債務整理は弁護士と司法書士どっちに任せた方がいい?徹底比較!

監修者

元弁護士ライター 福谷 陽子

債務整理は借金を合法的に解決できる方法ですが、行なうためにはさまざまな書類をそろえなくてはいけませんし、法律の知識も必要ですので、債務者が自分で手続きするのは難しいものです。

そこで、多くの場合は代理人として法律の専門家に依頼することになります。

法律のプロといえば、多くの方が弁護士を思い浮かべると思いますが、借金の状況によっては司法書士に依頼することも可能です。

2002年に「司法書士法」という法律が改正されたことで、それまで弁護士しかできなかった債務整理の一部を司法書士もできるようになりました。

ただし、弁護士と比べると権限に制限があるため、司法書士に依頼できるケースは限られています。

ここでは、弁護士と司法書士の業務内容の違いをもとに、どちらに債務整理を依頼するべきかを徹底比較していきたいと思います。

債務整理における、弁護士と司法書士の役割とは?

債務整理には4つの種類がありますが、弁護士と司法書士はそのいずれにも関わることができます。

しかし、請け負える業務に違いがあるため、まずはわかりやすく表にしてご紹介しましょう。

債務整理の種類 弁護士 司法書士
任意整理 代理人
(金額の制限なし)
代理人
(1社の債務が140万円以下の場合に限る)
特定調停
個人再生 代理人 書類作成代理人
自己破産

弁護士はすべての法律業務を行なえるため、借金の額や債務整理の種類にかかわらず、債務者の代理人になることができます。

書類作成はもちろん、債権者との交渉や、裁判所への申し立て、出廷なども代行することが可能です。

一方、司法書士が代理人になれるのは「140万円以下の借金の任意整理(および特定調停)」のみで、140万円を超える借金がある場合は、交渉や訴訟を代行することはできません。

だし、裁判所に提出する書類などを作成することはできますので、個人再生や自己破産の書類作成代理人としてサポートすることはできます。

債務整理における弁護士と司法書士の業務の違いについて、下記でさらに詳しく解説していきます。

弁護士は、債務整理に関わるすべての手続きができる!

弁護士は司法試験に合格した上で、最高裁判所の司法研修所を卒業し、弁護士会に登録している人のことを指します。裁判官・検察官と合わせて「法曹(法律の実務家)」と呼ばれる職です。

弁護士は法律に関する高度な知識および実務技術を有しているため、その集まりである弁護士会には強い独立性が認められており、担当弁護士の裁量でさまざまな法律業務を行なうことができます。

弁護士が扱う仕事には、大きく分けて「民事事件」と「刑事事件」がありますが、債務整理は民事事件の一つです。

借金に関する法律相談をはじめ、債務整理に必要な書類の作成や、債権者との交渉、また必要に応じて裁判所への申し立てや出廷なども代行してくれます。

借金の額や債務整理の種類にかかわらず代理人になってもらうことができ、相談から実際の手続きまでを一貫して任せられる点が弁護士に依頼する大きなメリットです。

司法書士は、一部の債務整理しかできない!

一方、司法書士は司法書士試験に合格し、司法書士会に登録した人のことを指します。

司法書士のおもな業務は、不動産登記・商業登記の代行や、裁判所などに提出する書類作成の代行などです。

これらの業務は弁護士も行なうことができますが、弁護士の数が十分ではなかったことから、登記や書類作成の業務を専門に扱う資格として司法書士の制度が誕生しました。

さらに近年、多重債務問題の増加を受けて、平成14年には司法書士法が改正され、司法書士も一部の債務整理手続きを行なうことができるようになりました。

ただし司法書士なら誰でもできるわけではなく、法務省に認定された「認定司法書士」のみとなります。

また、弁護士と比べると行なえる業務が限られており、以下のような制限があります。

  • 交渉・和解・訴訟代理は、140万円以下の民事事件に限る
  • 訴訟を代理できるのは簡易裁判所のみに限る

借金の額が140万円を超える案件では、司法書士は裁判所に提出する書類の作成などは代行することが可能ですが、債権者との交渉・和解・訴訟代理などは一切できません。

この場合の140万円とは、一社ごとの借金になりますので、複数の業者から借り入れいてもそれぞれの債務が140万円以下であれば、司法書士を代理人として立てることができます。

また、任意整理では司法書士も過払い金請求ができますが、この場合も過払い金が140万円以下のケースに限られます。

つまり、一社からの借金および過払い金が140万円以下の場合は、弁護士ではなく司法書士に任意整理を頼んでも問題ないということです。

また、司法書士は簡易裁判所での訴訟代理権がありますので、簡易裁判所に申し立てを行なう特定調停の代理人になることもできます(この場合も、一社の借金が140万円以下に限られます)。

ただし、うまく和解が成立しなくて債権者に訴訟を起こされ、さらにそれが地方裁判所に移ったような場合は、弁護士に依頼する必要があります。

個人再生や自己破産では、司法書士は代理人になれない!

