債務整理に関わる法律と素人でもわかる解説!

執筆者

元弁護士ライター 福谷 陽子

消費者金融やクレジットカード会社のキャッシング、ショッピングローンや銀行カードローンなどの借金がかさんで多重債務者状態になってしまうと、返済が出来なくなってしまいますが、そのような場合には債務整理手続を利用する事によって、効果的に解決することが可能です。

債務整理とは借金整理のための法的な手続のことですが、任意整理特定調停個人再生自己破産の4種類があります。これらの債務整理手続は、その根拠となる法律があることによって認められるものです。

では、実際にどのような法律をもとに債務整理手続が認められるのでしょうか?

今回は、債務整理手続に関わる法律について、誰でも理解出来るように簡単に解説します。

債務整理にかかわる法律

債務整理手続を利用すると、借金問題が効果的に解決出来ます。債務整理には、任意整理と特定調停、個人再生、自己破産の4種類があり、それぞれその要件と効果が異なります。

たとえば特定調停では、簡易裁判所を利用して各債権者と話し合いをしなければなりませんし、個人再生や自己破産では地方裁判所に申立をしなければなりません。

個人再生では借金を減額出来ますが、自己破産では借金返済義務が完全に無くなります。任意整理では、借金を大幅に減額できる場合と出来ない場合があります。

このような手続による差は、どのようなことから発生しているのでしょうか?

実は、これらの債務整理の手続の差は、その根拠となる法律の違いから発生しています。各手続きの根拠となる法律に異なる規定があるために、各債務整理手続に具体的な違いが発生しているのです。

そして、債務整理にかかわる法律は、主に3つあります。

それは、「特定調停法」と「個人再生法」、「破産法」です。また、利息に関連する法律として「利息制限法」、「出資法」、「貸金業法」もあります。貸金契約一般に関連するものとして、民法もあります。

そこで、以下では、上記の7つの法律(特定調停法、個人再生法、破産法、利息制限法、出資法、貸金業法、民法)について、個別に解説します。

民法

まず、債務整理にかかわる法律として民法があります。ただし、民法には、直接債務整理手続の方法などが規定されているわけではありません。

民法は借金についての定めをしている

民法は、金銭消費貸借契約についての定めをしています(587条以下)。このことによって、どのような場合に金銭消費貸借契約が成立するかが決まります。実際には、お金の受け渡しと返還約束があった場合に、金銭消費貸借契約が成立します。

よって、借金が成立するには、そのお金を受け取り、返還の約束をすることが必要だということになります。

また、金銭消費貸借が行われた場合には、当然お金を返還する必要があります。このことによって、お金を借りたら返済しなければならないということが成立し、借金返済問題が発生するのです。

民法は任意整理とかかわりがある

そして、民法には契約自由の原則という考え方があります。これは、当事者が何らかの契約をする場合、基本的にその契約内容や、契約するかどうかなどの事項を自由に決められるということです。

この契約自由の原則がかかわってくるのが任意整理です。任意整理では、債権者と話し合って借金返済の金額と方法を決め直します。しかし、そもそも債権者には任意整理の話し合いに応じる義務がありません。

債権者が借金の整理に応じたくなければ、任意整理の話し合いに応じないでそのまま請求を続けることも出来ます。また、どのような内容で取り決めをしなければならないという決まりはありません。

債権者が任意整理の話し合いに応じたとしても、その内容を自由に定めることが出来ます。借金額をどこまで減額するかということも自由ですし、何年の分割払いにするかなどの支払い方法も当事者の希望によって自由に決められます。

このように、任意整理で当事者が自由に借金返済の方法を決め直すことが出来るのは、契約自由の原則がかかわっています。

民法では、公序良俗に違反しない限り(第90条)、当事者は契約内容を自由に定めることが出来るので、借金返済方法を決め直す際も、当事者は自由にその内容を定めることが出来るのです。

契約当事者は双方とも、自分の納得できない内容なら、契約をせずに拒絶することが出来ます。民法が任意整理の直接の根拠法律というわけではありませんが、任意整理が可能になっていることには、民法が大きく関わっています。

