債務整理後に住宅ローンは組める?審査に通らない?

監修者

元弁護士ライター 福谷 陽子

債務整理を行なうと、いわゆる「ブラックリスト状態」になるため、しばらくの間はあらゆるローンやクレジットカードを利用できなくなります。

もちろん住宅ローンもローンの一種ですから、少なくともブラック期間中は、債務整理をした本人の名義で申し込んでも審査には通りません。

ただし、ブラック情報が消えれば利用できる可能性はありますし、もし配偶者に安定した収入があるなら、配偶者名義で申し込むという方法もあります。

ここでは、債務整理をした人が住宅ローンを組めるようになる時期や、審査に通る可能性を上げるコツについてもご紹介していきます。

ブラックリスト状態の間は、どんなローンも原則組めない

債務整理には、任意整理特定調停個人再生自己破産の4つの手続きがありますが、いずれの方法を行なった場合でも「信用情報機関に事故情報が記録される」というデメリットがあります。

日本には、「CIC」「JICC(日本信用情報機構)」「KSC(全国銀行個人信用情報センター)」の3つの指定信用情報機関があり、それぞれ個人の借り入れに関する情報を管理しています。

銀行や貸金業者、クレジットカード会社などは、必ず上記いずれかの機関に加盟しており、新規申し込みがあった時に照会をかけて、信用情報をチェックしますので、事故情報が見つかった場合はまず審査に通ることは不可能です。

もしブラック期間中にどうしても家を購入する必要がある場合は、配偶者や親などの名義で申し込むという方法しかありません。

債務整理で傷がつくのは本人の信用情報だけで、家族の信用情報には影響がありませんので、配偶者や親に安定した収入があるのであれば、住宅ローンの審査に通る可能性は十分にあるからです。

それが難しい場合は、ブラック情報が消えるのを待ってから申し込むのが基本です。

ブラック情報が消えるのはいつ?

信用情報機関の事故情報は永遠に残り続けるわけではなく、どの機関でも一定期間を過ぎれば消去されます。

どの債務整理を行なった場合でも、CICでは「完済から5年」、JICCでは「手続き後5年」が目安です。

一方、KSCでは任意整理と特定調停の情報は「完済後5年」、個人再生と自己破産の情報は「手続き開始決定を受けた時点から10年」が目安となっています。

KSCは、おもに銀行や信用金庫などが加盟する信用情報機関ですので、これらの金融機関のローンを個人再生もしくは自己破産した場合が、もっともブラック期間が長いということです。

また、自己破産以外の債務整理では決められた返済を行なっていく必要がありますが、途中で一度でも返済が滞ると、事故情報の登録期間が長引く可能性があります。

早めにブラック状態を脱するためにも、約束通りに返済していくことが大切です。

確認のために、自分の信用情報を取り寄せてみる

実際にいつどの時点で事故情報が消去されるかは、それぞれの機関の判断によりますので正確に予測することはできません。

また、消去されても本人に連絡がくるわけではないため、債務整理後に住宅ローンの利用を考えている方は、申し込む前にまず自分の信用情報を取り寄せてみることをおすすめします。

信用情報機関によって開示請求の方法は異なりますが、CICとJICCでは郵送・窓口のほかにスマホやPCからの手続きが可能です。手数料は、窓口に行く場合は500円、それ以外は1,000円かかります。

一方、KSCでは郵送開示のみを受け付けています。手数料は1,000円ですが、ゆうちょ銀行発行の定額小為替証書で送る点に注意が必要です。

取り寄せた開示報告書は知識がないと内容がわかりにくいため、各機関のサイトに載っている「見方」の情報を参考にしてみてください。

もし、明らかに所定の年数が経過しているにもかかわらず事故情報が消えていない場合は、訂正の手続きをすることが可能です。訂正してほしい場合、通常は債務整理をした債権者を通して行ないます。

ブラック明けしても、すぐに住宅ローンを組めないこともある

信用情報機関から事故情報が抹消されれば、ブラックリスト状態を脱したということですから、理論的には再びローンを組めるようになります。

しかし、実際はすぐに審査に通るとは限りません。特に住宅ローンのように借入額が大きいローンの場合は、慎重に審査が行なわれますので、ブラック明けしたばかりの人が審査に通るのは難しい可能性があります。