特に問題になるのは、個人再生や自己破産をする場合です。

個人再生や自己破産は地方裁判所に申し立てをして行なう手続きですので、司法書士が代理人を務めることはできません。弁護士であれば、代理人として裁判所への申し立てや出廷の代行、裁判官との面談(審尋)への同席などができますが、司法書士はいずれも不可能となります。

個人再生や自己破産で司法書士がサポートできるのは、主に書類の作成です。個人再生や自己破産では、申立書や財産目録などのさまざまな書類を裁判所に提出する必要があるのですが、こうした書類作成の代行はもともと司法書士の専門とするところですので、問題なく依頼できます。こうした司法書士の業務のことを、「本人訴訟支援業務(裁判書類作成業務)」といいます。

ただし、書類作成は代行してもらえても実際の申し立ては本人が行なうことになるため、弁護士に依頼した場合に比べると手続きに時間や手間がかかったり、債権者に有利な条件で決着がついたりするなどのリスクがあるのも事実です。

特に債権者の数が多かったり、借金の事実関係が不明確だったりするようなケースの本人申し立てはハードルが高くなります。

それでも、費用が弁護士に依頼した場合に比べて格段に安いのならばまだメリットがありますが、実際はそれほど差がないケースも少なくありません。そうなると、司法書士に依頼するメリットはほぼないということになります。

中には、司法書士の権限の制限について知識がないまま依頼してしまう人もいますので、どこまでの手続きをしてもらえるのかをしっかり確認した上で依頼するかどうかを判断することが大切です。

弁護士と司法書士、結局どちらに頼むべきか?

ここまでご説明したように、弁護士と司法書士は扱える業務の幅に差があります。

実際にどちらに依頼するべきなのか、基本的な基準は以下の通りです。

弁護士に依頼するべきケース

弁護士はすべての債務整理において代理人になれますので、基本的にはどのようなケースでも「依頼して間違いがない」といえます。

特に、一社あたりの借金(または過払い金)が140万円を超える場合や、個人再生・自己破産を行なう場合、司法書士は代理人になることができませんので、この場合は迷わず弁護士を選ぶことをおすすめします。

140万円超の案件でも、司法書士は書類の作成代行は可能ですが、上述したように本人申し立てにはリスクもあるため、あまりおすすめできません。

ちなみに、借金や過払い金が140万円を超えるかどうかが不明である場合も、司法書士ではなく弁護士に任せたほうが安心です。

司法書士に依頼するべきケース

司法書士に債務整理を依頼しても問題ないのは、以下のようなケースです。

  • 140万円以下の借金を任意整理する場合
  • 借金の事実関係が明確で、複雑な問題が生じていない場合

司法書士にすべての手続きを任せることができる債務整理は、債権者と直接交渉を行なう任意整理です。

特定調停も可能ではありますが、特定調停は債務者が自分で行なうことが多く、わざわざ弁護士や司法書士を立てるのであれば任意整理を選んだほうがいいということになります。

また、借用書や契約書などの書類がしっかり残っており、債権者との間にも大きなトラブルがないなど、「厄介な案件でない」こともポイントです。

事態が複雑であればあるほど、高度な法律の知識や交渉の技術が必要になりますので、その場合は弁護士に依頼することをおすすめします。

さらに、弁護士と司法書士の違いについて事前に十分な説明をしてくれる司法書士を選ぶことも大切です。

万が一、手続き中に司法書士には扱えない状態になった場合には、しっかりと事情を説明した上で、信頼できる弁護士に取り次ぐなどのフォローをしてくれる司法書士が望ましいでしょう。

ちなみに、個人再生や自己破産を司法書士に依頼した場合、本人申し立て扱いとなって裁判所に納める予納金が高額になるケースがあります。

このようなことからも、個人再生や自己破産は弁護士に依頼したほうが安心です。

司法書士と弁護士で費用に差はあるのか?

よく「司法書士は弁護士よりも費用が安く済む」といわれますが、最近は弁護士業界の競争が激しくなっていることもあり、無料相談を行なったり分割払いに対応したりするなど、ひと昔前よりも敷居が低くなっています。

また「法テラス(日本司法支援センター)」では、経済的な余裕がない人のために弁護士による無料相談や、弁護士費用の立て替えを行なっていますので、最近は「お金がないから弁護士に依頼できない」というケースは少なくなっているのです。

個人再生や自己破産の費用は、弁護士に比べると業務が制限されている分、司法書士のほうが低く抑えられていますが、任意整理や過払い金請求の報酬金などはほとんど変わりません。

何より、債務整理は結果がもっとも大切ですので、費用の安さだけで選んでは本末転倒になってしまいます。

まとめ

弁護士と司法書士は、どちらも法律の知識に基づいて債務整理の手続きができますが、業務の幅に大きな違いがあります。

弁護士がオールマイティであるのに対し、司法書士の業務は「一社あたり140万円以下の借金の交渉・和解・訴訟代理」もしくは「書類作成の代行」に限られます。140万円を超える借金になると地方裁判所の管轄になりますので、司法書士の訴訟代理権は簡易裁判所のみです。

債務整理の依頼先を探すにあたっての考え方としては、「できれば弁護士が望ましいが、近くに最適な弁護士がいないなどの理由があり、140万円以下の借金を任意整理したい場合は、信頼できる司法書士への相談も検討する」ということになります。

司法書士に債務整理を依頼する際には、司法書士の権限の制限や、それによって生じる可能性のある不利益、途中で司法書士に扱えなくなった場合の対応などについても事前にしっかり確認しておくことが大切です。

また、司法書士であれ弁護士であれ、債務整理を多く扱っているかどうかは事務所によって異なります。事務所のホームページを参考にして、債務整理に強いところを選ぶようにしましょう。

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