グレーゾーン金利とかかわる法律~利息制限法、出資法、貸金業法~

債務整理手続においては、グレーゾーン金利という問題があります。グレーゾーン金利とは、利息制限法を超えて、出資法以下の金利のことです。

このグレーゾーン金利での取引がある場合、借金の取引内容を利息制限法に引き直し計算します。すると、借金の金額が大幅に減額されることがあったり、過払い金が発生していることが明らかになることがあります。

このように、グレーゾーン金利での取引がある場合に借金が減額出来たり、過払い金が発生することがあることには、利息制限法と出資法、貸金業法という法律が大きく関わっています。

利息制限法、出資法、貸金業法は利息の上限を定めている

そこで、以下では利息制限法と出資法、貸金業法がどのような規定を定めているのかについて、確認しましょう。利息制限法では、お金を貸し付ける際の上限金利を定めています。

出資法では、お金を貸し付ける際の上限を定めており、その上限を超えて貸付をすると刑事罰が適用されることになっています。出資法を超えた金利での貸付をすると、犯罪になってしまうということです。

貸金業法では、貸金業者が貸金業を行うには、貸金業登録をしなければならない(無登録営業が禁止されることです。貸金業法第3条、同第11条)ことや、貸金業者は利息制限法に定める利率の範囲内で貸付をしなければならない(貸金業法第18条の2)ことなどを定めています。

このように、利息制限法と出資法、貸金業法は、貸付をする際の上限金利について定めている法律です。

グレーゾーン金利の仕組み

これらの法律が、どのようにグレーゾーン金利につながるのでしょうか?

法改正前の金利は高かった

実は、これらの法律は、最近改正されています。改正は、平成22年6月です。それより前には、利息制限法が定める上限利率と出資法が定める利率に違いがありました。

グレーゾーン金利

具体的には、利息制限法が定める上限利率は、10万円未満の借金の場合20%、10万円以上100万円未満の借金の場合18%、100万円以上の借金の場合に15%となっています(利息制限法第1条)。

ところが、出資法で刑事罰を受ける金利は、年29.2%でした(旧出資法第5条2項)。このように、利息制限法を超えていても、出資法以下の利率での貸付であれば、貸金業者達は罰されることがなかったのです。

しかも、法改正前には利息制限法に「みなし弁済」という規定がありました(旧利息制限法第1条2項)。

みなし弁済とは、債務者が支払の義務がないとわかっていても、あえて利息制限法を超える利率での利息支払いをした場合には、その利息支払いは有効になるという規定です。

法改正前は、このみなし弁済を広く認めることによって、貸金業者たちは利息制限法を超過する高利息の取り立てをしていたのです。

最高裁判決と法改正

ところが、その後の最高裁判決で、みなし弁済は原則として認めず、利息制限法を超過した利息支払いは原則として無効だという判断が下されました(最高裁判所平成18年1月13日判決)。

この判断を受けて、利息制限法と出資法、貸金業法が改正されました。具体的には、利息制限法のみなし弁済を廃止し、出資法の上限金利を利息制限法と同じ20%にしました(出資法第5条2項)。

このことによって、利息制限法を超える利息での貸付をすると、刑事罰が下されることになったので、貸金業者達は、利息制限法を超過する利率での貸付を辞めました。

また、従前に利息制限法を超過したグレーゾーン金利で貸付をしていた分については、すべてその高利息の支払の必要はなかったということになりました。

そこで、グレーゾーン金利での取引があった場合には利息制限法に引き直し計算して借金の金額を減らしたり、払いすぎ金利である過払い金を取り戻すことが出来ることとなったのです。

このように、債務整理においてグレーゾーン金利が問題になり、利息制限法に引き直し計算することや、それによって借金が減額できたり、過払い金請求することが出来ることには、利息制限法、出資法、貸金業法が大きく関わっています。

特定調停法

債務整理の中でも、特定調停という手続があります。特定調停とは、簡易裁判所に申立をして、裁判所の調停委員と裁判官を間に介して債権者と話し合いをして、借金の返済額と返済方法を決め直す手続きのことです。

