債務整理をすると家は?住宅ローンはどうなる?

執筆者

元弁護士ライター 福谷 陽子

家を購入する際、一度に数百万円~数千万円の多額の資金が必要になりますので、一括で現金購入する人は少なく、ほとんどの人が「住宅ローン」を組んで購入します。

借金問題を抱えている人の中には住宅ローンを組んでいるケースも多く、債務整理をして借金は解決したいけれど家は失いたくないと考える人が多いです。

では債務整理をすると住宅ローンはどうなるのでしょうか?家を失うことになるなら影響が大きくなるので心配です。

また、債務整理をすると、その後に住宅ローンを組むことは出来るのでしょうか?出来ないとしたら、どのくらいの期間が経過すれば再度住宅ローンが利用出来るようになるのかも知っておく必要があります。

債務整理による住宅ローンの影響については、各債務整理手続きの方法によって異なります。そこで以下では、債務整理の手続きごとに、住宅ローンへの影響について解説します。

任意整理した場合の住宅ローンへの影響

借金問題を抱えている場合、債務整理をすると効果的に問題を解決出来ますが、債務整理をすると住宅ローンへの影響が出る可能性があります。

まずは、任意整理をした場合の住宅ローンへの影響を確認してみましょう。任意整理とは、債権者と直接交渉することによって、借金返済額と返済方法を決め直して和解する手続きのことです。

裁判所を利用する事なく、債権者との間で任意に交渉するので任意整理と呼ばれます。

任意整理しても住宅ローンに影響しない

任意整理の場合には、対象とする債権者を自由に選ぶことが出来ます。

たとえば5社からの借入がある場合に、うち4社だけを任意整理して、残り1社は従来のまま支払を続けるということが可能です。これは、任意整理の場合には、すべての債権者を平等に取り扱わなければならないという債権者平等の原則が働かないからです。

よって、任意整理をする場合には、住宅ローンを外してそれ以外の借金だけを整理すれば、住宅ローンには何の影響も出ません。そのまま住宅ローンの支払いを続けて、家に住み続けることが出来ます。

この意味で、任意整理では住宅ローンがあっても家を守りやすいというメリットがあります。

任意整理では住宅ローン債権者を対象にしてはいけない

ただ、任意整理でも住宅ローン債権者を対象にしてしまった場合には、住宅ローン債権者が住宅ローン残金を一括請求してきて、家が「競売」にかけられます。そして、家は失ってしまうことになってしまいます。

よって、任意整理をする場合には、住宅ローンを対象にすべきではありません。借金額が多すぎるなどの理由で、住宅ローン以外の他の借金のみを整理することによって、問題を解決することが出来ないなら、他の債務整理手続きを検討する必要があります。

代位弁済や競売が起こっていると家を守れない

すでに住宅ローンを長期滞納して、保証会社が代位弁済してしまっている場合には、任意整理を利用してももはや住宅ローンの支払いを元に戻すことは出来ません。この場合、放っておくと家を失うことになります。

住宅ローンを長期滞納すると、家の競売手続きが開始されてしまいますが、任意整理をしてもこの競売手続きを止めることも出来ません。よって、この場合にも、放っておくと家を失うことになります。

これらの場合にも住宅ローンを元に戻して家を守るためには、後の3の項目で説明するように、個人再生手続きを利用する必要があります。

特定調停をした場合の住宅ローンへの影響

債務整理手続きの2つ目として、特定調停があります。

特定調停とは、簡易裁判所で調停委員会(調停委員と調停官)に間に入ってもらって、債権者と話し合いをすることにより、借金の返済額と返済方法を決め直す手続きのことです。任意整理の話し合いを簡易裁判所で調停として行うようなイメージです。

特定調停をしても住宅ローンに影響しない

特定調停を利用すると、住宅ローンには何か影響があるのでしょうか?この場合も、任意整理と状況はほとんど同じになります。

特定調停でも、調停を申し立てる相手方の債権者については、債務者が自由に選べることになります。特定調停でも、すべての債権者を平等に取り扱うべきという債権者平等の原則は働かないからです。

よって、特定調停を申し立てる際には、住宅ローン債権者を外して他の借金だけを整理すれば、住宅ローンに対する影響はありません。従来通り住宅ローンの支払を続けることによって、家を守ることが出来ます。

代位弁済や競売が起こっていると家を守れない

特定調停をしても住宅ローンに影響しませんが、特定調停の場合も任意整理と同じ問題があります。

住宅ローンを長期滞納して、既に保証会社が代位弁済してしまっている場合には、特定調停ではもはや住宅ローンを元に戻すことは出来ません。

住宅ローン滞納によって、家の競売手続きが開始されている場合も同じです。特定調停には競売手続きを止める効果はないので、このまま放置しておくと、家がなくなってしまいます。

これらのケースでは、特定調停ではもはや対処できないので、以下に説明する個人再生手続きによって対処する必要があります。

個人再生した場合の住宅ローンへの影響

個人再生をした場合の住宅ローンへの影響はどのようなものになるのでしょうか?

