債務整理後の新たな借り入れ(融資)は可能?

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執筆者

佐藤元宣FP事務所

FP 佐藤 元宣

債務整理は、現在抱えている借金を専門家である弁護士や司法書士が法的手段で解決する方法です。

この債務整理は、「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」と4つに分けられますが、複数の金融機関や貸金業者から借りていたお金は、これらの手続きを行うことによって借金が大幅に圧縮されたり、すべて無くなったりする効果が認められます。

とはいえ、業者との約束の下で借りたお金の返済をしっかりと行うことができなかった人が、この債務整理後の日常生活において新たなお金の借り入れは、はたして可能なのでしょうか?

本記事では、債務整理後の新たな借り入れについて詳しく解説すると共に、新たな生活再建で注意するべき点や実行するべき点についても簡単に紹介していきたいと思います。

債務整理後の新たな借り入れは可能なのか?

本記事における本質をいきなり突くことになりますが、債務整理後の新たな借り入れをすることはできません。

中には、債務整理後もお金を貸してくれるところがあると書かれているサイトなども見受けられますが、真っ当な業者であれば債務整理をした後の人に対してお金を融資することはありません。また、信用取引の代名詞と言って過言ではないクレジットカードの契約も認められることはありません。

いわゆるショッピング(代金の後払い)やキャッシング(お金の借り入れ)が利用できるクレジットカードは、債務整理後の信用力がない人に持たせてしまうことは、同じような事態を繰り返す原因となり、双方にとって大きなマイナス影響を及ぼしかねないことになります。

ただし、後述する「一定期間」が経過した後につきましては、債務整理をした人につきましても新たにお金を借入することができるようになります。

余談ではありますが、債務整理の依頼において弁護士などの専門家と契約を締結する際に、新たな借り入れをしないように求められているほか、そもそも「なぜ自分は債務整理をしたのか」「次は失敗しない」といった原点回帰をしなければならないのは言うまでもありません。

債務整理は、新たな人生のスタートであり生活再建の始まりであるはずですから、この機会に「お金を借りる」といった依存から抜けられる生活基盤を構築しなければならないと思われますがみなさまはいかがでしょう?

「一定期間」とは

前項で解説しましたように、債務整理後は信用回復するまでに「一定期間」を要する必要があります。この一定期間は、専門家である弁護士が実行した4つの債務整理の内、どれを行ったかによって違いが生じます。

債務整理の内、「任意整理」や「特定調停」を行った場合の一定期間とは「5年」にあたります。一方、「個人再生」や「自己破産」を行った場合は、5年ではなく「10年」信用回復するまで時間を要する場合があります。

債務整理後に信用取引ができなくなる理由

信用取引とは、クレジットカードのショッピングやキャッシングといった利用をはじめとした、お金の信用を担保にした取引のことをいいます。ざっくり申し上げると、お金にだらしない人や無職の人などは、信用取引に応じてもらうことができないことになります。

そして、債務整理後にこのような信用取引ができなくなる理由は、信用情報機関に債務整理を行ったという履歴が登録されてしまうためです。この履歴を「金融事故歴」と呼び、いわゆる「ブラックリストに載る」場合の典型とも言えます。

ブラックリストにつきましては、「債務整理とは切っても切り離せないブラックリストの詳細!」を合わせて読んでみることをおすすめします。

信用回復を確認するには

債務整理を行うことによって信用情報機関へ金融事故歴が付されてしまいますが、残念ながら自らが何とかして信用回復できるものではありません。あくまでも5年から10年という時間が経過するのをじっと待つしか方法はありません。

しかしこの間、自身の気持ちをどのように切り替えて、どのように持ち続けるのかによって自ずと将来に大きな開きが生じることは言うまでもありません。そこで次項では、個人信用情報が信用回復までの期間において具体的にどのようなことをすればよいのかについて紹介していきます。