このとき、借金の返済金額を利息制限法に引き直して計算するので、借金が大幅に減額されることがあります。よって、特定調停でも上記の利息制限法、出資法、貸金業法は関わりを持つことになります。

特定調停の根拠となる特定調停法

そして、特定調停手続の根拠となっているのは、特定調停法という法律です。

特定調停法は、その正式名称を「特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律」と言って、平成11年に策定された比較的新しい法律です。

特定調停法は、民事調停法をアレンジしてもうけられた法律です(第1条)。もともと、民事的な争いを解決するためには、一般的な民事調停という手続がありました。

民事調停をする場合も、簡易裁判所で調停委員や裁判官を介して相手方と話し合いをします。この民事調停手続の中でも、借金をしている債務者と債権者との間での借金整理の話し合いに目的を特化したのが、特定調停法です。

民事調停の中で、借金の整理のためという「特定」の目的で利用される手続であることから、特定調停と呼ばれるのです。

特定調停法では、まず、特定調停を利用出来るための特定債務者について定めています。特定債務者とは、支払不能のおそれのあるものです(第2条)。

そして、特定債務者は、特定調停の申立を行いますが、特定調停においては、債権者が複数になることが多いです。

そこで、特定調停法では、1人の債務者から複数の債権者への申立がある場合には、できるだけ同時に扱わなければならないと定めています(第6条)。

さらに、特定調停が申し立てられると調停委員が選ばれますが、このことも特定調停法によって定められています(第8条)。

具体的には、裁判所は、特定調停を行う調停委員会を組織する民事調停委員として、事案の性質に応じて必要な法律、税務、金融、企業の財務、資産の評価等に関する専門的な知識経験を有する者を指定するものとする、と規定されています。

特定調停での解決方法も定める

特定調停法では、調停委員が当事者らに対して、和解案(調停条項案)を提示することができることも定めています。

特定調停がすすんでいく最中で、当事者同士でうまく解決策を決められない場合に、調停委員が和解案を提示してくれるとお互いが妥協しやすくなって調停が成立することが出来ます。

この調停条項案の提示の際、その調停条項案は、公正かつ妥当で、経済的合理性のあるものでなければならないとされています。

具体的には、第15条で「調停委員会が特定調停に係る事件の当事者に対し調停条項案を提示する場合には、当該調停条項案は、特定債務者の経済的再生に資するとの観点から、公正かつ妥当で経済的合理性を有する内容のものでなければならない。」と規定されています。

このように、調停委員が提示する調停条項案は、債務者の利益を害しない内容にすべきだと法律上も定められているので、債務者にとっては安心感があります。

さらに、特定調停では、場合によっては調停委員会(調停委員及び裁判官)が、事案の内容を見て「審判」という方法で借金の返済方法を決定してしまうことがあります。

このように審判が出来ることも、特定調停法で定められています(第17条)。そこで、この審判のことを「17条審判」と言います。

さらに、特定調停法では、話し合いが成立しない場合には、特定調停が不成立になることも定めています(第18条)。

そして、特定調停法に規定のない事項については、原則通り民事調停法の規定に従うことを定めています(第22条)。

個人再生法(民事再生法)

債務整理の中には、個人再生という手続があります。個人再生とは、裁判所に申立をして借金返済金額を大幅に減額してもらう手続です。

個人再生を利用すると、財産があってもそれらを失うこともありませんし、住宅ローンを抱えていても、その住宅ローンだけはそのまま支払を続け、それ以外の借金だけを減額することも出来ます。

このことによって、マイホームを守ったまま借金だけを減額することが出来るのです。

個人再生の根拠となる民事再生法

このように大変便利なので人気の高い個人再生ですが、この手続はどのような法律が根拠となっているのでしょうか?

