債務整理は家族や会社に内緒でできる?バレる可能性は?

監修者

元弁護士ライター 福谷 陽子

債務整理を考えている方の中には、「借金が楽になるのはいいけれど、家族や会社にバレないだろうか?」と心配になっている方も多いのではないでしょうか。

そもそも借金があること自体を周りに内緒している場合、なおさら債務整理の事実は隠し通したいと思うものです。

実際は4つある債務整理の中でも、家族や会社にバレにくいものとバレやすいものがあります。一般的に、もっともバレにくいのは任意整理で、逆にバレる可能性が高いのは個人再生自己破産などです。

ただし、弁護士に手続きを依頼することでリスクを回避できる可能性はあります。

ここでは、4つの債務整理ごとに「家族や会社にバレる可能性」や「内緒で手続きをするためのコツ」などについて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

任意整理は、もっとも家族や会社にバレにくい!

任意整理は、4つある債務整理の中でも優先的に検討されることの多い方法です。弁護士(もしくは司法書士)が代理人となって債権者と交渉し、利息や遅延損害金をカットしてもらうことで借金を減らします。

そんな任意整理は、会社はもちろん、家族にもバレにくい債務整理といわれます。その理由はおもに以下の通りです。

弁護士に依頼した時点で督促が来なくなる

借金が家族にバレるきっかけとしてもっとも多いのが、債権者からの督促です。

支払いを滞納し続けると、当然ながら郵便物や電話などで督促がきますので、それで家族が借金の事実を知るケースは少なくありません。

弁護士もしくは司法書士に任意整理を依頼すると、債権者に「受任通知」という書面を送ってくれるのですが、その時点で債権者は債務者に直接連絡をとれなくなります。これは「貸金業法」という法律で規定されており、違反すると懲役や罰金などの処罰を受けることが定められているからです。

ですから、借金を支払えなくなった時点ですみやかに任意整理の手続きをすれば、家族バレのリスクを軽減することができます。

債権者との交渉は弁護士や司法書士が行なう

任意整理では、債権者との交渉をすべて弁護士や司法書士が担当しますので、債権者から手続きに関する連絡が入ることもありません。

ただし、弁護士とのやりとりは必要になりますので、家族バレしたくない場合は連絡先を自分の携帯電話にしてもらったり、郵便物を個人名で送ってもらったりするようお願いしておくと安心です。

用意する書類が少なく、短期間で手続きが終わる

任意整理は、ほかの債務整理と比べて手続きが簡単に済む点もメリットです。

用意するものも、借金の事実がわかる書類(契約書や取引明細)のほか、債務者本人の住民票や給与明細、預貯金通帳などが主で、家族に協力してもらわなくてはいけないものは基本的にありません。

また、任意整理は裁判所を通さない手続きですので、和解までの期間も比較的短く済みます。

このように、任意整理は周りにバレにくい債務整理ですが、例外もいくつかあります。たとえば家族が借金の保証人になっているケースです。この場合は債務整理をすると保証人に請求がいきます。

ただし、任意整理は整理したい借金を自由に選べますので、保証人がいる借金は任意整理の対象から外せばいいということになります。

また、債権者に訴訟を起こされる可能性がある点にも注意が必要です。弁護士に任意整理を依頼すると督促は来なくなりますが、債権者が債権回収の訴訟を起こす権利があります。この場合は自宅に訴状が届くため、家族に知られる危険性があるのです。

さらにその後、裁判で判決が確定すれば、債権者は強制執行できるようになります。すると給与を差し押さえられることもあり、そうなると会社にも借金がバレてしまいます。

実際は、弁護士から受任通知が届いてすぐに訴訟を提起する貸金業者はそれほど多くありませんが、中にはいるのも事実です。

ですからリスクの高い業者が相手の場合、そのあたりも含めて弁護士と対策を練る必要があります。

特定調停は、自分で動くため比較的バレやすい!?