専門家への相談で「お金スキル」を身に付ける

弁護士や司法書士へ債務整理を依頼することは、借りている借金が減少したり、無くなったりする効果を導き出してくれることになります。いわば債務整理は、人生の新たなスタートラインに再度立たせてもらったに過ぎません。

これから、この何も無い状態で一から生活再建を始めるにしても何をどうしたらよいのか、きっと不安を持たれる人も多いことだろうと思います。そこで、債務整理をした人が債務整理後に実行する対策方法として「行政のサービスを利用」することをおすすめします。

このサービスは、すべての行政で行われているサービスではありませんが、一部の行政では、債務整理後の生活再建サポートとしてお金の専門家であるファイナンシャルプランナーが行政との連携で債務整理後の人を対象に家計の見直しや今後の生活再建について無償サポートをするサービスがあります。

具体的には、収入と支出を確認し、将来に渡ってお金に困窮しないようにシミュレーションを行い、キャッシュフロー表といったお金の流れを示すものを作成することで、向こう5年から10年の程度のお金の流れを把握するといった作業になります。

キャッシュフロー表のイメージは、以下、日本FP協会のリンクで確認したり無料でダウンロードすることができます。

日本FP協会 便利ツール

キャッシュフロー表は、10年に限らず、20年、30年と作成することも可能ですが、債務整理後の新たな借り入れや貯蓄を重視した生活再建を考慮した場合、5年から10年程度のキャッシュフロー表の作成が妥当だと考えられます。

場合によっては、年間ベースではなく月別ベースの「月別キャッシュフロー表」を作成する方が、さらに細かな視点でお金の流れを見ることも可能になります。

月別キャッシュフロー表の方が、債務整理後の人にはより適していると思われます。お住まいの行政のサービスに無い場合は、自分で作成するのも良い方法ですが、やはりプロの専門家からのアドバイスは、債務整理後の生活再建において必要不可欠であると考えることができます。

少々の相談料を支払ってでもプロの確かなアドバイスを求めて、実行してみることを強くおすすめします。それが、結果としてお金の借り入れに依存しない自身の「お金スキル」を身に付けることにつながってくるわけです。

新たな生活再建で注意すべきこと

債務整理後の新たな生活再建で注意すべきことは、細かくあげればきりがありませんが、同サイト内で「債務整理後の生活で気を付けるべき3つのこと」と題した情報を発信、公開しております。

債務整理をこれから検討している方、債務整理後でこれから生活再建をしていかなければならない方には、一度、内容について目を通しておくことをおすすめします。

また、こちらは生活再建という目的においての余談になってしまいますが、東日本大震災や平成28年熊本地震といった、偶然起こった大災害によって被害を受けた場合、新たに借金を抱える前に、「被災者ローン減免制度」といった制度の確認が重要になります。

被災者ローン減免制度とは、大規模地震などが発生した被災地の被災者で「住宅ローン」や「事業性ローン」などを抱えた個人や個人事業主などを対象に「債務の全部」または「債務の一部」を免除する制度のことをいいます。

こちらの制度に関しましても、同サイト内で「被災者が「被災地ローン減免制度」を有効活用して生活再建する方法」と題した情報を発信、公開しておりますので、自己の予備知識としても一度、目通ししてみることを合わせておすすめします。

生活再建から5年経過後に個人信用情報を取り寄せてみる

債務整理後の5年から10年の間については、お金の借り入れが難しいことは先に解説した通りですが、たとえば、新たに自動車を購入する目的やあこがれのマイホームを購入するための生活基盤の安定は、債務整理後の生活再建のやり方次第で十分確保することが可能になります。

この時、自動車ローンや住宅ローンの融資の申し込みを金融機関へ行うことになりますが、その前に信用情報機関に対して、自身の個人信用情報をあらかじめ取り寄せてみることを忘れないようにしましょう。