実は、個人再生法は、「民事再生法」という法律の中に規定されています。「個人再生法」という単体の法律はありません。このことは、個人再生の成り立ちと関係します。

実は、個人再生は、民事再生手続の特則です。借金がかさんだ場合に、破産をせずにその借金を整理して再生する方法としては、民事再生法があります。ただ、民事再生法の原則的な手続は複雑で費用もかかります。

個人の借金がかさんだ場合に手軽に利用出来る手続ではありません。ところが、多重債務者などの問題が増えている社会情勢下では、個人も簡単に再生ができるようにする必要性が高いです。

そこで個人でも簡単に民事再生できるように、民事再生法の特則を作って個人再生という手続をもうけたのです。たとえば、個人再生法では、民事再生のように貸借対照表を作成する必要はありません(第228条)。

個人再生の仕組みを定める

このように、個人再生は、民事再生を個人のためにアレンジしたものですから、個人しか利用出来ません。会社による個人再生の利用が出来ないのは、このことによるのです。

個人再生法は、具体的には民事再生法の13章「小規模個人再生及び給与所得者等再生に関する特則」という章に詳しく規定されています。

そして、個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生手続がありますが、実際に民事再生法にも、小規模個人再生に関する規定部分(第13章第1節 小規模個人再生(第221条―第238条))と、給与所得者等再生手続に関する規定部分(第2節 給与所得者等再生(第239条―第245条)があります。

個人再生法で定められる個人再生の要件としては、たとえば借金の金額が5,000万円以下でなければならないという決まりがあります。このことは、民事再生法第221条1項、同第231条2項に規定されています。

このように、民事再生法は、個人再生の原則的な仕組みを定めています。

個人再生の手続の流れを定める

また、個人再生を利用する場合には、再生債務者は「債権者一覧表」を提出しなければなりませんし(第221条3項)、裁判所が個人再生委員を選任することが出来る旨も定められています(第223条)。

さらに、再生債権者が裁判所に債権届けをすることや、債務者がその届け出られた内容に異議を出せることなども定められています。

さらに、個人再生法では、負債が減額されない場合についても規定しています。たとえば夫婦の相互扶助義務(婚姻費用の支払)や養育費、悪意で加えた不法行為にもとづく損害賠償請求権などについては減額の対象になりません(第229条)。

そして、再生債務者は再生計画案を提出しますが、この再生計画案に対して債権者の過半数(数及び債権額)の異議があった場合には、その再生計画案は認可されないことも定められています(第230条6項)。

また、再生計画案の不認可の要件も個別に定められています。たとえば、再生債務者に十分な収入が無い場合には、再生計画案は認可されません(第231条)。

そして、再生計画案が認可された場合には、借金がその再生計画案に定められた限度に減縮されると定められています(第232条)。このことによって、個人再生を利用すると借金が減額されるのです。

さらに、個人再生後支払が苦しくなった場合には、計画変更の申立をして、借金返済期間を延ばすことが出来ること(第234条)、途中で返済が出来なくなった場合にも、一定の要件のもとに借金の免除が認められる「ハードシップ免責」についても定められています。

そして、再生計画が不正な方法で成立したことが明らかになった場合などには、再生計画が取り消される可能性があることなども規定されています(第189条)。

このように、民事再生法では、個人再生の原則的な手続の流れについても規定しています。

給与所得者等再生について定める

民事再生法には、給与所得者等再生についての規定もあります。

給与所得者等再生を利用するには、給与所得者やそれと同様に定期的な安定収入が必要ですが、このことは、民事再生法第239条1項に規定されています(給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者であって、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれるものは、この節に規定する特則の適用を受ける再生手続(以下「給与所得者等再生」という。)を行うことを求めることができる。)

そして、給与所得者等再生手続の場合には、債権者の過半数が再生計画案に同意しなかった場合であっても、再生計画案が認可されないことはありません。

このことは、給与所得者等再生手続で不認可になる要件として、特に債権者の不同意の場合が規定されていないことからわかります(第241条)。

その他、再生計画案が取り消されたり、廃止される場合などについては小規模個人再生の場合と同じです。

住宅資金特別条項(住宅ローン特則)について定める

次に、個人再生法(民事再生法)には、個人再生でよく利用されている住宅資金特別条項についても規定されています。

住宅資金特別条項とは、住宅ローン支払い中でも住宅ローンをそのまま支払続けて他の借金だけを減額出来るという特則のことです。住宅資金特別条項は、住宅ローン特則とも呼ばれていて、民事再生法の第10章に規定があります。

