債務整理にかかる期間

執筆者

元弁護士ライター 福谷 陽子

消費者金融会社や銀行カードローンなどの借金がかさんで返済が出来なくなったら、債務整理手続で解決する方法が有効です。

債務整理には、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4つの種類がありますが、債務整理をする場合、どのくらいの期間がかかるのでしょうか?それぞれの手続によってかかる期間が異なるのかも知っておきたいところです。

期間がわからないと、自分が期待していたより大幅に解決に時間がかかって思わぬ不利益を受けることもあります。

また、債務整理後に結婚などの予定がある場合にも、どのくらいで債務整理手続が終わるのかの目処を知っておくことが必要です。

そこで、今回は債務整理にかかる期間について詳しく解説します。

債務整理にかかる期間の一覧表

借金返済が出来なくなってしまったり、返済が苦しい場合には債務整理で解決出来ますが、債務整理を利用する場合には、それぞれの手続によってかかる期間が異なります。

そこで、まずは、それぞれの債務整理にかかる期間の目安を見てみましょう。

4種類の債務整理手続にかかる期間は、だいたい以下の表の通りになります。ただし、ここに書いてある期間はあくまで目安であり、個別のケースによって実際にかかる期間は異なります。

手続名 期間(目安)
任意整理 3ヶ月程度
特定調停 3~4ヶ月程度
個人再生 8ヶ月程度
自己破産 同時廃止の場合は3ヶ月程度、管財事件になると半年~1年程度

債務整理を早く終わらせたい!

借金がかさんで返済が苦しくなり、債務整理で借金問題を解決したい場合でも、その手続を早く済ませたい場合が多いです。

債務整理をしている最中は、その後どのような生活になるのかなどが不安で落ち着かないものですし、借金問題が解決していない状態が続くので、落ち着いて次のステップにすすむ気持ちにもなりにくいです。

たとえば、結婚を控えているので、早く債務整理を終わらせたい場合もあるでしょうし、今後就職しようと考えているので、それまでの間に債務整理を終わらせたい場合もあるでしょう。

家族がいる場合、家族に知られていない状態ならば、家族にバレる前に早く解決したいですし、家族に知られている場合であっても、家族にこれ以上の心配や迷惑をかけたくないので早く解決したいと思うものです。ところが、実際には債務整理には結構時間がかかることが多いです。

債務整理にかかる期間は、個別の債務整理手続によって相当異なります。債務整理には任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4種類がありますが、以下では、それぞれの手続にかかる期間を順番に見ていきましょう。

任意整理にかかる期間

任意整理にかかる期間は比較的短い

債務整理の中でも任意整理はとても利用しやすく、多くの債務者がこれによって問題解決をしている債務整理方法です。任意整理は、債権者と直接交渉をして、借金返済額と借金返済方法を決め直す手続きです。

借金返済額を決める際に、利息制限法に引き直し計算をするので、借金の金額が大幅に減額出来ることがありますし、利息制限法を超過した取引がなくても、合意後の将来利息をカットすることによって借金返済総額を減らすことが出来ます。

では任意整理手続にかかる期間は、どのくらいなのでしょうか?

任意整理手続は、債務整理手続の中でも比較的期間がかからない手続です。任意整理は、債権者と直接交渉するだけなので、裁判所を利用しません。よって、手続は簡便になります。必要書類も少ないですし、踏まなければならない面倒な手続などもありません。(参考:任意整理の必要書類

また、債権者と話し合うだけなので、双方が納得さえすればその時点で問題が解決します。極端な話、債務者が「借金を半額にしてくれたら一括払いする」と申し出て、債権者が「それでいい」と言えば、1週間で解決することも出来るのです。

債権者の対応によって期間が異なる

ただ、任意整理では、個別の債権者と交渉をしなければいけないので、それぞれの債権者の対応によって、大きくかかる期間が異なってきます。

任意整理をする場合には、まずは取引履歴を取り寄せないといけません。ここで、債権者によっては、1週間で取引履歴を送ってくるところもありますが、3ヶ月くらい経ってようやく取引履歴を送ってくるようなところもあります。この時点で、既に3ヶ月の期間の違いが発生してしまうのです。

その後の交渉過程においても、債権者の対応は相当異なります。話のわかる債権者で、交渉がスムーズに進む場合には1ヶ月もかからず交渉が成立することもありますが、強硬に厳しい支払条件を提示してきて譲らない債権者などの場合には、なかなか交渉は成立しません。その場合には、6ヶ月以上かかってしまうこともあります。

