債務整理後の生活で気を付けるべき3つのこと

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執筆者

佐藤元宣FP事務所

FP 佐藤 元宣

多くの貸金業者からお金を借りていた多重債務者の方にとって、弁護士や司法書士に債務整理を依頼することは、新たな人生のスタートラインに立つことと同じだと思います。

それは、毎月の借金の返済に追われることがなく、いくら返しても借金がまったく減らないといった現実から解放されるためです。しかしながら、実際に債務整理を行った後の生活で気を付けておかなければならないこともいくつかあります。

そこで本記事では、債務整理後におかれる状況や生活再建において気を付けるべきことを3つ詳しく紹介していきます。

気を付けること1:債務整理後はお金が借りられない

貸金業者であったとしても銀行であったとしてもお金の貸し借りは「信用取引」と呼ばれ、お互いの信用で成り立つものです。債務整理をするということは、そもそもこの信用に傷を付けてしまい相手方に迷惑をかけてしまったことに何ら変わりはありません。

つまり、信用がない人にお金を貸すことは、後に他の人にも迷惑をかけてしまう恐れがあることから、防止策として「信用情報機関」と呼ばれる組織が、その信用情報を管理しています。信用情報機関とは、具体的に「株式会社日本信用情報機構」「株式会社CIC」「全国銀行協会センター」といった3つの信用情報機関があり、それぞれの信用情報は3つの組織で「共有」しているため、いくら嘘をついてお金を借りようとしても絶対にお金を借りることはできません。

また、嘘をついてお金を借りようとすることは、相手の印象を悪くするだけでなく、場合によっては「詐欺罪」などに問われる可能性も否めません。また、債務整理後は、多くの人が一度は耳にしたことがある「ブラックリスト」に載ることになります。

よく聞くブラックリストとはどのようなものなのか

ブラックリストとは、前述した3つの信用情報機関が個人の信用に関する情報を収集作成している名簿の俗称をいいます。要は、お金の貸し借りや支払いに対して信用できないだめな人が掲載されている一覧と説明するとイメージがわきやすいのかもしれません。ブラックリストに掲載される情報は以下の通りです。

ブラックリストに掲載される内容

情報 内容
申込情報 氏名、住所、生年月日、電話番号、勤務先の名称など、本人確認書類の記号番号など
取引情報 契約年月日、貸付金額、貸付残高、完済日など
事故情報 破産、民事再生の申し立て、弁護士や司法書士による債務整理の開始、返済の延滞など

上記3つの情報が、先に解説した3つの信用情報機関の間で共有されているため、絶対に借金に関する情報を隠すことはできません。ところでこのブラックリストに掲載されるには、いくつかの条件があるのですが、どのような内容なのか気になりませんか?

次項では、ブラックリストに掲載される条件について解説していきます。

ブラックリストに掲載される条件

ブラックリストは、お金の貸し借りや支払いについて約束を守れない人が掲載される名簿ですが、そもそもこの名簿に名前が載るには一例として以下のようなことがあった場合が挙げられます。

  • 弁護士や司法書士による債務整理が行われた場合
  • 住宅ローンなど、保証会社が債務者に代わって代位弁済(代わりに返済)した場合
  • 破産民事再生特定調停の申し立てがされた場合
  • 一定期間、債務を「延滞」した場合 

一定期間、債務を「延滞」した場合とは、信用情報機関によって期間が異なりますが「61日以上または3ヶ月以上」に渡って、代金を支払わなかったり、ローンを返済しなかった場合などが該当します。

たとえば、クレジットカードで買い物をした代金の引き落としや住宅ローンの返済の引き落としなど、うっかり銀行口座へ入金し忘れてしまう人もおりますが、このような「うっかり」忘れてしまった場合は延滞に含まれません。

しかしながら、61日以上や3ヶ月以上については、さすがに「うっかり忘れてました」では済まされないと考えるのが世間一般の常識として捉えていると思われます。

これらは一般に「金融事故」や「事故情報」といい、金融機関や業者などから信用情報機関へ連絡がされることによって、その情報はブラックリストに掲載されることになります。

「社内ブラック」という言葉がある

ここまでブラックリストについて解説してきましたが、ブラックリストには、実は「社内ブラック」と呼ばれる記録もあります。この社内ブラックとは、貸金業者がそれぞれで保存している顧客管理データのことをいいます。

たとえば、債務整理は「自己破産」「特定調停」「個人再生」「任意整理」と大きく4つに分けられますが、これらを弁護士や司法書士に依頼して行った場合、専門家が行ったいずれかの債務整理内容によって、信用情報機関に5年から10年の履歴が残ることになっています。

ただしこれは信用情報機関の中のことであって、実際にお金を貸した貸金業者としては、また5年後から10年後に同じ人から、同じような目にあわせられたらかなわないと考えるのが一般的です。

そこで債務整理をした顧客管理データを作成し対応策を取っているのが、この社内ブラックと呼ばれるものになります。

社内ブラックに情報が記載されている場合、仮に信用情報機関に履歴がなかったとしても、再びその貸金業者からお金を借りることは難しくなる可能性があります。

債務整理は、生活再建という目的があることから、以後、貸金業者からお金を借りないことが望ましいと思われますが、債務整理を専門家に依頼する時は必ずどのくらいの期間、履歴が残るのか確認するようにしてください。

