債務整理をすると今持っているクレジットカードは使える?更新できる?

監修者

元弁護士ライター 福谷 陽子

借金の悩みを合法的に解決できる債務整理ですが、行なうといわゆる「ブラックリスト状態」になるため、5~10年はクレジットカードの所有が難しくなります。

新たに作れなくなるのはもちろんのこと、現在すでに持っているクレジットカードも利用できなくなったり、更新できなかったりする可能性が高いです。

ただし、債務整理の種類によって利用を止められてしまうタイミングが異なることがありますので、今回は、そういった問題についてもくわしく解説していきます。

クレジットカード会社も信用情報機関に加盟している

債務整理には4つの方法(任意整理・特定調停・個人再生・自己破産)がありますが、いずれにも共通するデメリットが、信用情報機関に事故情報が記録される(ブラック入りする)ことです。

信用情報機関とは、個人の借入に関する情報を管理する機関のことで、日本では「CIC」「JICC(日本信用情報機構)」「KSC(全国銀行個人信用情報センター)」の3つがあります。

銀行やローン会社、消費者金融などはもちろん、クレジットカード会社も必ずいずれかの信用情報機関に加盟しており、新たにカードの申し込みがあった時に事故情報がないかどうかをチェックします。

そのため、ブラックリスト状態になるとローンやクレジットカードの審査に通ることはできなくなってしまうのです。

ちなみに、多くのクレジットカード会社はCICに加盟していますが、複数の機関に加盟する会社も少なくありません。

たとえば「JCB」や「三井住友VISA」は、CICとJICCの両方に加盟していますし、「三菱東京UFJ-VISA」のような銀行系のクレジットカードの場合は、発行会社が銀行ですのでKSCにも加盟しています。

また、CIC・JICC・KSCはお互いに情報を共有するシステムを構築しているため、どれか一つの機関に事故情報が記録されているだけで、すべてのローンやクレジットカードの審査に通らなくなることがあります。

このように、債務整理をすると新たにクレジットカードを作ることはできなくなるのですが、同時に今持っているクレジットカードも使えなくなってしまう可能性が高いです。

実際どのタイミングで利用を止められてしまうのか、債務整理の種類別に解説していきます。

個人再生もしくは自己破産の場合

4種類ある債務整理の中でも、すぐにクレジットカードを利用できなくなってしまうのが個人再生自己破産です。

借金の額を大幅に減らしてもらう個人再生と、すべての債務を帳消しにしてもらう自己破産は、ほかの債務整理に比べて減額効果が大きいだけに、整理先を自由に選ぶことができません。

つまり、有無を言わせずすべての借金を整理する必要があります。このように、すべての債権者を公平に扱わないといけないという原則のことを、債権者平等の原則といいます。

ですから、今持っているクレジットカードでショッピングやキャッシングをしている場合には、それも自動的に債務整理の対象に含まれるということです。

個人再生や自己破産の手続きを弁護士に依頼すると、弁護士はすみやかに「私が債務者の代理人になりましたよ」という内容の書面(受任通知)を各債権者に送ります。

これが届いた時点で、債務者への督促はぴたりとストップするのですが、同時にクレジットカードの利用も停止されますので、かなり早い段階でカードを使うことができなくなるのです。

任意整理もしくは特定調停の場合

任意整理特定調停は、債権者との交渉によって利息や遅延損害金をカットしてもらう手続きです。

個人再生と自己破産に比べると減額効果が小さい一方、「債権者平等の原則」がはたらかないため、整理したい債権者を自由に選ぶことができます。

たとえば「車に乗り続けたいから、車のローンは整理の対象にしない」「保証人のいる借金だけは整理先から外す」といったことが可能です。

「それなら、今持っているクレジットカードも債務整理の対象にしないことで、引き続き利用できるのではないか」と考える人も多いと思います。

実際、特定のクレジットカード会社を外して任意整理や特定調停を行なうことはできますし、その場合、手続き後もこれまで通りにクレジットカードを使える可能性は十分にあります。

しかし、しばらくの間は使い続けることができても、結局は利用を停止されてしまうケースが多いのが現状です。というのも、クレジットカード会社は最初の申し込み時だけではなく、カード発行後も信用情報をチェックすることがあるからです。

クレジットカード会社が契約中の利用者の信用情報をチェックすることを、「途上与信」といいます。

安心して取引を継続するためにも、クレジットカード会社はカード発行後も時々信用情報機関に照会をかけて、事故情報が記録されていないかどうか、他社から多額の借り入れをしていないかどうか、などを確認します。

つまり、クレジットカード会社を外して任意整理や特定調停をしても、その後の途上与信で事故情報が見つかれば、その時点で契約を解除されてしまう可能性があるということです。

途上与信が行なわれるタイミングはいつ?