特定調停は、簡易裁判所の仲介のもとで債務者が債権者と話し合い、借金の額や返済方法などを見直す手続きのことです。

カットしてもらえる金額は任意整理とほぼ同じですが、弁護士や司法書士を立てず債務者本人が行なえますので、費用が安く済むメリットがあります。

ただしその分、すべての手続きを自分でしなければいけないため、労力が大きい点がデメリットです。それにともない、家族にバレてしまう危険性も高くなります。

特定調停が家族にバレるおもなきっかけは、以下のようなものです。

書類を家族に見られてしまう

特定調停では、簡易裁判所に提出する申立書や、債権者の一覧表、財産の状況を示す書類などを自分で用意しなくてはいけないため、それらが家族の目に触れる可能性があります。

また、裁判所からも事件受付票や調停調書などが郵便で送られてきて、それが見つかることもあります。

ただし、裁判所からの郵便物は自宅以外に送ってもらうことも可能ですので、家族に知られたくない場合は職場や知人の住所を利用するのがおすすめです。もちろん、各書類は厳重に保管するよう気を付けましょう。

ちなみに、特定調停では裁判所から電話がかかってくることは基本的にありませんが、心配な場合は自分の携帯電話にかけてもらうよう担当者に一言伝えておくと安心です。

平日の日中に出廷しなくてはいけない

特定調停では、平日の昼間に簡易裁判所に出廷する必要があります。そのため、会社勤めをしている方はその日会社を休まなくてはいけません。

しかも、通常は月1回のペースで3~4回ほど足を運ばなければいけませんので、仕事の調整が不可欠です。特に債権者の数が多ければ多いほど、期間は長引きます。

会社を休んだからといって特定調停だとバレるわけではありませんが、職場や家庭に怪しまれないようにすることが大切です。

このように、特定調停では債務者自身が行なう手続きが多いぶん、気を付けないと周りに知られてしまうリスクがあります。

これを回避する方法の一つは、弁護士や司法書士を代理人として立てることです。費用はかかりますが、法律のプロに手続きや出廷を代行してもらうことができます。

ただ、それならば任意整理のほうをすすめられることが一般的です。借金の減額率も変わりませんし、裁判所を通さずに手続きができるため、弁護士や司法書士に依頼するなら特定調停よりも任意整理を優先的に考えましょう。

個人再生は、家族の協力が必要になる場合がある!?

個人再生は、裁判所に申し立てをして「再生計画案」を提出し、認可を受けることで借金を大幅にカットしてもらう方法です。

任意整理や特定調停よりも減額効果が大きい上、「住宅ローン特則」という制度を利用すれば、持ち家を残しながら借金を返済していくこともできます。

ただし、個人再生は裁判所を通して行なう公的な手続きですので、提出する書類も多く、同居する家族にバレる危険性はやや高いといえます。

個人再生では家族に関する書類も必要になる!

個人再生を行なう際は、申立書や再生計画案のほか、財産や家計の状況を示すための書類もいくつか提出する必要があります。

中でも家族の協力がないと難しい書類としては、以下のようなものがあります。

家計収支表

家庭の収入や支出を記したもので、直近2ヵ月分が必要になります。

住居費や衣服費、食費、光熱費などのさまざまな項目を詳しく記入しますので、特に家計に関与していない方は自分で作成するのが難しいかもしれません。

家族の給与明細

家族に働いている人がいる場合は、源泉徴収票や直近3ヵ月分の給与明細の提出が求められます。自宅にあれば持ち出すことができますが、電子化などで紙の明細がない場合は家族に頼むしかありません。

家族の収入については、前述の「家計収支表」にも記載する必要があります。

財産目録

個人再生では借金を大幅にカットしてもらうため、どのような財産を所有しているかを申告する「財産目録」という書類も必要になります。

預貯金の額はもちろん、加入している生命保険があれば解約払戻金、所有する不動産や自動車などがあればその評価額も必要です。

そのために、金融機関の通帳や保険証書、有価証券、車検証などを弁護士に提出する必要がありますので、家庭によっては家族の協力が必要になる場合があります。

このように、個人再生では家計や財産に関する書類をきっちりそろえて提出しなければいけません。家計を熟知していて、家族の給与明細も一人で用意できる場合は特に問題ありませんが、そうでない場合は家族に事情を説明する必要があります。

ちなみに、個人再生ではほぼ必ず弁護士を立てるため、裁判所からの郵便物は弁護士あてに届きます。

申立書にも、裁判所からの郵便物の受け取りを希望する「送達場所」という項目がありますので、そこを弁護士の法律事務所にしておけばOKです。

ほかに家族に個人再生のことが知られるケースとしては、家族が借金の保証人になっている場合が挙げられます。個人再生をして残った債務は、すべて保証人が支払う必要があるのです。

