債務整理における弁護士と司法書士の違い

profile_img-4

執筆者

佐藤元宣FP事務所

FP 佐藤 元宣

一般に広く知れわたっている「債務整理」ですが、単に債務整理といっても「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」と4種類に大別されることは、多くの方があまり知らないことだと思います。

これら4種類の債務整理には、それぞれに特徴があるわけですが、個々の債務者の状況によってどの債務整理が適しているのかを判断することは、専門家である弁護士や司法書士でなければ適切に行うことはできません。

そこで本記事では、これから債務整理を依頼しようと検討している方を対象に、弁護士や司法書士といった専門家へ債務整理を依頼する上でのメリット、デメリットをわかりやすく解説していきます。

弁護士に債務整理を依頼するメリットとは

弁護士は、法律の専門家であるため債務整理のような借金にかかる問題もスムーズに解決してくれます。ただし、債務整理を依頼する弁護士は誰でもよいといったことではなく、「債務整理を得意とする弁護士」であり、かつ、「債務整理の経験実績が多いこと」が第一条件です。

いわゆる「債務整理に強い弁護士」へ手続きを依頼しなければ良い解決に結びつくことは難しいのをまずもって理解しておく必要があります。

さらにここへもう1つ付け加えるのであれば、実際に債務整理をしてもらった人の感想(レビュー)があることも必要だと思います。これがあることで債務整理を弁護士へ依頼する前の大きな安心感が得られるのではないでしょうか?

これを簡単にたとえますと、初めて食事に行く店をあらかじめインターネットなどで調べてから行く心理や行動と合致しており、損をしたくない、失敗したくないといった気持ちの表れと言っても過言ではありません。

また、弁護士に債務整理を依頼することで失敗しない理由はこの他にもあります。それは「貸金業者と裁判にまで発展してしまった場合」です。仮にこのような状況になってしまった場合に最初から弁護士に依頼していることで引き続き裁判の手続きなどを依頼することが可能になります。

そもそも裁判になるということは、費用や時間が多くかかってしまうため大きな負担になってしまうことから、相談者の状況に応じた早期解決も期待できると思われます。

弁護士に債務整理を依頼するデメリットとは

弁護士へ債務整理を依頼するデメリットを「唯一」挙げるとすれば「費用が高額」なことでしょう。

この費用が高額というのは、後述する司法書士が行う債務整理に比べて全体的に費用が高いといった意味であり、すべての弁護士の費用が高いといった意味ではありません。

また、弁護士のメリットと総合的に考えた場合、はたして弁護士に依頼する債務整理の費用が高いかは人それぞれの感じ方だと思います。

たとえば「1. 弁護士に債務整理を依頼するメリットとは」で解説したように、仮に貸金業者と裁判にまで発展してしまった場合、後述する司法書士に債務整理を依頼していたとしても、代理人として対応してもらうことができません。

このような場合、再度、他の弁護士に裁判について依頼しなければならなくなるため、手間、時間、費用が多くかかることになります。このような状況では「費用が高額」といった考え方がデメリットではなくメリットへ覆ることになります。

債務整理が解決するまでにどのような過程を経るのかによってメリット、デメリットは異なると考えられるものの、弁護士へ債務整理を依頼するデメリットを「唯一」挙げたのは、貸金業者との裁判に至らなかった場合であり、あくまでも自分を確実に守ってもらうための費用と考えるとデメリットはないと言い切ってもよいのではないでしょうか?

司法書士に債務整理を依頼するメリットとは

司法書士へ債務整理を依頼するメリットは、弁護士に債務整理を依頼するよりも「費用が安い」場合が多いことが挙げられます。

前項で弁護士へ債務整理を依頼する際のデメリットを解説しましたが、司法書士に債務整理を依頼するメリットと表裏一体になっていると考えて差し支えないと思います。

債務整理を依頼する本来の目的は、抱えている借金を軽くしたり、無くしたりすることであり、お金に困っていることは明らかであることを踏まえますと、依頼する時に必要なお金を支払うことは依頼者にとって大きな負担になると考えられます。