裁判になると期間が延びる

また、任意整理をする場合、裁判になる可能性があるので注意が必要です。債権者との間でどうしても話し合いが成立しない場合には、債権者から支払を求める裁判を起こされる可能性があります。その場合には、裁判期間だけでも3ヶ月程度はかかってしまうことになります。

任意整理での話し合いの期間を含めると、裁判期間をプラスすると少なくとも半年以上はかかるでしょう。過払い金請求事件の場合も同じです。

任意整理の手続中に過払い金が見つかることも多いですが、過払い金請求をする場合にも債権者との間で条件が整わず、過払い金返還請求訴訟をすることがあります。

交渉だけで解決が出来れば、だいたい3ヶ月程度で回収出来ることが多いですが、訴訟を起こすとどうしても半年以上はかかります。

このように、任意整理の解決期間と一言で言っても、その内容は個別のケースによって相当異なってきます。

任意整理にかかる期間の目安

個別の事情によっても異なりますが、任意整理での借金問題の解決期間は、目安としてはだいたい3ヶ月程度です。

債務整理の中でも任意整理を選択する場合には、だいたい3ヶ月くらいたったら目処が立ってくると考えて計画を立てると良いでしょう。

任意整理のモデルケース~Aさんの場合~

次に、任意整理のモデルケースを見てみましょう。任意整理での解決事例で、どのくらいの期間がかかるのかのイメージがしやすくなります。

150万円の借金をかかえた主婦のAさんの場合です。Aさんは、クレジットカードのショッピングやキャッシングがかさんで返済が苦しくなったので、弁護士に依頼して任意整理をしました。債権者は3社でした。

弁護士に手続を依頼すると、債権者からの督促が止まりました。その後、2社はすぐに取引履歴を出してきましたが、1社はなかなか取引履歴を出してこなかったそうです。

2社のうち1社については、話し合いがしやすかったのですぐに合意が成立して、弁護士から和解書が送られてきました。

その後、取引履歴を提出していなかった残りの1社からも取引履歴が提出されて、交渉を開始したと弁護士から聞きました。その後、1社とは和解が成立しました。ここまでの期間がだいたい3ヶ月でした。

残り1社との交渉が難航して、なかなか話し合いが出来ませんでしたが、弁護士に依頼してからだいたい4ヶ月くらい経った頃、すべての債権者と和解が出来ました。

Aさんは、もともと任意整理前には月々6万円返済していた借金が、今は月々25,000円程度に落ち着いて何とか返済を続けています。

特定調停にかかる期間

特定調停の流れと期間

次に、特定調停にかかる期間を確認しましょう。特定調停とは、簡易裁判所で調停委員を間に介して債権者と話し合い、借金返済額と返済方法を決め直す手続きです。任意整理の話し合いを裁判所でするようなイメージです。

特定調停を申し立てる場合、まずは申立書を記載して裁判所に提出します。すると、申立人に対する調査期日を経て、調停期日が開かれます。調査期日には、債務者の聞き取り調査が行われて、その結果を踏まえて調停期日が開かれます。

調停期日には、債権者も出頭して、話し合いをすすめます。そして、話し合いが成立するように調停期日をかさねていきます。通常は、2~3回程度の調停期日が開かれて、調停の成立または不成立が決まることが多いです。調停期日は、だいたい1ヶ月に1回程度開催されます。

よって、特定調停にかかる期間は、だいたい3~4ヶ月くらいになるのです。もし債務整理後に何かの予定がある場合などには、特定調停を利用すると3~4ヶ月程度で問題が解決することを前提に予定を進めると良いでしょう。

特定調停の期間が延びるケース

ただし、特定調停にかかる期間についても、その個別のケースによって差はあります。たとえば、債権者数も少なく、話のしやすい債権者ばかりで1回目の調停期日で調停が成立した場合には、手続が2ヶ月弱で終了することもあります。

しかし、これに対して債権者数も多く、中に強硬な態度の債権者がいる場合などには、何度も調停期日を重ねることになって5ヶ月以上かかることもあります。

ただ、特定調停の場合には、裁判所が間に入るので、合意が成立しないのにいつまでも手続だけを続けるということはあまりありません。よって、特定調停にかかる期間の目安は3~4ヶ月程度になるのです。