民事再生法第10章には、住宅ローン特則が利用出来る場合(要件)が定められています。具体的には、居住用の物件であり、居住スペースが敷地面積の半分以上でないといけません。

さらに、住宅ローン特則を利用する場合には、住宅についての競売が開始されていても、その競売手続を止めることも出来ます。このことは、競売手続の中止命令といいます(第197条)。

また、保証会社が代位弁済していた場合であっても、住宅ローン特則の利用によって、代位弁済前の状態に巻き戻すことが出来ることなども定められています(第204条)。

以上のように、個人再生を利用すると、便利な住宅ローン特則によってマイホームを守ることが出来るのも、民事再生法の中の個人再生に関する特則(個人再生法)のおかげなのです。

破産法

債務整理手続の中でも強力な効果を持つ方法として、自己破産があります。自己破産とは、裁判所に申立をして「免責」という決定をしてもらうことにより、すべての借金返済義務を0にしてもらう手続のことです。

自己破産の根拠となる破産法

自己破産は、どのような法律によって認められる手続なのでしょうか?

自己破産については、破産法という法律に規定があります。破産法では、特に企業と個人についての区別はされていません。よって、自己破産は個人でも企業でも利用することが出来るのです。

破産法では、破産手続を開始するには、債務者が支払不能状態にあることが必要であると定めています(第15条)。

そして、債権者も債務者も破産申立が出来るとされています(第18条)。このことにより、債務者が自分で破産を申し立てることを「自己破産」と言うのです。実は、破産は債権者の方からも申し立てることができることになっています。

破産が申し立てられると、破産者は費用を予納します(第22条)。また、破産手続開始決定が出ると、強制執行などが起こっている場合には、その手続を止めることが出来ます(第24条)。

破産管財人について定める

また、破産手続においては、破産管財人を選任することとなっています(第31条)。その後、破産手続開始決定についての決定内容を官報公告します(第32条)。

このように、自己破産において破産管財人が選任されたり、官報に氏名などの情報が載るのは、すべて法律によってその旨の規定があるからなのです。

破産手続開始後は、破産者は自由に引っ越しが出来なくなります(第37条)。破産法は、破産管財人の業務などについても定めています(第78条以下)。

具体的な破産管財人の業務は、破産者の財産を管理して換価して(第184条以下)、債権者に配当することです(第193条以下)。これらの破産管財人の権限も、破産法という法律によって認められたものなのです。

さらに、債権者は破産債権についての届出をして、管財人が破産債権についての調査を行い、確認された債権者に対して配当が行われることになります。

破産管財人は、破産者が財産隠しをした場合などには、その行為の効果を否認して財産を取り戻すことが出来ますが、これらの権限についても規定があります(第160条)。

また、債権者集会についての規定もあります(第135条以下)。この規定があるから、管財事件では裁判所で定期的に債権者集会が開かれて、破産者が出席しなければならないことになります。

同時廃止手続について定める

また、破産法においては、破産管財人が選任されない同時廃止事件についても定めがあります(第216条)。

破産手続では、財産がほとんどない人の場合には破産管財人を選任しない簡易な手続である同時廃止手続がとられます。これは、破産手続が開始すると同時に、その破産手続が廃止されるという手続です。

財産がないので、破産管財人を選任して財産を換価して配当するという一連の破産手続を省略しているのです。同時廃止の決定が行われると、破産手続は終結するので、後は免責についての判断を待つだけになります。免責については次の項で説明します。

免責について定める

破産法には、免責許可の申立と決定方法についても定めがあります。実は、破産法では、「破産」と「免責」は別の決定になっているのです。破産したからと言って必ずしも免責が認められるわけではありません。

破産だけしても、免責が認められなければ借金はなくならないので、自己破産する場合には破産申立だけではなく、合わせて免責申し立てをすることが必須になります。

この点、破産者が破産申立をした場合には、免責申し立てもあったものとみなすことになっています(第248条4項)。よって、特に意識しなくても、破産申立をした場合には免責許可申立も同時にしていることになります。

