債務整理で使える!内容証明郵便の「書き方」と「文例」

執筆者

元弁護士ライター 福谷 陽子

債務整理手続きを利用する場合、自分で手続きを進めるケースがあります。

自分で債務整理をする場合には、債務整理の相手方である借入先の消費者金融などの業者に対して、自分で通知書類を作成しなければなりません。

このとき、「内容証明郵便」という種類の郵便を利用する方が好ましい書類があります。

そもそも内容証明郵便とはどのような種類の郵便で、内容証明郵便を利用する意味はどのようなものなのでしょうか?

また、内容証明郵便はどのような場合に利用するのが有効なのかも知っておきたいところですし、どのように書けば良いのか、その文例なども確認しておくと便利です。

今回は、債務整理に使える内容証明郵便の書き方と文例をご紹介します。

内容証明郵便とは

債務整理手続きを行う場合、内容証明郵便を利用した方が望ましい場合がありますが、そもそも内容証明郵便とはどのような種類の郵便なのでしょうか?

内容証明郵便とは、相手方に送付する書類と同じ内容の控えが、郵便局と差し出し人の手元に残るタイプの郵便です。

内容証明郵便には確定日付が入るので、いつ送付したのかもはっきり残すことができます。配達証明を利用すれば、いつ相手方に送達できたのかを明らかにすることもできます。

また、内容証明郵便は厳格に書式が決まっています。

具体的には1ページについて、縦書きの場合には20文字×26行にする必要があります。横書きの場合には26文字×20行や、13文字×40行でも可能です。すべて520文字以内です。

これ以上の文字数を書き入れると、内容証明郵便としては受け付けてもらえないので、書き直す必要が生じてきます。

また、内容証明郵便を利用する場合には、まったく同じ書類を3通用意しなければなりません。

さらに、内容証明郵便は、全国どこの郵便局でも受け付けてもらえるわけではありません。受け付ける郵便局が限られているので、利用したい場合には、事前に取り扱い郵便局を調べる必要があります。

また電子内容証明郵便と言って、インターネット上で内容証明郵便を作成して発送できるサービスもあります。これを利用すれば、わざわざ郵便局に行って内容証明郵便を発送する必要はなくなります。

内容証明郵便を利用する意味

債務整理手続きにおいて内容証明郵便を利用する意味はどのようなものなのでしょうか。内容証明郵便を利用すると、郵便局や差し出し人の手元に相手方に通知したものと同じ内容の書類が残ります。また、確定日付が入るので、いつ送ったのかも証明できるようになります。

このことによって、その日に確実に相手方にその書類を送ったことが後から証明できるようになります。 債務整理をする場合、相手方に通知書や請求書を送りますが、必要な通知や請求を確実に行ったかどうかが、後から問題になることがあります。

このような場合、内容証明郵便を利用して通知しておけば、後になって債権者から「そんな通知は受け取っていない」「請求された覚えはない」などと言われることがなくなります。

よって、債務整理手続きを行う場合、証拠を残しておいた方が良い場面では内容証明郵便による通知を行った方が好ましいのです。

「時効の援用通知」を送る場合

内容証明郵便を利用した方が良い場合を、以下で順番にご紹介します。

時効の援用とは

債務整理をする場合に内容証明郵便を利用した方が良いケースとして、「時効の援用」を行うケースがあります。

時効の援用とは、借金の時効が完成した場合に、その時効が完成した利益を受けます、という内容の意思表示のことです。

借金は、その種類によって5年~10年経つと時効によって消滅します。このとき、時効期間が経過しても、何もしなければ時効の効果を得ることはできません。時効の援用という手続きが必要になるのです。

内容証明郵便が望ましい理由

時効の援用を行う場合には、内容証明郵便が望ましいです。

時効の援用には特に形式に制限はありませんが、後に「本当に時効の援用があったか」「時効の援用がいつ行われたか」が問題になることが非常に多いからです。

内容証明郵便を利用すると、

  • 確実に時効の援用をした事実
  • 時効の援用をした日時

の2つがはっきりと証明できるようになるので、安心かつ確実です。

よって、時効の援用をする場合には、必ず内容証明郵便を利用して行いましょう。

時効の援用通知の文例

時効の援用通知を内容証明郵便で送る場合のその文例をご紹介します。

この場合、時効を主張する債権の特定と、その債権の時効を援用するという2点が書けていれば、基本的に足ります。

ただ、時効を援用した場合には、個人信用情報から事故情報を抹消してもらわなければならないので、余裕があれば、その手続きをきちんと行うように申し添えておくと良いでしょう。