特定調停のモデルケース~Bさんの場合~

特定調停を利用するきっかけ

次に、特定調停のモデルケースによって、特定調停にかかる期間を確認してみましょう。

今度は、独身で工場作業員のBさんの事例です。Bさんは、給料が少なかったので、お金が足りないときに消費者金融などを利用して借金がかさんでしまいました。消費者金融5社からの借金が計200万円にも膨らんでしまっていました。

そこで、弁護士費用を節約するためもあって、自分で特定調停を利用して借金の整理を試みることにしました。

特定調停の申立と解決までの期間

Bさんは、まず簡易裁判所に行って特定調停の申立をしました。すると、1ヶ月くらい後に裁判所で調査期日が開かれるという連絡を受けたので、その日に裁判所に行きました。

その日は債権者は来ておらず、裁判所の担当員によって聞き取りが行われました。具体的には、どのくらいの借金があるのかや、どのようにして借金がかさんできたのか、今後どのように返済していけるのかとか、今後の収入、生活の予定などについて聞かれました。

そして、だいたいどのようにして返済をしていくかについての予定を立てました。その後、裁判所で調停期日が開かれました。調停期日には、債権者も出頭していました。そこで、先日考えておいた借金の弁済方法について、債権者にそれでよいものかどうかを打診しました。

だいたいの債権者はそれで良さそうだと言ってくれましたが、1社だけが「もっと早く返済してほしい」と言ってきて、1回目の調停では話し合いが成立しませんでした。

2回目の調停の際には、だいたいの合意が出来ていた4社については調停が成立しました。しかし、残りの1社とは決着がつきません。Bさんは、相手の言うようにもう少し月々の支払を増やすことが出来ないかと言われましたが、それでは生活が厳しくなるので断りました。話し合いは第3回に持ち越されました。

3回目の調停の際、今日話し合いが出来なかったら不成立になると言われました。Bさんは、相手の条件を受け入れようかどうか迷いましたが、結局このまま話し合いが出来なくなって借金問題が解決出来ない方が困りますので、条件に応じることにしました。

このことによって、もともとの計画よりは月々の返済額が3,000円増えてしまいましたが、何とか返済していけそうなので合意しました。Bさんの場合、すべての債権者と合意が出来るまでの間、特定調停手続に4ヶ月かかりました。

Bさんは、特定調停前月々10万円くらいあった借金返済が、現在は5万円程度に減ったので、何とか返済を続けていけるようになりました。

個人再生にかかる期間

個人再生は比較的期間が長くかかる

債務整理の中でも個人再生にはどのくらいの期間がかかるのでしょうか?個人再生は、裁判所に申立をして再生計画案を認可してもらうことによって、借金返済義務を大幅に減額してもらえる手続です。

住宅ローンがある場合には、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用することによって、マイホームを守ったまま他の借金だけを減額してもらうことも出来て非常に便利です。

ところが、個人再生は、裁判所を利用する複雑な手続きです。手続自体も非常に厳格ですし、必要書類も膨大になります。よって、かかる期間は債務整理手続の中でも長くかかります。(参考:個人再生の必要書類

個人再生の場合、申立をしてから再生計画が認可されて支払が開始するまで、だいたい8ヶ月くらいかかります。

個人再生の手続の流れと期間

個人再生の申立をしてから再生計画の認可までの間に、どのような手続が行われて、それぞれの手続にどのくらいの期間がかかるのかを見てみます。

個人再生は、複雑で専門的な手続なので、弁護士に依頼することがほとんど必須になります。よって、個人再生を利用したい場合には、まずは弁護士に手続を依頼するところから始まります。

弁護士に依頼したら、まずは必要書類を集めなければなりません。個人再生に必要な書類は膨大です。住民票、源泉徴収票、給与明細、預貯金通帳、生命保険証書など、個別の事案によっても必要書類の内容は異なってきます。

これらの書類をそろえたら、裁判所に個人再生の申立をします。ここまでの期間がだいたい弁護士に依頼後1ヶ月程度です。

申立をしたら、個人再生委員が選任される場合には個人再生委員と面談しますし、選任されなければそのまま開始決定が出ます。個人再生の申立後、債務者は月々積立金をしなければなりません。

個人再生の開始決定が出たら、債権者に対して債権調査をして、債権調査結果が出たら再生計画案を提出します。再生計画案の提出までの期間はだいたい5ヶ月程度です。

さらに、再生計画について、債権者の意見を聞く期間が設けられます。その期間が1ヶ月くらいあります。もし過半数の債権者から異議がでなければ、再生計画案は認可されます。その後1ヶ月くらいして再生計画が確定します。その翌月から支払が始まります。