個人再生とは、裁判所に申立をすることによって、借金返済金額を大幅に減額できる手続きのことです。個人再生は、「住宅ローン特則」があり、これを利用すれば住宅ローンがあっても家を守ることが出来る点でも有名です。

このような個人再生手続きによる住宅ローンへの影響について、以下で詳しく見てみましょう。

原則的な場合

個人再生を利用すると住宅ローンがあっても住宅を守ることが出来るケースがありますが、原則的な個人再生手続きにはそのような機能はありません。

個人再生では、すべての債権者を平等に扱わないといけないという債権者平等の原則が働きます。よって、個人再生を利用する場合には、一部の債権者のみに対して支払をすることは認められません。

よって、住宅ローンがある場合にも、基本的に住宅ローン債権者だけを特別扱いして支払を続けることは出来ないことになります。

住宅ローンの支払いをしない場合、当然住宅ローン債権者はそのまま放っておいてはくれません。保証会社が代位弁済をして、債務者に対して住宅ローンの残金の一括請求をしてきます。そして、住宅について競売手続きを申し立ててしまいます。

すると、裁判所で競売手続きが進んで、最終的には競落人が住宅の新たな所有者となり、債務者は家を失うことになってしまいます。これが、住宅ローンを債務整理した場合の原則的なケースです。

個人再生でも、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用しないでそのまま申立手続きを進めた場合には、これと同じ結果になって債務者は家を失うことになります。

よく、「個人再生では住宅ローンがあっても家を守れる」と言うので、個人再生を利用すると当然のように住宅ローンがあっても家を守れると思い込んでいる人がいますが、それはあくまで個人再生の住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用した場合の特別なケースです。

個人再生の原則としては、住宅ローンも同じように扱われて家を失うことになってしまう事を覚えておく必要があります。

たとえば、住宅ローンがあるのにそのことを弁護士に伝えないで個人再生手続きを申し立ててしまうと、弁護士が住宅資金特別条項をつけずに個人再生の申立をしてしまう可能性があります。すると、最悪の場合、住宅ローンも対象になって、家を失ってしまうおそれもあります。

よって、個人再生を弁護士に依頼する場合、住宅ローンがあるならきちんとその事実を説明して住宅資金特別条項をつけてもらう必要があります。

住宅資金特別条項を利用した場合

個人再生では、原則としては住宅ローンも減額の対象になるので、そのまま申立をすると、住宅ローン債権者が抵当権を実行して、家が競売にかかって家がなくなることになります。

このような結果を避けて家を守るため、個人再生手続きには「住宅資金特別条項」いう特則が設けられています。これは、一般的に住宅ローン特則などとも呼ばれています。

住宅資金特別条項を利用すると、債権者平等の原則があっても、住宅ローン債権者にだけはそのまま住宅ローンの支払いを続けることが出来ます。住宅ローンの支払は続けながら、他の借金だけを減額することが出来るのです。

このことによって、住宅ローンには債務整理の影響を与えることなく、家を守ることが出来ます。住宅ローンの支払いが継続されるので、住宅ローン債権者側にしても競売を申し立てる必要などがないからです。

よって、個人再生の中でも「住宅資金特別条項をつけた場合」に限って、住宅ローンがあっても家を守ることが出来るのです。

代位弁済が起こっていても家を守れる(住宅ローンの巻き戻し)

住宅資金特別条項を利用すると、単に住宅ローンの支払が継続出来て家が守れるだけではありません。他にも大きなメリットがあります。

まず1つ目のメリットとして、住宅資金特別条項を利用すると、保証会社が代位弁済をしていても、その代位弁済をなかったことにして、元の通り住宅ローンの支払を継続することが出来るということです。