というのも、債務整理をした人はブラック期間中、ローンやクレジットカードを一切利用できないため、その間の信用情報がまったくない状態になっているからです。

つまり、事故情報は消えたけれども良い情報も載っていないという、俗にいう「スーパーホワイト」という状態になっています。

特に最近は、携帯電話の端末代を分割払いにするだけでも信用情報に反映されますから、スーパーホワイト状態の人は「よほどの現金主義か、もしくは債務整理をしたか」のどちらかの可能性を疑われるかもしれません。

以上を踏まえますと、ブラック情報が消えてすぐに住宅ローンに申し込むのではなく、まずは審査に通りやすいと評判のクレジットカードを作って実績を積んでからにする、というのも一つの方法です。

住宅ローンの審査に通る可能性を上げるコツ

ほかにも、債務整理をした人が住宅ローンの審査に通る可能性を上げるためのコツがいくつかありますので、ご紹介していきます。

十分な頭金を用意する

一般的に、住宅ローンは頭金を多く用意しているほど審査に通りやすくなります。

そのほうが借入金額も少なくなりますし、「ある程度の自己資金がある=十分な貯蓄や収入がある」とみなされますので、信用度も高くなります。

ちなみに、借入比率(融資比率)は80%未満が望ましいとされることが多いため、できれば物件購入代金の20%は頭金として用意したいところです。

一方、頭金なしで全額を借り入れる場合は「借入比率100%」となり、審査も厳しくなります。また、金利も高くなることがありますので、住宅を購入する予定があるなら、ブラック期間中になるべく頭金を貯めておきましょう。

安定した仕事と収入を確保する

借入額が大きく、返済期間も長い住宅ローンでは、申込者の職業と収入が非常に重視されます。

もっとも審査に通りやすいといわれるのは、公務員や上場企業の正社員です。次いで、非上場の大手企業や中小企業の正社員となります。

ローンの審査においては、自営者は安定性という観点からやや評価が低くなりがちですが、医師や弁護士など専門性の高い国家資格者の場合は例外です。

もちろん、実際の年収や勤続年数なども重視されます。住宅ローンでは、返済比率(税込み年収に対する住宅ローンの年間返済額の割合)が25%以下であることが望ましいとされていますので、収入が多ければ多いほど審査には有利になります。

債務整理後に住宅ローンを組むことを考えているなら、できるかぎり安定した仕事と収入を確保したほうがいいでしょう。

そのためにもブラック期間中を漫然と過ごすのではなく、必要に応じて年収を上げるために転職やスキルアップをするなどの努力をしておきたいところです。

債務整理をした銀行は選ばない

ある銀行のローンを債務整理した場合、たとえ信用情報機関から事故情報のデータが消えたとしても、同じ銀行の住宅ローンを組むのはやはり難しくなります。

多くの銀行や貸金業者では、会社独自の顧客情報を保有しているため、一度でもその会社および同じグループの会社で債務整理をしていると、その情報はずっと残り続けることがあるからです。このことを、俗に「社内ブラック」といいます。

ちなみに最近は、系列の消費者金融やクレジットカード会社をもつ銀行が増えていますので、住宅ローンを申し込むなら、債務整理を行なった会社とはまったくつながりのない銀行を選んだほうが安心です。

まとめ

以上をまとめますと、債務整理をした人が住宅ローンを利用するためには、以下のような手順を踏むことが望ましいといえます。

  1. ブラック期間中になるべく頭金を貯め、収入を増やす努力をする
  2. 所定の年数が過ぎたら、まずは信用情報機関に開示請求を行ない、自分の信用情報を確認してみる
  3. 事故情報が消えていれば、審査に通りやすいクレジットカードを作るなどして、一定の実績を積んでおく
  4. 債務整理をした銀行や会社とは関係のない金融機関で、住宅ローンを申し込む

もちろん、実際に審査に通るかどうかは本人の属性も大きいですし、結局は銀行側が判断することですが、債務整理で負った信用情報の傷をできるかぎり回復するためにも、審査に通りやすくするための努力はぜひ怠らないようにしたいところです。

債務整理後は生活を再建しながら、いずれマイホームを手に入れることを目標に、コツコツ頭金を貯めていきましょう。

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