このようにして、個人再生を利用する場合には、弁護士に手続を依頼してからだいたい8ヶ月くらいかかるのです。

個人再生の期間が延びるケース

ただし、個人再生においても、個別の事案によってかかる期間に差が生じます。個人再生は、裁判所を介した厳格な手続なので、適切な対応をしないと手続が進まなくなってしまいます。

たとえば個人再生の申立をしても、書類に不備があると手続開始決定すら降りません。その場合、債務者がきちんと書類をそろえて提出するまでの間、手続は停止してしまいます。

また、個人再生申し立て後は債務者は毎月積立金をする必要があります。この積立が滞った場合にも手続はストップしてしまいます。予定通りの積立が出来るまでの間、個人再生を先にすすめることが出来なくなるのです。

このように、個人再生では、債務者や当事者の対応次第で手続が延びるケースがあります。もし個人再生を早めに終わらせたい場合には、裁判所や弁護士の指示に適切に従い、何事も早めに対応することが大切です。

個人再生のモデルケース~Cさんの場合~

個人再生についてもモデルケースを見ることによって、具体的にどのような手続進行になるのかを確認しましょう。

個人再生利用のきっかけ

個人再生を利用するのは、会社員のCさんです。Cさんは妻子がいて、住宅ローンも組んでいますが、家族で旅行に行った月などにお金が足りなくなって、ついついキャッシングでお金を借りてしまいました。

その借り入れ金が膨らんで、借金返済額は月々10万円以上になり、住宅ローンを合わせると給料からの返済は厳しくなっていました。このままでは住宅ローンも支払えなくなって家がなくなりそうなので、個人再生を利用して借金問題を解決することにしたのです。

手続の依頼と解決までの期間

Cさんはまずは弁護士に相談に行って、個人再生の手続を依頼しました。すると、たくさんの書類を集めるように指示されたので、順番に収集を開始しました。住民票などは平日に妻に取りに行ってもらい、保険会社に連絡を入れて解約返戻金証明書なども取り寄せました。

家の不動産登記簿と固定資産評価証明書、査定書なども取り付けて、弁護士事務所に持っていきました。そこで、弁護士から報告書を作成するためのいろいろな聞き取りがあって、個人再生の申立を行いました。

申し立て後、個人再生の開始決定があったという連絡が弁護士からあり、今後は月々3万円の積立をするようにと言われました。そこで、Cさんは専用の通帳を作って積立を始めました。その後は、弁護士がだいたい手続をすすめてくれたので、Cさんがしなければいけないことはほとんどありませんでした。

住宅ローンはそのまま支払うようにということだったので、その他の借金の支払いは止めましたが、住宅ローンの支払いだけは続けていました。その間、弁護士が裁判所とやり取りをして、債権調査をしたりしていたようです。

あるとき、弁護士から連絡が来て、「月々の返済額が29,000円程度になりそうだが、大丈夫か」と聞かれたので、Cさんはそれで大丈夫と答えました。

その後、弁護士は再生計画案を提出したりしていたようです。そして、弁護士に依頼してから7ヶ月くらいしたときに、再生計画認可決定書という書類と、今後の弁済計画表が送られてきました。そこには、いつ、いくらの金額をどの債権者に支払うかという内容が、振込先の口座と一緒に書き込んでありました。

確かに月々の支払い額は、弁護士に聞いたように29,000円くらいになっていました。これに従って、Cさんは書類が送られてきた翌月から支払を開始しました。

今は、住宅ローンも支払いながら、落ち着いて生活をしています。もうすぐ3年の弁済期間が終わり、住宅ローン以外の借金から解放される予定です。

自己破産にかかる期間

最後に、債務整理の中でも自己破産手続を見てみましょう。自己破産にかかる期間はどのくらいなのでしょうか?