この個人信用情報に債務整理をした履歴がまだ残っている場合は、いくら生活基盤が安定したといえども、融資をしてくれることは残念ながらありません。このような時は、気持ちを切り替えて、引き続き更なる生活基盤の安定と貯蓄に努めることをおすすめします。

債務整理には、「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」と4つの種類がありますが、この中で「任意整理」と「特定調停」は5年経過後、「個人再生」と「自己破産」は10年経過後を個人信用情報の取り寄せタイミングの1つの目安としておくのも良いでしょう。

どうしても個人信用情報の状況が気になる方は、どの債務整理後であったとしても、5年経過後にまずは個人信用情報を取り寄せてみることで納得できる結果につながると考えられます。

どうしても生活再建が難しい時は

債務整理後の生活再建がどうしても難しい場合も十分考えることができます。特に、事業を営んでいる個人の方の場合は、債務整理を実行することで事業のために必要な運転資金の調達や設備資金の借入にも支障が生じてしまうため、債務整理そのものを拒まなければならない理由もあるでしょう。

どうしても債務整理後の生活再建が難しい時は、「生活保護申請」を検討してみることをおすすめします。

生活保護という言葉を聞くと、マイナスのイメージや世間から外れたイメージをお持ちの方も多いと思われますが、生活保護制度は、生活に困窮した方が最低限度の生活を送るための保障制度であり、「将来の自立をサポートするための制度」であることを決して忘れてはなりません。

しかしながら、現状として生活保護受給者の多くは、この制度の目的を理解しておらず、中には生活保護費を不正に受給したり、目的とかけ離れたお金の使い方をしている方も大勢おります。

このような方のイメージが強すぎることで、生活保護制度の本来の在り方が大きくゆがんでしまっているように感じます。

とはいえ、生活保護制度の保障を受け続けながらも、生活再建のために努めることで、いずれは生活保護を受けなくとも自立できる生活が送られるようになります。「生活保護を受けてでも、またきっとやり直してみせる」という強い気持ちを持ち続けることが大切です。

まとめ

本記事では、債務整理後の新たな借り入れの可否のほか、債務整理後の生活再建について解説しました。

前項で触れた「生活保護」および「債務整理後」には共通することが実はあります。それは、これらの制度を活用した後、人は大きく二分されるということです。

たとえば、「生活保護」も「債務整理」も、他の人の力を借りて生活を立て直すことに変わりありませんが、1つは、この助けを活かして生活再建を成し遂げられる人、もう1つは、同じ過ちを繰り返してしまう人に二分されます。

生活再建に成功する人は、なぜ債務整理をするようになったのか、その過程を見つめ直し、素直に反省することができる人だと思います。一方で、同じ過ちを繰り返す人は、他人の力を借りて生活再建していることに「苦」を感じていない表れだと考えることができます。

生活保護でたとえますと、みなさんが納めた税金で生活していることに抵抗感をまったく感じていない人や、働かなくてもご飯が食べられるということに満足し、働く意欲が阻害されてしまうことなどがあてはまります。

債務整理の場合は、専門家に借金を減らしてもらえたのだから、また失敗したら依頼しようと考える人も、もしかしたらいるかもしれません。

借金の返済で本当に苦しい思いとは、今までの毎月の借金返済が苦しいということよりも、たとえば「任意整理」を実行してからの残った借金を滞りなく返済し続けていくことだと思います。そのような「苦」を経験しない人こそが、また同じことを繰り返す典型と言えます。

債務整理後の新たな借り入れをすぐにすることはできませんが、そもそも、なぜお金を借りる必要があるのか、どうしてもそのお金を借りる必要があるのか、借金に頼らず自分で何とかできないのか、など、債務整理後の機会に自問自答する習慣を身に付けるべきだと思います。

債務整理後の借入よりも債務整理後の気の持ち方について解説するような内容になってしまいましたが、本記事が債務整理後の方をはじめ、これから債務整理を検討している人の今後の参考になってもらえれば幸いです。

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