葬儀後に借金が発覚!遺族がとるべき必須の手続き

執筆者

井上通夫行政書士法務事務所

行政書士 井上 通夫

葬儀が終わった後、亡くなった人に多額の借金があった場合、残された家族は驚くことが予想されます。

いくら家族でも、生前に借金があるかどうかを尋ねることは、気がひけますから、亡くなった後で借金の存在を知ることは、少なくないはずです。

そのようとき、残された家族はどうしたらいいのでしょうか?

相続と借金

人が亡くなると、その人が残した財産を残された家族が引き継ぐことになります。これを「相続」と言います。この「相続」についての規則、ルールは、「民法」という法律で、細かく規定されています。

この「民法」では、残された家族の構成によって、誰がどのくらいの割合で引き継ぐか書かれています。

このように、法律で決められた相続人を「法定相続人」と言います。

例えば、夫が亡くなり、その妻と子どもが残されたとします。この場合、配偶者である妻と子どもが「法定相続人」となり、それぞれ財産の「2分の1ずつ」を引き継ぎます。これを「法定相続分」と言います。

ただし、子どもが2人以上いる場合には、財産の2分の1を同じ割合で分けなければなりません。

ですから、子どもが3人いる場合には、2分の1をさらに「3分の1ずつ」に分けることになります。つまり、妻が財産の2分の1、3人の子どもが財産の6分の1ずつを引き継ぐということです。

「財産」と聞くと、すぐに預金や貯金、家や土地などの不動産を思い浮かべる人が多いと思います。

ただ財産には、預貯金などの「プラスの財産」の他に、「マイナスの財産」があることを忘れてはいけません。

つまり相続人は、プラス、マイナス全ての財産を受け継がなければなりません。相続においてはプラスの財産だけということはできません。

1.相続人の協議

被相続人(財産を残した人)が亡くなった後、被相続人が残した財産について、全相続人で話し合う必要があります。これを「遺産分割協議」と言います。しかし、この協議の前にやるべきことが2つあります。

まず1つ目は、「遺言書」の有無の確認です。被相続人が作成した遺言書があるのかどうか、確かめる必要があります。遺言書には、主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があります。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、自筆で遺言を書く方法です。ある程度の知識があれば、誰にも相談することなく、自分で秘密裏に書くことができます。

ただし、この自筆証書遺言の形式や要件は民法で詳細に規定されていますから、仮に一つでもその形式や要件を満たしていなければ、全て無効になってしまいます。手軽で誰にも秘密で書くことができる代わりに、厳しい形式、要件が求められるのです。

公正証書遺言

公正証書遺言は、遺言を残したい人が、公証役場に出かけ、公証人に遺言内容を伝え、その内容を公証人が「公正証書」して残すものです。

公証人という「法律のプロ」が作成するものですから、証拠になり、法律的にも不備はありません。

自筆証書遺言に比べて、費用はかかりますが、自筆証書遺言のように不備があった場合に無効になる恐れもありません。ただし、

自筆証書遺言と違って、作成の際には公証人以外に2人の立会人が必要になってきます。従って、他人に秘密にして作成することは難しくなります。

被相続人が亡くなった後、このような遺言書が残されていないかを先ず確認する必要があります。

もし、遺産分割協議が終わり、相続手続きが完了した後に、遺言書が見つかった場合、再度協議をやり直さなければなりません。

ですから、相続人や家族の誰かが遺言書の存在を知らないか、あるいは、家のどこかに保存されていないかなど、徹底して探す必要があります。

2.残した全財産のピックアップ

その後、相続人がやることは、被相続人が残した全財産をピックアップすることです。

被相続人名義の預金、貯金はもちろん、家や土地などの不動産、あるいは骨董品なども含まれます。全相続人と協議しやすいように、「相続財産一覧表」として、まとめた方が良いでしょう。

その後、相続人全員が集まって、遺産分割の話し合いを行います。もし、遺言書があれば、その分割方法に則った内容で行います。ただし、遺言書はあるからといって、決してそのとおりにやる必要はありません。

例えば、遺言書に記載されていない財産がある場合には、別途全相続人で、だれが引き継ぐのか話し合う必要があります。

ただ、遺言書は、被相続人の最後に意思が書かれたものですから、残された家族、相続人は、できるだけその「遺志」を尊重することが、一般的です。

相続人の一部に過剰に相続されている、あるいは遺言書がかなり前に作成されたため、遺言者が増えた、減った等、事情が変わっていたなどの特殊な場合に、遺言書どおりに分割する必要性は少ないかもしれません。

しかし、できるだけ遺言者の遺志に則って相続することが、相続トラブルを防ぐことになります。

3.相続か放棄か?

ところで、相続人での遺産分割協議の段階で、思わぬ借金が発覚する例は少なくありません。

被相続人の財産を亡くなる前に把握できる例はほとんどないことを考えると、むしろ多いかもしれません。

先程も申し上げましたように、相続人は財産がプラスであろうとマイナスであろうと、引き継がなければなりません。

しかし、誰もが親族とは言え、他人の借金を代わりに支払うことは、納得できないことでしょう。そこで法律は3つの方法がとれるようにしています。

単純相続

まず一つ目は「単純相続」です。

これは、被相続の全ての財産、借金を全て引き継ぐ方法です。この場合、どこにも届け出る必要はなく、相続人全員で分割の方法を話し合い、手続きを進めることになります。

相続放棄

次に2つ目は「相続放棄」です。

これは、借金を含めて全部の財産を受け継がない、つまり相続権を放棄する方法です。

この場合、相続人それぞれの判断で行います。具体的には、相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に届け出を行います。

限定承認

最後に3つ目は「限定承認」です。

これは、引き継いだ財産の範囲内で被相続人の借金を引き受ける方法です。つまり借金の方が多い場合には、プラスの財産の範囲で負担すればよく、差額の支払いは免除されるということです。

この方法も、相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に届け出を行わなければなりません。

相続放棄、限定承認ともに、3ヶ月という期限を過ぎてしまうと、単純承認したと見なされますから、早急に財産を確定し、どの方法をとるか、相続人は決断しなければなりません。

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