自己破産は比較的長い期間がかかる

自己破産とは、裁判所に申立をして免責決定をしてもらうことによって、借金返済義務を0にしてもらう手続のことです。裁判所を利用するので手続が専門的で複雑であり、債務整理手続の中でも比較的時間がかかる方です。

しかし、自己破産には「同時廃止」と「管財事件」という2種類があります。同時廃止とは、財産がない人のための簡単な手続であり、管財事件とは、財産がある程度ある人のための複雑な手続きのことです。

同時廃止の場合には、かかる期間は短いですが、管財事件の場合には、手続が複雑になるので相当長くなります。

以下では、同時廃止と管財手続に分けて、かかる期間を見てみましょう。

同時廃止の場合

同時廃止の基本的な手続の流れと期間

破産手続の中には同時廃止という手続があります。生活に最低限必要な財産しか無い人が破産する場合に利用されます。同時廃止事件を申し立てる際も、弁護士に依頼するのが普通です。

同時廃止も管財事件も、どちらにしても裁判所を利用した複雑で専門的な手続なので、しろうとが自分で手続をすすめるのは難しいからです。

弁護士に依頼したら、必要書類を集めるように言われます。(参考:自己破産の必要書類)その書類を集めるのにだいたい1ヶ月くらいかかるので、それを弁護士事務所に持参したら、弁護士が破産申立をしてくれます。

同時廃止事件の場合、破産者が申立をして要件がそろっていると、そのまま破産手続が開始されます。この後、債務者は1度裁判所に行って「免責審尋」という手続を受けることがあります。免責審尋では、なぜ借金をしてしまったのかとか、今後どのようなことに気をつけて生活していくつもりかなどが聞かれます。

同時廃止の場合には、免責審尋が済んだらほとんど手続は終わります。あとは、裁判所が免責の決定をするのを待つだけです。よって、同時廃止では、だいたい3ヶ月くらいの期間で手続が終了します。手続開始から3ヶ月くらいですべての借金から解放されることになるので、その後は自由に生活することが可能です。

同時廃止が長引くケース

同時廃止手続であっても、個別の事案によっては期間が長引く場合があります。それは、「免責不許可事由」がある場合です。

自己破産では、浪費やギャンブルが原因の借金がある場合など、免責不許可事由に該当して原則的に免責が受けられない可能性があります。しかし、裁判所の裁量によって免責が認められる裁量免責があります。

この裁量免責を認めるかどうかの判断のために、債務者が裁判所で審尋を受けたり、反省文を書いて提出するなどの手続がとられます。このことによって、少し手続にかかる期間が延びるのです。当然、提出を求められた書類を提出しないと、その分手続はどんどん延びてしまいますので、注意が必要です。

参考:自己破産ができない11個の「免責不許可事由」

管財事件の場合

次に、管財事件の場合を見てみましょう。

管財事件の場合にも、弁護士に依頼して必要書類を集めて、弁護士事務所に持っていくところまでは同時廃止と同じです。だいたい1ヶ月くらいかかります。もし必要書類の収集に時間がかかった場合には、これより長く、申立までの間に2ヶ月以上かかることもあります。

管財事件の場合には、破産申し立て後「破産管財人」が選任されます。破産管財人は、破産者のすべての財産を預かって、現金に換価して債権者に配当します。

このとき、簡単に現金に換えられるものばかりなら手続も早く進みますが、不動産など、換価に時間がかかるものの場合には換価作業に長い期間がかかることがあります。

この破産管財人による財産の換価業務の最中には、だいたい1ヶ月に1回くらいのペースで、裁判所で債権者集会が開かれますので、破産者はこれに出頭しなければなりません。

すべての財産を換価して債権者に配当できたら、破産手続は終了します。その後は、裁判所による免責の判断が行われます。免責が降りたら、自己破産手続の目的は達成されたことになります。すべての借金から解放されて、自由に生活することが可能になります。

管財事件の場合、すべての手続が終了するまでの期間は、少なくとも6ヶ月程度はかかることが多いです。換価作業に時間がかかった場合などには、8ヶ月や1年以上手続に時間がかかることもあります。

自己破産をする場合には、管財事件になると、大幅に手続にかかる期間が延びてしまうので、注意が必要です。

自己破産のモデルケース

自己破産についても、モデルケースによって期間をイメージしてみましょう。

同時廃止のモデルケース~Dさんの場合~

自己破産するのは、アルバイト生活のDさんです。Dさんは、アルバイトで収入が不安定なのでお金がないときに消費者金融を利用してしまい、3社から借入額が150万円になって返済が出来なくなってしまいました。

そこで、弁護士に相談に行って自己破産を依頼しました。Dさんの場合、ほとんど財産がないので同時廃止で手続ができるということでした。

弁護士に手続を依頼すると、大量の書類を用意するように言われたので、Dさんは言われたとおりに役所などに行って書類を集めました。そして、1ヶ月くらいしてから法律事務所に行って、集めた書類を弁護士に渡しました。