住宅ローンは、3ヶ月や半年などの長期滞納をしている場合、保証会社が代位弁済をして、そのときの住宅ローン残額を一括請求してきます。そして、その支払いが出来ない場合には、保証会社は住宅の競売を申し立てて、家が競落人のものになってしまいます。

この点、先に説明した任意整理や特定調停手続きでは、いったん代位弁済が起こってしまうと、その手続きがなかったことにすることは出来ません。元のように住宅ローンを支払っていくことは出来ないので、結局家は失われることになってしまいます。

この点、個人再生の住宅資金特別条項を利用すると、保証会社による代位弁済自体がなかったことになります。この効果のことを、「住宅ローンの巻き戻し」と言います。

住宅ローンの巻き戻しによって、元のように住宅ローンを支払っていくことによって、家を守ることが出来るのです。しかもこの場合、代位弁済が行われる以前の状態に戻るので、「団体信用生命保険」も復活するなどのメリットもあります。

団体信用生命保険は、保証会社が代位弁済をした時点で失効してしまっているのですが、住宅ローンの巻き戻しが起こると、完全に代位弁済前の状態に戻るので、団体信用生命保険も失効前の状態に戻り、その効力が復活するのです。

ただし、住宅ローンの巻き戻しが出来るのは、保証会社の代位弁済後6ヶ月以内です。保証会社が代位弁済してから6ヶ月を超過する期間が経過してしまうと、もはや住宅資金特別条項を利用しても住宅を守ることは不可能になります。

住宅ローンを滞納している場合には、早めに住宅資金特別条項付きの個人再生手続きを申し立てることが重要です。

競売が開始されていても家を守れる

個人再生では住宅を守りやすいもう一つの理由があります。

個人再生では、住宅ローンを長期滞納して既に競売手続きが開始されている場合でも、競売手続きを中止することが出来ます。

もし個人再生の住宅資金特別条項を申し立てても、競売がすでに開始していて、その手続きがどんどん進んで新たな競落人が現れてしまったら、もはや住宅資金特別条項を利用する事が出来なくなります。

そこで、個人再生を利用する場合には、競売手続きを一時中止することが認められるのです。競売を中止したい場合には、競売中止命令の申立をして、裁判所に競売中止命令を出してもらいます。

そして、裁判所で競売中止命令が出ると、執行裁判所(競売手続きをすすめている裁判所)へその旨連絡を入れて、競売手続きを中止してもらいます。ただ、競売中止命令は、競売手続きの入札日前に出してもらう必要があります。

よって、すでに競売手続きが開始されている場合に住宅を守りたい場合にも、急いで住宅資金特別条項つきの個人再生を申し立てる必要があります。

個人再生は家を守りやすい手続き

このように、個人再生の住宅資金特別条項を利用すると、単に「住宅ローンをそのまま支払って他の借金だけを減額出来る」以外にも、住宅を守るためのいろいろな方策を利用する事が出来ます。

住宅ローンの巻き戻しや競売中止の効果は、任意整理や特定調停には認められない個人再生にしかない強力な効果なので、住宅ローン支払い中の人が住宅を守りたい場合には、個人再生の利用が是非ともおすすめです。

また、個人再生では、借金の減額幅が大きいことも大きなメリットになります。

任意整理や特定調停では、住宅ローン債権者を外すことによって住宅を守ることは出来ても、利息制限法を超過した取引がない限り、他の借金を大きく減額することは難しいです。

すると、結局他の借金と住宅ローンの負担がついたままとなって、手続き後も相変わらず借金返済が苦しいという状態になりがちです。

これに対し、個人再生では、借金額が5分の1など大幅に減額されます。このことにより、住宅ローン以外の借金返済が大幅に楽になって、個人再生後は手続きの利用前よりも大きく月々の返済額が抑えられることが多いです。

以上のように、個人再生の住宅資金特別条項を利用すると、住宅ローンの支払いを続けながら借金返済を継続しやすくなります。

この意味においても、住宅ローンを抱えている場合に債務整理をする場合には、住宅資金特別条項付きの個人再生を利用する方法がおすすめです。

自己破産をした場合の住宅ローンへの影響

債務整理の方法の1つに、自己破産があります。自己破産をすると、住宅ローンにはどのような影響があるのでしょうか?

