債務整理では借金の理由は問われる?

監修者

元弁護士ライター 福谷 陽子

債務整理をする場合、借金の理由は問われるのでしょうか?

結論からいいますと、任意整理特定調停個人再生の3つでは、借金の理由は一切問われません。つまりギャンブルや浪費で作った借金であっても、問題なく行なうことができます。

借金の理由が問われる債務整理は、自己破産のみです。

自己破産は借金の返済を免除してもらう手続きですので、借金の理由によっては認められないこともあります。ただしその場合も救済措置はあるため、必ずしも自己破産ができないわけではありません。

以下で詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

任意整理や個人再生では、借金の理由は問われない!

債務整理には、任意整理・特定調停・個人再生・自己破産の4つがありますが、自己破産を除く3つの手続きはいずれも借金の理由にかかわらず行なうことができます。

特に任意整理は、債権者と直接交渉することで借金を減額してもらう方法ですので、裁判所の許可も不要です。

債権者としても、個人再生や自己破産をされるよりは回収できる金額が多いため、借金の理由にかかわらず合意に応じることが一般的です。

一方、個人再生は自己破産と同じく裁判所を介して行なう手続きですので、再生計画案の認可を受けるにあたって、借金を作った事情などをまとめた書類を提出する必要があります。

しかし、個人再生では「こういう理由で作った借金はダメ」という決まりはないため、再生計画案が認められれば借金の理由にかかわらず認可は下ります。

もう一つ、簡易裁判所の仲介のもとで行なう特定調停でも、借金の理由は特に問われません。

自己破産では「免責不許可事由」にあたる可能性がある

債務整理で借金の理由が問われるのは、自己破産です。

自己破産は、裁判所に申し立てを行なって借金を免除してもらう手続きです。任意整理や個人再生では解決が難しい場合に行ないます。

ただし、借金が多ければ誰でも自己破産ができるわけではありません。「破産法」という法律の中で「免責不許可事由」というものがいくつか定められており、いずれかに該当する場合は免責が受けられない、つまり借金がそのまま残ってしまうことがあるのです。

免責不許可事由にあたる借金とは?

免責不許可事由は複数ありますが、そのうち借金の理由にかかわるのは「破産法252条4項」の部分です。

浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。

e-Gov「破産法(平成十六年六月二日法律第七十五号)第二百五十二条」より

「浪費または賭博」とありますので、パチンコ・パチスロ・競馬・競艇などのギャンブルはもちろん、高額な買い物やエステ、キャバクラ、旅行などで借金を作った場合も免責不許可事由にあたります。

また「射幸行為」とは、「偶然に得られる成功や利益を当てにした行為」のことですので、宝くじや株取引、FXなどが該当します。

上記のほかにも、財産隠しをした場合や、特定の債権者だけに返済を行なった場合、前回免責許可の決定を受けた日から7年以内に再度申し立てをした場合なども免責不許可事由にあたります。

免責不許可事由でも、「裁量免責」を受けられることがある!

「それじゃ、浪費やギャンブルで作った借金では自己破産できないんだ…」と絶望する方もいるかもしれませんが、実はそうとも限りません。

破産法252条の2項では、以下のように規定されているからです。

前項の規定にかかわらず,同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても,裁判所は,破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは,免責許可の決定をすることができる。

e-Gov「破産法(平成十六年六月二日法律第七十五号)第二百五十二条」より

つまり、免責不許可事由に該当する場合でも、さまざまな事情を考慮した上で裁判所が免責を許可できるということです。このことを「裁量免責」といいます。

実際の破産手続きでは、よほど特別な事情がない限り、免責不許可事由があっても裁量免責が認められています。

ですからギャンブルや浪費でこしらえてしまった借金であっても、自己破産できる可能性は十分にあるということです。

ただし、同じような借金で何度も自己破産の申し立てをするなど、生活を立て直す努力がみられないような場合には、さすがに裁量免責も認められにくくなります。

また、故意に財産を隠したり、自己破産をすることを分かっていて新たな借金を作ったりするなどの悪質な行為がある場合は、免責を受けられない可能性がさらに高くなります。もし自己破産が認められなければ、個人再生などの債務整理を検討しなくてはいけません。

どのような理由で作った借金であっても、1回目であればほとんどの場合は裁量免責を受けられますが、一度自己破産をした後は二度と次がないように、生活をしっかりと見直すことが大切です。

ギャンブルや浪費で作った借金は、「管財事件」になることも

免責不許可事由にあたる借金でも、裁量免責で自己破産が認められる可能性は十分にありますが、注意したいのは「管財事件になる場合がある」ということです。

自己破産には、大きく分けて「同時廃止」と「管財事件」の2つがあり、前者は財産がほとんどない人の簡易的な手続き、後者は一定以上の財産がある人のやや複雑な手続きになります。

通常、財産がない場合は同時廃止となるのですが、ギャンブルや浪費で借金を作った場合は例外的に、「免責観察型の管財事件」として扱われることがあるのです。

管財事件になると、「破産管財人」が裁判所によって選任されます。破産管財人は、申立人の財産を調べたり、必要に応じて財産を換金して債権者に分配したりするため、申立人は報酬(30万~50万円)を支払わなくてはいけません。

また免責観察型の場合、破産管財人が債務者を呼び出して生活状況を見たり、反省しているかどうかをチェックしたりします。その上で、最終的に裁判所に免責に関する意見書を出します。そこで、管財人との面談や管財人に与える印象が非常に重要となります。

特に2回目以降の申し立てや、額の大きいギャンブルや浪費があった場合は、管財事件になる可能性が高くなります。ただし、「いくら以上の借金を作れば管財事件になる」という明確な決まりがあるわけではないため、同時廃止で済むか管財事件となるかは申し立ててみないとわかりません。

参考:自己破産の「同時廃止」と「管財事件」の違い

まとめ

債務整理と借金の理由の関係についてまとめてみましょう。

  • 自己破産以外の債務整理では、借金の理由は問われない
  • 自己破産では、ギャンブルや浪費で作った借金は「免責不許可事由」にあたる
  • よほど悪質でない限り裁量免責が認められるが、管財事件になる可能性がある

任意整理や個人再生は、どのように作った借金であっても関係なく行なえますし、自己破産も1回目の申し立てであれば、裁量免責が認められる可能性が大です。

ただし2回目以降の申し立てや、よほど悪質とみなされた場合などは認可を受けられないこともあります。

ちなみに、どのような債務整理をするにしても虚偽の申告をするのはいけません。特に裁判所に申し立てを行なう個人再生と自己破産では、虚偽の申告がバレた場合、認可(免責)を受けられないリスクが跳ね上がってしまいます。

たとえギャンブルや浪費で作った借金であっても、個人再生では関係ありませんし、自己破産でも免責を受けられることがほとんどですので、借金を作った事情や財産などは正直に申告するようにしましょう。

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