具体的には以下のような文面になります。

消滅時効援用通知書

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「取引履歴開示請求」をする場合

債務整理手続きにおいて内容証明郵便を利用した方が良いケースとしては、債権者に対して取引履歴開示請求書を送る場合も該当します。以下でその理由と文例をご紹介します。

取引履歴開示請求とは

債務整理においては、取引歴開示請求書を債権者に送ることがあります。取引履歴開示請求書とは、相手方業者との契約当初から現在までに至る取引履歴の開示を相手方業者に求めるための書類です。

債務整理手続きを利用する場合には、どの債務整理手続きを利用する場合であっても、取引履歴を利息制限法に引き直し計算する必要があります。そこで、まずは取引履歴を取り寄せて、開示された取引履歴を自分で利息制限法に引き直し計算する必要があるのです。

内容証明郵便が望ましい理由

取引履歴開示請求書を送付する場合には、内容証明郵便が望ましいです。取引履歴開示をしても、すぐに対応しない業者がいるからです。もし普通郵便で開示請求書を送ったら、後になって業者から「開示請求は受けていない」などと言い訳されてしまうおそれがあります。

内容証明郵便を利用すると、確実にその日に取引履歴開示請求をしたことが証明されるので、そのような言い訳をされることはありません。

このように、相手方業者による弁解を封じて確実に取引履歴を開示してもらうために、取引履歴開示請求書を内容証明郵便で送る必要があります。

取引履歴開示請求書の文例

取引履歴開示請求書の文例を確認しましょう。

たとえば、以下のような文面が考えられます。

取引履歴開示請求

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「過払い金請求書」を送る場合

債務整理をする場合に内容証明郵便を利用した方が良いケースとして、過払い金請求書を送る場合も挙げられます。

過払い金請求書とは

過払い金請求書とは、過払い金が発生している場合に相手方業者に対して過払い金の返還を請求するための書類です。

過去に消費者金融やクレジットカードなどと利息制限法の定める上限利率を超過する高利息で取引をしていた場合には、払いすぎ利息である過払い金が発生していて、それを取り戻すことができる可能性があります。

この場合には、過払い金の金額を計算して、相手方業者に請求通知を送らなければなりません。この場合の請求書のことを、過払い金請求書と言います。

内容証明郵便が望ましい理由

過払い金請求書を送る場合には、内容証明郵便で送付することが望ましいです。

過払い金請求をする場合、まずは過払い金を請求する意思を明確にする必要があります。過払い金が発生していても、請求をしなければ自然に過払い金が返ってくることはないからです。よって、過払い金を請求した事実を残しておくことはとても重要です。

もし普通郵便などで請求をした場合には、相手方業者から請求を無視される可能性があります。その場合、「そんな請求は受けていない」などと言い訳される可能性もあります。

ここで、内容証明郵便を利用して過払い金請求書を送っていると、その日に確実にその内容で過払い金請求をしたことが証明されるので「請求を受けていない」などの言い訳を封じることができます。また、内容証明郵便による催告には、時効を中断してその完成を6ヶ月延ばす効力があります。

過払い金請求には時効があります。具体的には、借金完済後10年経つと消滅してしまいます。ここで、内容証明郵便で過払い金請求書を送れば、とりあえず6ヶ月間時効の完成を延ばせるので、その間に過払い金請求訴訟を起こせば、過払い金請求権を保全することが可能になります。

このような意味で、過払い金請求書は内容証明郵便で送ることが望ましいと言えます。

利息制限法引き直し計算書は別送する

過払い金請求書を内容証明郵便で発送する際、取引明細を利息制限法に引き直し計算した計算書を送る必要があります。この計算書は内容証明郵便では送れません。

内容証明郵便に同封することもできません。よって、内容証明郵便で過払い金請求書を送る場合には、取引履歴の利息制限法引き直し計算書を、普通郵便やFAXなどで別送する必要があります。

過払い金請求書の文例

最後に、過払い金請求書の文例を確認しましょう。

具体的には、以下のような文面になります。

過払い金返還請求書

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まとめ

今回は、債務整理手続きにおいて内容証明郵便を利用すべき場合とその理由、内容証明郵便の文例をご紹介しました。

内容証明郵便とは、郵便局と差し出し人の手元に、送付した文書と同じ内容の書類が残るタイプの郵便です。債務整理手続きにおいて内容証明郵便を利用すべき場合は、時効の援用を行う場合、取引履歴開示請求を行う場合、過払い金請求書を送る場合などです。

これらの場合には、確実にその日にその旨の通知や請求をした事実を証明する(証拠を残しておく)必要性が高いからです。それぞれについて文例もご紹介しましたので、ご参照ください。

今回の記事を参考にして、上手に内容証明郵便を利用して賢く借金を整理しましょう。

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