自己破産とは、裁判所に申立をして「免責」という決定をしてもらうことにより、すべての借金支払い義務を0にしてもらう手続きのことです。借金がどれだけ多額でも支払は完全に不要になります。

自己破産すると住宅は無くなる

自己破産をすると、借金はなくなりますが、その代わり目立った財産がある場合にはすべて失うことになってしまいます。

自己破産をするときも、個人再生と同様、すべての債権者を平等に取り扱わなければならないという債権者平等の原則が働きます。これにより、一部の債権者を対象に自己破産することは出来ませんし、自己破産時に一部の債権者にだけ支払を続けることも出来ません。

自己破産する場合に住宅ローン債権者だけを特別扱いすることは認められないのです。もし、一部の債権者だけに支払をした場合には、「免責不許可事由」に該当して、免責自体が受けられなくなってしまいます。

免責が受けられないと、借金返済義務がなくならないので自己破産する意味がなくなってしまいます。よって、自己破産する場合に住宅ローンがあると、必ず家はなくなります。

この場合、家が任意売却や競売によって換価されて、その売却金は住宅ローン債権者に支払われることになります。そして、住宅は新たな所有者のものになるので、債務者の手元からは失われます。

自己破産した場合の連帯保証人への影響

住宅ローンを設定する場合、連帯保証人をつけることが多いです。たとえば、夫が住宅ローンを借りる際に妻が連帯保証人になることもよくあります。このように、住宅ローンに連帯保証人がついている場合に自己破産をすると、連帯保証人はどうなるのでしょうか?

この場合、住宅ローン債権者は、連帯保証人に住宅ローンの残債務の支払い請求をしてきます。住宅を売却したことによって全額住宅ローンが支払われればそれ以上連帯保証人に請求されることはありませんが、住宅を売却してもなお全額の支払いが出来ないケースも多いです。

このように、住宅ローン残額が住宅の価値を上回る状態のことを、オーバーローン状態と言います。オーバーローン状態で、住宅を売却しても残債務が残る場合には、連帯保証人はその残債務を全額支払わないといけません。

しかも、この場合、住宅ローン債権者(保証会社)は、残ローンについての一括請求をしてきます。そして、通常利息よりも相当高額な遅延損害金が加算されてしまいます。

連帯保証人は、これらの支払を拒絶することは出来ません。保証会社との間で分割払いなどの話し合いが出来ればその合意内容に従って支払っていけば良いですが、そのような対処が不可能な場合には、連帯保証人自身も自己破産などの債務整理手続きをとらないといけないことになってしまいます。

もし連帯保証人が支払をしないと、住宅ローン債権者(保証会社)から裁判を起こされて、連帯保証人自身の財産を差し押さえられるおそれなどもあります。

以上のように、連帯保証人つきの住宅ローンがある場合に自己破産をすると、連帯保証人には多大な迷惑をかけることになるので注意が必要です。連帯保証人とは、自己破産を申し立てる前に対応についてしっかり話し合っておく必要があります。

住宅ローンがあると管財事件になりやすい

住宅ローンがある場合に自己破産をすると、自己破産の手続き進行にも影響があります。

すなわち、住宅ローンがある場合(住宅がまだ売却されていない場合)に自己破産をすると、「管財事件」になりやすくなります。

自己破産には、2種類の手続きがあります。1種類目は、財産がほとんどない人のための「同時廃止手続き」で、もう1つは財産がある程度ある人のための「管財手続き」です。

不動産がある債務者の場合には、原則的に管財手続きになります。不動産の価値の方が住宅ローン残債よりも下回っていてオーバーローン状態であっても、不動産を所有しているというだけで管財事件になってしまいます。

管財事件になると、債務者にとって負担が大きいです。具体的には、最低限の予納金として20万円の費用が必要になりますし、弁護士費用も高額になることが多いです。何度も裁判所に出頭しなければならず、手間も時間も同時廃止の場合より多くかかります。

このように、住宅ローン支払い中の不動産がある場合には、自己破産で管財事件になりやすいことに注意が必要です。

ただし、オーバーローン状態の程度が大きい場合には、不動産があっても例外的に同時廃止手続きが認められるケースもあります。具体的には、残ローンの金額が住宅の価値の1.5倍以上になっているケースでは、同時廃止を認める運用をしている裁判所が多いです。

参考:自己破産の「同時廃止」と「管財事件」の違い

債務整理後の住宅ローン借り入れについて

住宅ローンがある場合に債務整理をすると、住宅ローンにはいろいろな影響があります。住宅を守ることが出来る債務整理手続きもありますが、守ることが出来ない債務整理手続きもあります。

では、債務整理をした後、新たに住宅ローンを借りることは出来るのでしょうか?債務整理によって、手続き後の住宅ローン借り入れにどのような影響があるのかが知りたいところです。

以下では、債務整理後の住宅ローン借り入れに対する影響を確認しましょう。

債務整理後はブラックリスト状態になる

そもそも、債務整理をした後住宅ローンを利用出来るのでしょうか?