そのとき、報告書に記載する内容について聞き取りがあったので、それに答えて署名押印をしました。その後、裁判所に申立をしたと弁護士から報告がありました。

その後、1回裁判所に審尋のために行かなければならないというので、弁護士と一緒に裁判所に行きました。そのときは、集団で裁判官から話を聞いて、特に問題なく終わりました。

その後しばらくして、弁護士から「免責決定が出た」と連絡があり、免責許可決定書という書類が送られてきました。このことによって、借金が完全になくなったということです。

Dさんは、今は借金から完全に解放されて、新たに借り入れをすることもなく落ち着いて生活をしています。

管財事件のモデルケース~Eさんの場合~

自己破産事件の中でも、管財事件になったEさんの事例を見てみましょう。Eさんは個人事業者でしたが、事業に失敗して1,000万円以上の負債が出来てしまいました。到底返済は出来ないので、弁護士に相談して自己破産することにしました。

Eさんの場合、自宅などの不動産もあったので、同時廃止は出来ずに管財事件になると言われました。そして、弁護士に依頼した後、弁護士の指示通りにたくさんの書類を集めました。

事業に関する資料なども必要だと言われて、探すのが大変なものもあり、膨大な量になりましたが、何とか言われたとおり集めました。資料を集めるのが大変なので、約2ヶ月かかりましたが、なんとか集めて弁護士のところに持っていきました。

そこで、報告書や事業に関する報告書を作成するための聞き取りがあって、書類に署名押印して帰宅しました。その後、弁護士から、破産の申立をしたと連絡がありました。そして、破産管財人に会わないといけないから、一緒に来るように言われました。

そこで、弁護士と一緒に破産管財人の事務所に行って面談をして、今後の手続のことなどについて説明を受けました。借金がかさんだ理由などについていろいろと管財人から質問もあったので、順番に答えました。

その後は、郵便物が管財人の事務所に届くと言うことだったので、急ぎの郵便は管財人事務所に取りに行くことになりました。そして、しばらくして裁判所で債権者集会が開かれました。管財人はEさんから受け取った財産を現金に換価する作業をしているようでした。

債権者集会は1ヶ月に1回くらい開催されて、そのたびにEさんも出席しましたが、特に何かしなければならないことはありませんでした。何回か債権者集会が開催されて、ようやく不動産も売却できたので、これで債権者集会は終わりだと言われました。破産手続は終結するので、その後免責決定が行われるということでした。

そして、しばらくすると、依頼していた弁護士から「免責許可決定が降りた」と連絡があり、免責許可決定書という書類が送られてきました。このことによって、Eさんの借金は完全になくなりました。ここまでの期間が、だいたい8ヶ月程度かかりました。

Eさんの場合、不動産の売却に少し時間がかかったのだと言われました。Eさんは、今は借金が無くなって、タクシー運転手をしながら落ち着いて生活をしています。

まとめ

今回は、それぞれの債務整理手続にかかる期間について解説しました。

債務整理の中でも任意整理は、比較的時間のかからない手続です。債権者との合意が出来れば良いだけなので、だいたい3ヶ月程度の期間で手続が終わります。ただし、債権者の対応が遅かったり、対応が悪かったりした場合には、さらに手続が延びることがあります。

また、話し合いによる決着がつかずに裁判になった場合には、さらに手続が延びます。このことは、過払い金請求をする場合でも同じです。

特定調停の場合、任意整理よりは手続に手間がかかりますが、期間はそれほど長くかかりません。特定調停の申立をしてから数回調停期日が開催されますが、だいたい3~4ヶ月程度で手続が終了します。ただし、強硬な態度をとって話し合いが難しい債権者などがいると、それよりも手続が延びることもあります。

個人再生は、裁判所を利用した複雑で専門的な手続です。よって、債務整理の中でもかかる期間は長いです。具体的には、弁護士に依頼してからだいたい8ヶ月程度はかかります。個人再生の場合には、裁判所の指示に適切に従わないと、さらにその期間が延びる可能性があります。

自己破産も裁判所を利用した複雑で専門的な手続です。ただ、自己破産には同時廃止と管財事件の2種類があり、それぞれによってかかる期間が全く異なります。簡易な手続である同時廃止の場合にはだいたい3~4ヶ月で終了しますし、管財事件の場合には6ヶ月~1年以上かかることもあります。

債務整理を利用する場合、急いでいて早く解決したいことも多いです。これらの債務整理手続にかかる期間を正しく知った上で、自分に合った適切な手続を選択することが重要です。

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