えることになる場合は、任意売却という選択肢を考えてみることをおすすめします。

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