債務整理をすると、どの手続きを利用した場合であっても、信用情報期機関に事故情報(異動情報、ネガティブ情報とも言います)が記録されてしまいます。

信用情報機関とは、個人のローンやクレジットなどの借り入れに関する個人情報を管理している情報機関のことです。指定情報期間として、「CIC」と「JICC」、「全国銀行協会」の3種類があります。

銀行などの金融機関や消費者金融などの貸金業者は、ローン審査をする場合に、この信用情報機関の個人信用情報を参照します。そして、その際に問題のある記録があると、ローンを通しません。

債務整理手続きをすると、個人情報に事故情報が記録されるので、ローン審査の際に債務整理したことが判明してしまいます。すると、結局ローン審査に落ちてしまうという結果になります。

このように、債務整理をすると、基本的にローンやクレジットカードなどの審査に通ることが出来なくなるので、これらの利用は出来なくなります。自分名義で銀行ローンを組むことも出来ませんし、クレジットカードを発行することも出来ません。

今使っているクレジットカードもいずれ与信審査が行われて止められてしまいます。このようにローンやクレジットカードを利用出来なくなった状態のことを、俗に「ブラックリスト状態」と言っています。

ブラックリスト状態というのは、実際に何らかのリストがあるのではなく、個人信用情報に事故情報が記録されて、ローン審査に通らなくなってしまった状態です。

債務整理後は住宅ローンを利用出来ない

債務整理をすると、ブラックリスト状態になるので、住宅ローンを利用する事は出来なくなります。どのような銀行や金融機関に住宅ローンの申込みをしても、住宅ローン審査には通らなくなります。よって、債務整理後は住宅ローンの利用は出来なくなります。

他者が住宅ローンを借りる場合の連帯保証人になることも出来ません。民間の銀行や信用金庫、労働金庫だけではなく、政府系金融機関や住宅金融支援機構の住宅ローンも利用する事は出来ません。

以上のように、債務整理をすると、ブラックリスト状態になって、基本的に一切の住宅ローンの利用が出来なくなることに注意が必要です。

任意整理、特定調停後のブラックリスト期間

債務整理後に住宅ローンが利用出来なくなると言っても、その状態が一生続くわけではありません。債務整理による事故情報の記録は、手続き後一定期間が経つと消去されます。事故情報が消えると、また住宅ローンが利用出来るようになります。

では、債務整理後のブラックリスト期間はどのくらいなのでしょうか?

債務整理後事故情報が消去されるまでの期間は、各信用情報期間によって取り扱いが異なります。また、利用する債務整理手続きの種類によっても異なります。

まずは、任意整理や特定調停の場合を見てみましょう。

任意整理や特定調停の場合には、どの信用情報期間でも、手続き後5年間が事故情報の掲載期間となっています。よって、基本的には、手続き後5年が経過すれば再度住宅ローンを組むことが出来るようになります。

しかし、たとえば任意整理をした後には、債権者への支払が必要になります。この手続き後の債権者への支払を遅延すると、その遅延解消後に5年のカウントが開始されることもあります。遅延が度重なったケースなどでは、任意整理の完済後5年の経過が必要になってしまうケースなどもあります。

このように、任意整理などの手続きをとった場合には、手続き後の支払を遅延するとブラックリスト期間が長引くことがあるので、注意が必要です。

個人再生、自己破産後のブラックリスト期間

債務整理の中でも個人再生や自己破産を利用した場合のブラックリスト期間はどのくらいなのでしょうか?

