多額の借金は離婚理由になる?

執筆者

行政書士Yurako法務事務所

行政書士 森本 由紀

夫や妻が自分の知らない間に多額の借金をしていたら、誰でも非常にショックなはずです。

借金の返済のために、生活が困窮してしまうようなことになれば、「離婚もやむを得ないのでは…」と考えることもあるのではないでしょうか?

しかし、借金を理由に「離婚したい」と言っても、相手が応じてくれない可能性もあります。

ここでは、借金はそもそも離婚理由になるのかについて説明します。相手に離婚を切り出す前に、借金を理由に離婚できるかどうかを知っておきましょう。

「離婚したい!」と思っても簡単に離婚できるとは限らない

夫婦が離婚に合意していれば協議離婚が可能

離婚は自分だけの問題ではありません。結婚というのは相手あってのことですから、離婚するときも自分の意思だけで離婚できないのは、当然と言えば当然のことです。

ちなみに、民法では「夫婦は、その協議で離婚をすることができる」(763条)と定められており、たとえ明確な理由がなくても、お互いが合意すれば「協議離婚」という形で離婚することが可能とされています。

夫婦双方の意思が「離婚したい」ということで合致しているのであれば、双方が署名捺印した離婚届を提出するだけで、離婚ができます。

一方的に離婚するなら離婚理由が必要

元々は他人同士の夫婦が一つ屋根の下で暮らし始めると、何かとすれ違いが起こることもあります。ケンカの果てに「もう離婚だ!」などと、ついつい言ってしまうこともあると思います。

しかし、些細な夫婦ゲンカで一方が「離婚したい」と言って、それで離婚できてしまうのであれば、他方が離婚したくない場合には酷な結果になってしまいます。

こうしたことから、夫婦双方が合意していないにもかかわらず離婚を認めてもらいたい場合には、明確な離婚理由(離婚原因)が必要とされています。

些細な夫婦ゲンカくらいでは、一方的に離婚はできません。ひとたび結婚して法律上の夫婦になると、簡単に離婚にならないよう、法律で保護されているのです。

法律に定められた5つの離婚原因

法定離婚原因とは?

民法では、「夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる」として、下記の5つの離婚原因(法定離婚原因)を定めています(770条)。

  • ① 配偶者に不貞な行為があったとき
  • ② 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • ③ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • ④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • ⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

相手が「離婚したくない」と言っているのに、自分はどうしても「離婚したい」という場合には、最終的に裁判を起こさなければ離婚ができません。

その場合には、上記5つの離婚原因のうち、どれかに該当していなければ、裁判を起こすことができないことになっています。

裁判以外で離婚する場合にも離婚原因が必要?

実際には、離婚するときに裁判にまで至るケースは、それほど多くありません。

また、日本では離婚などの家事事件に関しては「調停前置主義」がとられており、協議離婚ができない場合でも、裁判を起こす前に家庭裁判所の調停を経なければならないことにもなっています。

ですが、協議や調停の段階で離婚の話し合いをする場合でも、離婚原因に該当しているかどうかが重要になります。

もし離婚原因に該当していれば、離婚したくない側は裁判になっても勝ち目がないため、どこかで妥協せざるを得ないからです。

借金を理由に離婚するには

多額の借金があれば直ちに離婚できるわけではない

たとえば、夫がサラ金から多額の借金をしているのがわかった場合、妻は「離婚できないか?」と考えることもあると思います。法定離婚原因を見ても、「多額の借金があるとき」とは書いていません。

そもそも、結婚すれば住宅ローンを組むために数千万円単位の借金をするようなことは普通にありますから、夫に多額の借金があるという理由だけで離婚が認められることはないのです。

借金が「婚姻を継続し難い重大な事由」になるかどうかで決まる

法定離婚原因には、「⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由」というのがあります。これは、①~④に該当しないけれど、結婚生活を続けていくことが困難な状態について定めた規定になります。

借金が⑤の「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当すれば、離婚原因となる可能性はあります。しかし、どういう場合に離婚原因になるかはあくまでケースバイケースで、最終的には裁判官が判断するところになります。

たとえば、夫婦の一方が多額の借金を繰り返し、その返済のために生活費が不足し、生活が困窮するような事態になった場合には、離婚原因として認められる可能性が高いと言えるでしょう。

夫婦関係が破綻していなければ離婚する必要はない

離婚に関しては、一方に有責な事由が存在する場合に離婚を認める「有責主義」と、実質的に婚姻関係が破綻している状態であれば離婚を認める「破綻主義」の2つの考え方があります。

現在の日本の民法では破綻主義が採用されていますから、形式的に離婚原因に該当するかよりも、実質的に夫婦関係が破綻しているかどうかが問題になります。

たとえ一方に多額の借金があっても、夫婦で協力して返していきたいというのであれば、もちろんそれでかまいませんし、離婚する必要もありません。

ですが、相手の借金により生活もままならなくなり、挙句の果てに夫婦ゲンカが絶えない毎日となってしまい、自分はどうしても相手を許すことができないといったような状態にまでなっていれば、夫婦関係は既に破綻しており、円満な関係に戻る可能性は低いと考えられます。

このような場合には、相手に対して借金を理由に離婚を主張し、まずは話し合いで協議離婚の可能性を探ってみても良いのではないかと思います。

まとめ

借金で結婚生活が破綻しており、夫婦関係の修復も難しいようであれば、離婚もやむを得ないことがあります。

借金で離婚できるかどうかは、最終的には裁判官の判断になりますが、裁判となると時間も労力もかかってしまいます。

借金を理由に離婚を考えているようなら、弁護士等の専門家に相談してサポートを受けるなどし、できる限り協議離婚で決着するよう話し合いを進めるのがおすすめです。

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