途上与信が行なわれる時期や頻度は、クレジットカード会社によって異なります。

かなり頻繁に行なう会社もあれば、たまにしか行なわない会社もありますが、各社共通で必ず行なうのは以下のような場合です。

クレジットカードの更新時

クレジットカードには有効期限があり、その期限が切れる前に更新されて新しいカードが発行されます。

ほとんどは自動更新ですので特に申し込みは必要ありませんが、その時に必ず行なわれるのが途上与信です。

任意整理や特定調停後も問題なくクレジットカードを使えていたとしても、次の更新時に事故情報が見つかると、利用停止されてしまう可能性が高くなります。

増額申請をした時

クレジットカードの利用可能額を増やしたい場合、カード会社に増額申請をすることができますが、この時にも必ず信用情報がチェックされます。もし事故情報が見つかった場合、増額を断られるだけではなく、利用自体を停止されてしまうこともあります。

借入残高が10万円以上の場合など(法定途上与信)

途上与信の中でも、法律にもとづいて行なわれるものを「法定途上与信」といいます。

多重債務者が増加したことから、過剰な貸し付けを防ぐために、一定額以上の借入をしている利用者に対しては定期的に返済能力を調べることが、「貸金業法」の改正によって各社に義務付けられたのです。

法定途上与信が行なわれるケースと頻度は、以下のように決まっています。

要件 頻度
1ヶ月の借入合計額が5万円以上、かつ借入残高が10万円以上の場合 毎月
月の借入額にかかわらず、借入残高が10万円以上ある場合 3ヶ月ごと

上記は、決められた利用枠の範囲内で自由に借り入れができる「包括契約」という形態の場合に適用されます。

つまり、銀行の目的別ローンのように最初に決まった金額を借りる場合は対象となりませんが、カードローンや、クレジットカードのキャッシングは包括契約にあたりますので、法定途上与信の対象になります。

このように、クレジットカード会社は定期的・不定期的に信用情報をチェックしています。

クレジットカード会社を外して任意整理や特定調停をした場合でも、少なくとも次の更新時には途上与信が行なわれることは確実ですので、遅かれ早かれ事故情報が見つかってしまい、利用を止められる可能性が高いのです。

家族カードの場合はどうなる?

以上は、債務整理を行なった本人名義のクレジットカードについての話であり、家族カードの場合は事情が異なります。

たとえば配偶者名義のクレジットカードは、あくまで配偶者自身の信用情報をもとに発行されたものですから、家族が債務整理をしても基本的に影響はありません。

家族カードも請求先は本カードと同じですので、利用している家族が債務整理をしたからといって没収されることは通常ありません。

逆にいうと、債務整理をしてもクレジットカードを使いたい場合は、家族カードを使わせてもらえばいいということになります。

まとめ

以上をまとめますと、債務整理をした場合、今持っているクレジットカードへの影響は以下のようになります。

  • 個人再生と自己破産では、弁護士に依頼したらすぐに利用停止となる
  • 任意整理と特定調停では、クレジットカード会社を整理の対象から外すことで引き続き使える場合が多いものの、いずれ途上与信が行なわれれば事故情報が見つかり、遅かれ早かれ使えなくなる可能性が高い
  • 家族名義のクレジットカードの家族カードは、基本的に問題なく使える

つまり、どのような債務整理を行なうにしても、本人名義のクレジットカードを使い続けるのは難しいということになります。

しかし、ブラックリスト状態もいつまでも続くわけではありません。任意整理と特定調停の場合は5年、個人再生と自己破産の場合は5年~10年で事故情報は消えますので、その後はまたクレジットカードを作れる可能性は十分にあります。

それまでの間は、必要であれば家族カードを使わせてもらうなどして乗り切りましょう。また、ブラック期間を長引かせないためにも、債務整理をした後は決められた返済をしっかり行なっていくことが大切です。

匿名OK・無料!借金減額シミュレーター

ws000000

街角相談所-法律-無料シュミレーターは氏名、住所などを入力しなくても利用できる「完全匿名性」の借金解決サービスです。

「いきなり弁護士事務所に電話するのは少し抵抗がある...。」という方も利用しやすくなっています。


無料シミュレートしてみる

債務整理に強い弁護士

無料相談:0120-422-009

弁護士法人サンク総合法律事務所」は月600件以上の相談実績がある債務整理に強い弁護士事務所です。

全国対応・相談無料・365日24時間対応・初期費用0円・分割払いOK・弁護士費用が払えないなどの相談も可能です。


無料相談:0120-422-009