このような状況で弁護士ではなく司法書士を選ぶという選択肢は決して間違ってはいないものの、裁判問題に発展してしまった場合のリスクをよく理解した上で選択しなければなりません。

また、司法書士に債務整理を依頼する場合は、司法書士ならば誰でもよいというわけにはいきません。これは、後述する「認定司法書士」でなければできないことになっているためです。

どの司法書士でも債務整理ができるわけではない

司法書士に債務整理を依頼するためには「認定司法書士」でなければならないことを先に解説しました。法務省では認定司法書士について以下のように定めています。

法務大臣の認定を受けた司法書士は,簡易裁判所において取り扱うことができる民事事件(訴訟の目的となる物の価額が140万円を超えない請求事件)等について,代理業務を行うことができます(簡裁訴訟代理等関係業務)。

簡裁訴訟代理等関係業務とは、簡易裁判所における

  • (1)民事訴訟手続
  • (2)訴え提起前の和解(即決和解)手続
  • (3)支払督促手続
  • (4)証拠保全手続
  • (5)民事保全手続
  • (6)民事調停手続
  • (7)少額訴訟債権執行手続
  • (8)裁判外の和解の各手続について代理する業務
  • (9)仲裁手続
  • (10)筆界特定手続について代理をする業務等

をいいます。簡裁訴訟代理等関係業務は,業務を行うのに必要な能力を有すると法務大臣が認定した司法書士に限り,行うことができるとされています

出典 法務省ホームページ 司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務の認定より引用

上記をまとめますと、認定司法書士は債務整理の依頼を引き受けるにあたり貸金業者1社につき140万円以下であれば依頼業務を取り扱うことができるといった意味になります。

この140万円以下とは、たとえば過払い金請求などにおいて現在の借金から本来の借金の金額を確定させるために再計算した結果となります。

仮に現在200万円の借金があったとし、認定司法書士によって再計算をしたところ、現在ある借金が80万円に減額になった場合、200万円から80万円を差し引いた120万円が再計算した結果となります。これは、140万円を下回っているので、認定司法書士も債務整理の対応が可能といった意味になります。

内容 弁護士 認定司法書士 司法書士
再計算結果が
140万円超の場合
× ×
再計算結果が
140万円以下の場合
×

債務整理をする人は、一般的に複数の貸金業者からの借入があり多重債務者となっていることが多いと考えられます。

この時、先に解説した再計算結果は、1社ごとに計算を行うことになるため、仮に貸金業者5社から100万円ずつの総額500万円の借金があったとしても、1社あたり140万円を超えることは絶対にありえませんので結果として認定司法書士へ債務整理の依頼をすることが可能になります。

司法書士へ債務整理を依頼するデメリットとは

本記事の冒頭で債務整理は「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」と4種類に大別されることを述べましたが、個々の債務者の状況によってどの債務整理が適しているのかを判断することは、専門家である弁護士や司法書士でなければ適切に行うことはできません。

実際問題として、多重債務者の状況を確認したところ「自己破産」や「個人再生」といった債務整理が適しているのにも関わらず、これらの依頼に関しては、依頼者の代理人になることができないといった理由から、無理に「任意整理」をさせることもトラブルになっています。

このような対応をされた場合、無駄な時間や費用がかかり、かえって弁護士へ依頼した方が安く済むといったことがあります。債務の金額にもよりますが、金額が多額な場合や大きなトラブルになりそうだと自身で予測できる場合には、司法書士よりも弁護士を選択するのが得策と言えそうです。

債務整理は弁護士と司法書士のどちらがよいのか

ここまで弁護士と司法書士に債務整理を依頼するメリットとデメリットを解説しました。債務整理の依頼、専門家の状況確認、問題解決といった流れを総合的に考えた場合に安心できるのは、やはり「弁護士」だと思います。

この理由は、債務整理の金額に制限がないことや訴訟など大きな事態に発展してしまった際にそのまま対応してもらうことができるためなどが挙げられます。

司法書士へ債務整理を依頼するデメリットでもありましたように「自己破産」や「個人再生」は弁護士でなければ代理人になることができず、司法書士へ債務整理をすることで、場合によっては二度手間になります。

また、弁護士へ債務整理を依頼することは費用が高いといったデメリットが確かにあるものの、報酬を分割で支払うことが可能な弁護士事務所もたくさんありますし、事情を話すことで分割払いの交渉に応じてもらうことも十分予測できます。

仮に過払い金が多く生じた時には、支払うべき弁護士費用に充てられることに繋がりますので、結果として多くのお金を負担しなくともよい結果になると考えられます。

参考:債務整理に強い弁護士の4つの選び方!