免責不許可事由について

免責については、「免責不許可事由」が重要な問題になります。免責不許可事由とは、その事情があると免責が認められないという事由です。免責不許可事由については、破産法に詳しく規定されています。具体的には第252条1項各号に規定があります。

まずは、債権者を害する目的で、財産を隠匿したり損壊、処分した場合などです。次に、破産手続の開始を遅延させる目的をもって、信用取引で商品を購入して不利益な条件で処分した場合、特定の債務者だけに弁済したこと、浪費又は賭博によって財産を減少させたり、借金を負った場合などにも免責不許可事由となります。

虚偽の債権者名簿を提出したり、裁判所の破産手続に協力しなかった場合、不正の手段により、破産管財人の職務を妨害したことなども免責不許可事由です。自己破産申立前7年間の間に自己破産している場合にも再度の自己破産は出来ません。

裁量免責について

ただし、裁判所は、事件全体を評価して免責を相当と認める場合には、免責決定をしても良いこととされています(第252条2項)。これを「裁量免責」と言いますが、この制度についてもきちんと破産法に規定があるのです。

このように、破産法を見ると、どのような場合に免責が認められないのかがはっきりとわかります。これらの免責不許可事由の問題が無い場合には、免責が認められて借金が0になります。

非免責債権について

ただ、免責が降りたとしても免責されない債権である「非免責債権」があります。非免責債権についても、破産法に規定があります。具体的には、破産法第253条に非免責債権の種類が規定されています。

租税等の請求権や、破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権、破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権や夫婦の扶養義務にもとづく義務(婚姻費用支払い)、子どもの養育費、使用人に対する給料など、破産者が知っていたのにあえて債権者名簿に記載しなかった請求権、刑事罰や行政罰の罰金等の請求権は非免責債権になるので、免責されません。

このように、破産法を見ると、どのような債務の場合には免責が認められないのかがわかります。

以上のように、破産法には破産手続全般についての規定がなされています。自己破産をして裁判所で審理を受ければ借金がなくなるのは、このように破産法の規定において、しっかりと破産手続の方法や内容、効果などが細かく規定されているからなのです。

まとめ

今回は、債務整理手続にかかわる法律について解説しました。

債務整理にかかわる法律は、主に特定調停法、個人再生法(民事再生法)、破産法です。グレーゾーン金利にかかわる法律として利息制限法、出資法、貸金業法があり、さらに民法も関係します。

任意整理で自由に借金返済額と返済方法を決めることが出来るのは、民法で契約自由の原則があるからです。また、そもそも借金が成立するのも、民法に消費貸借の規定があるからです。

債務整理の際に利息制限法に引き直し計算をして、借金を減額出来たり過払い金請求が出来るのは、利息制限法や出資法、貸金業法という法律がかかわっています。

特定調停は、特定調停法という法律に規定されています。特定調停法は、民事調停法の特則で、債務者と債権者との間の借金整理の目的に特化されているものです。

個人再生は、民事再生法の中の個人についての特則です。個人再生法という独立した法律はなく、民事再生法の一部に規定があります。民事再生法は複雑で費用もかかるので、個人が利用しやすいようにアレンジされています。

個人再生において、住宅ローンがあってもマイホームを守ることが出来る住宅ローン特則が利用出来るのも、民事再生法にその旨の規定があるからです。

自己破産は、破産法に規定されています。破産法は、管財事件を基調として、網羅的に破産と免責手続について規定しています。自己破産する場合には、破産だけではなく免責を認めてもらう必要がありますが、この免責についても破産法にきちんと規定されています。

免責を受けられない場合である免責不許可事由や、免責を受けても免責されない債権である非免責債権などについても規定があります。

このように、債務整理にかかわる法律を見てみると、債務整理の成り立ちや内容、効果などがよくわかります。

今何らかの債務整理手続を利用していたり、今後債務整理を利用したいと考えている人は、関心があれば、弁護士などに相談した際に法律について聞いてみると良いでしょう。

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