そのため、家族が保証人になっている場合は遅かれ早かれバレることになりますので、あらかじめ相談しておくことをおすすめします。

個人再生は任意整理と違ってすべての債務が対象になるため、「保証人が付いている借金だけ外す」といったことはできません。

また、個人再生をすると5年~10年はブラックリスト状態となり、その間はローンやクレジットカードを一切利用できなくなります。

これは個人再生に限らずすべての債務整理にいえることですが、そのことで後々、家族に債務整理をしたことがバレてしまう危険性もないとは言い切れません。

個人再生が会社にバレることはある?

個人再生は、場合によっては会社に知られる可能性もあります。

その一つが、「退職金見込額証明書」をもらう時です。同じ会社に5年以上勤めている方が個人再生をする場合、将来もらう予定の退職金の8分の1(近々退職する予定の場合は4分の1)の額を資産として申告する必要があります。

そのため、「現時点でいくらぐらいの退職金を受け取れる予定なのか」を証明するための「退職金見込額証明書」という書類を会社に発行してもらわなければいけないのです。

そんな書類が必要になるケースはまれですから、多くの場合は何に使うのかを問われてしまいます。実際は、住宅ローンの審査を受けたり、誰かの借金の保証人になったりする場合にも必要になることがあるのですが、場合によっては不自然に思われることもあるでしょう。

もし会社に発行してもらうのが難しい場合は、代わりに「会社の退職金支給規程+それにあてはめて算出した退職金計算書」で代用することも可能です。

退職金の制度がある会社の場合、就業規則の中に退職金に関する記載がありますので、その部分をコピーしたものを弁護士に提出します。

それ以外で会社に個人再生がバレることは基本的にありませんが、例外として会社の関係先からお金を借り入れている場合などがあります。

たとえば、会社の労働組合を通して労働金庫から借り入れしているケースなどです。特に労働組合が返済保証をしている場合などはバレる可能性があります。

また、個人再生をすると「官報」という国の発行する新聞のようなものに氏名と住所が載りますので、万が一それを見ている人が職場にいた場合はバレてしまいます。

ただし、官報をチェックしているのは信用情報機関や役所の税務課、もしくは闇金融など一部の人に限られるため、一般の人が見ることはまずありません。

自己破産は、「管財事件」になると家族バレしやすい!

自己破産は、税金や健康保険料などを除くすべての債務を免除してもらう方法で、ほかの債務整理では返済が難しい場合に選択されます。

経済的・精神的に楽になるのが大きなメリットですが、「破産者」となってしまうため、債務整理の中でももっとも周囲に知られたくない方法かもしれませんね。

自己破産が家族や会社にバレるきっかけは、個人再生の場合と似ていますが、自己破産ならではの注意点もあります。

自己破産が家族にバレるきっかけとは?

自己破産は、個人再生と同じく地方裁判所に申し立てをして行なう手続きです。そろえる書類が多いのと、専門的な法律の知識が必要になるため、ほとんどは弁護士に手続きを依頼することになります。

裁判所とのやりとりは弁護士を通して行なわれますので、裁判所からの郵便物などで自己破産が家族バレすることは基本的にありません。しかし以下のようなきっかけで家族に知られてしまう可能性はあります。

家族の協力が必要な書類を提出しなければいけない時

自己破産でそろえる書類は、個人再生の場合とほぼ同じです。

たとえば家計収支表や、財産目録を作成するための通帳や保険証書、また働いている家族がいる場合は給与明細も必要ですので、これらの書類を自分一人でそろえられるかどうかが問題となります。

財産を処分しなければいけない時

自己破産には、「同時廃止」と「管財事件」の2つの方法があります。簡単にいうと、同時廃止は財産がほとんどない人のための簡易的な破産手続き、管財事件は一定以上の財産がある人のためのやや複雑な手続きです。

参考:自己破産の「同時廃止」と「管財事件」の違い

管財事件になるかどうかは地方裁判所によっても基準が異なりますが、たとえば東京地方裁判所では「20万円以上の価値がある財産が1つでもある場合」に管財事件として扱われます(ただし現金に関しては、99万円までの所持が認められています)。