この点については、信用情報機関によって扱いが異なります。具体的には、CICとJICCでは、手続き後5年が事故情報の保有期間になります。

CICは主にクレジットカード会社や信販会社、JICCは主に消費者金融会社が加盟していることが多いので、これらの利用については、自己破産や個人再生後5年程度が経過すればまた可能になることが多いです。

ところが、全国銀行協会については、自己破産や個人再生の場合には、手続き後10年が事故情報保有期間になります。全国銀行協会は、全国の銀行や信用金庫などの金融機関が多く加盟しています。よって、住宅ローンを借りる借入先の多くは全国銀行協会に加盟していることになるのです。

すると、結果的に、自己破産や個人再生をすると、手続き後10年間は住宅ローンを利用することが難しいということになってしまいます。

以上のように、自己破産後住宅ローンが利用出来ない期間は、債務整理手続きによっても異なるので、注意が必要です。

ブラックリスト中に賃貸アパートを借りられるのか?

債務整理をすると住宅を失うことになります。また、債務整理後は住宅ローンを組むことが出来ません。

そこで、債務整理で住宅を失った場合には、アパートなどの賃貸契約をすることが必要になります。ところが、債務整理をするとブラックリスト状態になってしまいます。

債務整理によってブラックリスト状態になっていても賃貸アパートの契約をすることは出来るのでしょうか?

この点、ブラックリスト状態でも賃貸住宅の契約自体は問題なく出来ます。ブラックリスト問題は、あくまでローンやクレジットなどの借り入れに関する問題であり、賃貸住宅の契約には何の影響もありません。不動産屋が信用情報を参照することもありません。

ただし、家賃支払い方法に信販会社やクレジットカードを利用する場合には、審査にとおらないことがあります。この場合、信販会社やクレジット会社が信用情報を参照するので、その時点で事故情報が記録されていると、審査に通さないからです。

この場合、大家が信販会社などを通さずに直接払いする方法を認めてくれれば良いですが、通常は難しいでしょう。債務整理後に賃貸住宅を借りる場合には、信販会社やクレジットカードを介さず大家に賃料を直接払いするタイプの物件を選ぶことが必要になります。

ブラックリスト期間中に住宅ローンを利用する方法は?

債務整理手続きを利用すると、その後5~10年間は住宅ローンを利用出来なくなります。この間にどうしても住宅ローンを利用したい場合には、どのような方法をとることが出来るのでしょうか?

この場合、自分名義で住宅ローンを利用する事は出来ません。ただし、債務整理手続きによってブラックリスト状態になるのは自分一人です。たとえ家族であっても、他者の信用情報には影響がありません。

よって、債務整理によって自分がブラックリスト状態になり、住宅ローンが利用出来なくなっても、配偶者などの家族に収入があれば、住宅ローンを利用する事が出来ます。

たとえば夫婦共働きなどの場合には、自分が自己破産をしてブラックリストになっているなら、妻名義で住宅ローンを申請すれば良いのです。

妻が収入や勤続年数などの住宅ローンの条件を満たしていたら、住宅ローン審査が下りて住宅ローン借り入れをすることが出来ます。同じように、父親名義で住宅ローン申込みをしてもらう方法などもあります。

以上のように、自分がブラックリスト状態になって住宅ローン借入が出来なくなった場合には、家族名義で住宅ローンを申請して利用する方法が便利です。

まとめ

今回は、債務整理による住宅ローンへの影響について解説しました。

債務整理の中でも、任意整理や特定調停の場合には、住宅ローンへの影響はほとんどありません。住宅ローン債権者を外して他の借金だけを整理すれば、そのまま家に住み続けることが出来ます。これに対し、個人再生や自己破産では原則的に家はなくなります。

ただし、個人再生の住宅資金特別条項を利用すると、住宅ローンだけはそのまま支払って住宅を守ることが出来ます。さらに、個人再生の場合には住宅ローンの巻き戻し手続きも利用出来ますし、競売が開始されていてもその手続きを中止して住宅を守ることも可能です。

自己破産の場合には、住宅は必ず無くなります。その場合連帯保証人がついていると、連帯保証人が残債務の支払をしなければなりません。また、住宅ローン付きの家がある場合には、自己破産で管財事件になる可能性が高まります。

債務整理後は、ブラックリスト状態になるので、住宅ローンの利用は出来ません。債務整理後のブラックリスト期間は、任意整理と特定調停の場合には手続き後5年程度、個人再生と自己破産の場合には手続き後10年程度です。

ブラックリスト期間であっても賃貸住宅の利用は出来ます。ブラックリスト中に住宅ローンを利用したい場合には、家族名義で住宅ローンを申し込むと良いでしょう。

今回の記事を参考にして、住宅ローンがある場合や将来住宅ローンを組みたい場合でも、状況に応じて賢く債務整理しましょう。

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