大量宣伝事務所は信用できるのか

テレビやラジオCMをはじめ、新聞の折り込み広告やポスティング、電車やバスの吊り広告といったように、至る所で弁護士や司法書士の債務整理広告を目にすると感じられた方も多いと思います。いわゆる大量宣伝事務所に債務整理を依頼するのは、はたして本当に大丈夫なものなのか気になりませんか?

すべての大量宣伝事務所がそうではありませんが、債務整理の依頼者側に立った対応よりも「金儲け」で手掛けている事務所も実は多い模様です。

たとえば、依頼者の同意を得ることなく事務所が勝手に貸金業者と和解してしまったり、いわゆる貸金業者に支払いすぎた過払い金だけを回収し、他の債務は対応しないなどのさまざまな問題が浮き彫りとなってきているようです。

そして、残念ながら一般の債務整理依頼者では、この悪質大量宣伝事務所を見分けるのが難しいと思われます。そこであくまでも目安ではありますが、以下、悪質大量宣伝事務所を見分ける方法を一部紹介していきます。

悪質大量宣伝事務所を見分ける方法

  • 債務整理を依頼しているのにも関わらず、過払い金だけ回収して他の債務が残っている貸金業者との交渉をしない
  • 依頼者の承諾を得ないで勝手に和解交渉をした
  • 解任する意向を伝えたのにも関わらず、契約に関する必要書類を渡さない
  • 過払い金や弁護士費用などの明細書を発行しない
  • 過払い金の入金日を教えない
  • 貸金業者との和解書の写しを渡さない
  • 直接面談しない

他にもまだまだあるのですが、ここでは一般の人でもイメージのわきやすい部分を一部紹介しました。これは、弁護士事務所、司法書士事務所の双方にあてはまりますので、どれか1つでもあてはまる場合には注意が必要でしょう。

特に「直接面談しない」は、債務整理を依頼する前にすぐに気付くことができますし、何か違和感を持った時には素直に従って別の事務所を探してみるのもよいかもしれません。仮に悪質な事務所に債務整理を依頼してしまった時には、依頼を解除することも可能です。

ただし、契約当初に支払ったお金が全額戻ってくることはなく、あくまでも契約書の内容に準じた対応がされることになります。万が一、対応に納得できない場合には弁護士会や司法書士会をはじめ、法務局などでも苦情相談を受け付けておりますので、連絡し対応してもらうことが望ましいでしょう。

まとめ

本記事では、債務整理における弁護士と司法書士の違いを解説しました。最終的には、自分の判断で債務整理を依頼する弁護士、認定司法書士を選ぶことになりますが、それぞれのメリット、デメリットを今一度、確認してから問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?

債務整理は、生活再建といった大きな目的があります。弁護士と認定司法書士のどちらを選ぶのかといった選択からすでに生活再建は始まっていることになるため、新たなスタートでつまずかないためにも、じっくりと検討することが重要です。

匿名OK・無料!借金減額シミュレーター

ws000000

街角相談所-法律-無料シュミレーターは氏名、住所などを入力しなくても利用できる「完全匿名性」の借金解決サービスです。

「いきなり弁護士事務所に電話するのは少し抵抗がある...。」という方も利用しやすくなっています。


無料シミュレートしてみる

債務整理に強い弁護士

無料相談:0120-422-009

弁護士法人サンク総合法律事務所」は月600件以上の相談実績がある債務整理に強い弁護士事務所です。

全国対応・相談無料・365日24時間対応・初期費用0円・分割払いOK・弁護士費用が払えないなどの相談も可能です。


無料相談:0120-422-009