ですから、処分して20万円以上の価値がある不動産や車、保険などは原則として手放さなくてはいけません。そうなると、家族に知られずに自己破産するのはほぼ不可能ということになります。

ただし住宅ローンが残っているマイホームの場合、評価額が住宅ローンの残債を下回っている状態(オーバーローン)では同時廃止になるケースもあります。

家族が借金の保証人になっている場合

自己破産をしても保証人の債務は消えないため、家族が保証人になっている借金がある場合は必ず知られることになります。

この場合は、家族も同時に自己破産を検討しなくてはいけません。

破産後、ローンやクレジットカードを利用できなくなる

自己破産の手続き自体は家族に知られずに行なえても、その後の生活で破産したことがバレる可能性はあります。

自己破産をすると、個人再生と同じく5年~10年はローンやクレジットカードを利用できなくなります。また、携帯電話の機種代の分割払いもローンの一つですので、ブラックリスト状態の間は利用できません。

このようなことがきっかけで、後から自己破産したことがバレてしまうリスクはあります。

自己破産が会社にバレるきっかけとは?

自己破産が会社に知られるきっかけとしては、以下のようなことが考えられます。

退職金見込額証明書をもらう時

個人再生と同じく、自己破産する際にも退職金を申告する必要があります。将来もらえる予定の退職金の8分の1(実際に近々退職する予定がある場合は4分の1)が、現在の資産としてみなされるのです。

そのために、会社から「退職金見込額証明書」を発行してもらう必要があります。

給与明細や源泉徴収票と異なり、退職金見込額証明書が必要になるケースは限られていますから、会社側に頼んだ時点で債務整理の可能性を疑われる可能性がないとはいえません。

ただし、退職金見込額証明書をもらうのが難しい場合は、「会社の退職金支給規程+それにあてはめて算出した退職金計算書」で代用できますので、まずは担当の弁護士に相談してみましょう。

ちなみに、退職金の見込み額が20万円以上ある場合は、4分の1(裁判所によっては8分の1)の額が処分の対象となります。とはいえ実際に退職しなければいけないわけではなく、その場合は「管財事件」となり、積み立てするなどして裁判所に納めることになります。

一部の資格職に就いている場合

自己破産特有のデメリットの一つに、「職業や資格の制限」があります。

これは、自己破産の申し立てをしてから、実際に免責決定が下りるまでの間(平均3~6ヵ月間)、一部の職業や資格を制限されてしまうことです。代表的な資格(職業)には以下のようなものがあります。

  • 弁護士
  • 司法書士
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 行政書士
  • 宅地建物取引士
  • 生命保険募集員
  • 証券会社外交員
  • 警備員
  • 古物商

上記はほんの一例で、ほかにも制限される資格や職業は複数あります。

あくまで免責決定が出るまでの間に限られますが、その間は業務に制限が出たり、場合によっては休職したりしなければいけなくなるため、会社に事情を知られることになります。

また、会社役員になっている場合もいったん退任しなければいけません。これは、民法の中で自己破産が「会社と取締役の委任契約の終了事由」として規定されているためです。

ただし資格制限とは異なりますので、免責決定が下りる前であっても再任されれば、また会社役員を務めることはできます。

それ以外の職業については特に制限はありませんし、たとえ自己破産したことが何らかの理由でバレたとしても、会社がそれを理由に社員を解雇することは労働契約法違反とみなされます。

まとめ

家族や会社に内緒で債務整理できるかどうかについてご紹介しました。

4つの債務整理の中では、「任意整理」がもっともバレる可能性が低いと考えられます。

基本的には、自分でそろえなければいけない書類や、債務整理によるペナルティ(財産の処分や資格制限など)が多ければ多いほど、周りに知られるリスクが高くなるといえるでしょう。

ただし、借金が家族バレするきっかけで一番多いといわれるのは、債権者からの督促です。督促を早くストップするためにも、返済が苦しくなった時点ですみやかに弁護士や司法書士に相談し、代理人になってもらうことをおすすめします。

また、弁護士との連絡方法にも気を付けたいところですので、最初に「家族や会社にバレないように手続きをしたい」という事情を説明し、理解してもらうことも大切です。

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