気を付けること2:新たにクレジットカードを作ることができない

債務整理後は、新たにクレジットカードを作ることができなくなります。クレジットカードは、「ショッピング」と「キャッシング」といった2つの利用の仕方ができますが、どちらの場合においても先に解説した「金融事故」に該当していることから、どの会社のクレジットカードも新たに契約して作ることはできません。

あまり考えにくいのですが、ショッピングなどで支払いが滞っていないクレジットカードの場合はカード会社に返却を求められることはないようですが、ほとんどの場合で、すでに持っているクレジットカードのキャッシングをフル活用していることが多いことから、結果としてクレジットカードの返却を求められる場合が多いのです。

また、クレジットカードを返却するということは、仮にクレジットカード決済にしていた各種料金の支払いをすべて切り替えなくてはなりません。

たとえば、日常の買い物はもちろん、電気、ガス、水道といった水道光熱費や生命保険料、高速道路を利用する時のETCカード、携帯電話料金やインターネット料金などが該当し、いずれにしましても不便になることは十分に予測できます。

気を付けること3:新たなローンを組むことができない

債務整理をすることで、新たなローンを組むことができなくなります。ローンは、いわば「借金」であることに変わりはありませんので「自動車ローン」や「住宅ローン」を組んで、自動車や住宅を購入することはできません。

ほとんど例はありませんが、仮に現金一括払いの場合はローンを組むわけではありませんので、どちらも購入することが可能です。

なお、自動車ローンをすでに組んでいる状態で債務整理をした場合、必ずしも自動車が没収されるわけではありません。4つの債務整理によって対応が異なると考えられますが、こちらは弁護士や司法書士といった専門家の判断に委ねるのが最も適切だと思われます。

債務整理後の素朴な疑問に回答します

ここまで債務整理後の注意点を3つ解説してきましたが、ここからは債務整理後の素朴な疑問について回答していきます。日常生活における細かな疑問ばかりですので、きっと参考になると思います。

携帯電話やインターネットを引き続き利用することはできるのか?

こちらは債務整理後でも問題なく利用することができます。ただし、口座振替やコンビニで払込票を利用した支払いなど、クレジットカードを利用しない方法で代金を支払わなければなりません。

生命保険に加入することはできるのか?

生命保険も債務整理後に加入できないといったことはありません。こちらも「月払い」や「年払い」の場合には、口座振替を利用することで問題なく加入することができます。

なお、国民健康保険についても債務整理をした後も問題なく加入できます。国民健康保険は、市区町村の税金といった位置付けがされている場合がほとんどですので、債務整理後に未納の場合は税金を滞納している扱いになりますので注意が必要です。

アパートやマンションなど一室を借りて住むことはできるのか?

債務整理後でもアパートやマンションの一室を借りて住むことは可能です。こちらも月々の家賃の支払いを口座振替などで対応することで問題なく契約ができます。

金融事故の情報は一生掲載されてしまうのか?

先に解説しましたように、債務整理は大きく「自己破産」「特定調停」「個人再生」「任意整理」と大きく4つに分けられますが、実行した債務整理によって金融事故の履歴が5年から10年に区別されます。

この期間が経過した後は、金融事故の履歴が信用情報機関から無くなる可能性が極めて高くなることから、新たにローンを組んだり、クレジットカードを作ったりすることが可能になると思われます。

ある程度の年数が経過したら、信用情報機関に金融事故等の履歴を「照会」することで、その形跡が残っているか否かを確認することができます。なお、照会には数千円程度の手数料がかかります。

金融事故は戸籍などの公的書類に掲載されるのか?

債務整理後に戸籍や住民票といった市区町村が発行する公的書類に掲載されることはありません。したがいまして、これらの書類を通じて親族や関係者に債務整理をしたという事実がばれてしまうことはありえませんので安心してください。

奨学金の申請で連帯保証人になれるのか?

奨学金は、各大学で独自の奨学金から日本学生支援機構が行う奨学金までさまざまなものがあります。債務整理後は原則として奨学金の連帯保証人になることはできません。

また、日本学生支援機構は、奨学金の返済について「3ヶ月以上滞った場合」信用情報機関へ延滞の情報を通報しています。先に解説しましたように、このような通報を受けた信用情報機関はブラックリストへ対象者の情報を登録することになります。

奨学金は教育のための必要なお金ではあるものの、あくまでも「借金」であることに変わりはないのです。名前だけで判断するのは、大変危険ですので注意が必要です。

まとめ

本記事では、債務整理後の生活で気を付けるべき3つのことを解説しました。債務整理後の素朴な疑問も合わせますと、気を付けなければならないポイントはさまざまあることが理解できたのではないでしょうか?

今回、解説した内容は、実は「日常生活に極端に大きい影響を与えているわけではない」ことに気が付くことができます。改めて振り返っていただきたいのですが、不便なのは「お金を借りることができなくなる」といったくらいで、毎月、多額のお金を返済していた辛い日々から解放される方がどんなに楽なことかをまずは考えるべきだと思います。

お金を借りることができなくなることは、原点に返ってお金の大切さを見つめなおすことができる機会でもあり、前向きに物事を考えなければならないのではないでしょうか?

同じ失敗を繰り返さないためにも新たな試練が始まったと考えたり、新たな人生を歩むことができるチャンスをもう一度与えてもらったと考えるのが良いと思います。本記事の掲載内容が、少しでも債務整理を検討している方の参考になれば幸いです。

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