裁判所から「支払督促」が届いた場合にすぐにやるべき2つのこと

監修者

元弁護士ライター 福谷 陽子

借りたお金を延滞していると、裁判所から「支払督促申立書」が届くことがあります。

支払督促とは、債権者(貸主)からの申し立てによって、簡易裁判所が債務者(借主)に対してお金の支払いを督促する手続きのことです。

裁判所からこのような通知が届くと、パニックになる人も多いと思いますが、この段階で財産や給与を差し押さえられることはありません。

ただし、放置してしまうと強制執行の手続きに移るため、早めに手を打つ必要があります。

ここでは、裁判所から支払い督促が届いた場合にとるべき行動についてご紹介します。

支払督促とはどんなもの?

借りたお金を延滞すると、最初は貸主から電話や手紙などで催促されますが、それでも返済しなかった場合、簡易裁判所から「支払督促申立書」が届くことがあります。

支払督促申立書とは、債権者(貸主)の申し立てによって、簡易裁判所が債務者(借主)に送付する督促状です。しかも、基本的には一括で支払うよう求められます。

訴訟と異なり、支払督促は債権者側の申し立て内容だけを審査して行なわれる上、時間や費用もあまりかからないことから、業者がよく使う法的手段の一つです。

支払督促申立書は、「特別送達」という特殊な郵便物で届きます。

債務者が個人の場合、自宅あてに送る決まりとなっているため、勤務先に送られてくることはありません(会社内に住み込んでいたり、住民票の住所として会社名が記載されていたりするケースを除く)。

また特別送達は、正当な理由なく受け取りを拒否することはできません。もし正当な理由なしで受け取りを拒んだ場合、郵便局員がその場に郵便物を差し置くことで送達が完了したとみなされますので、必ず受け取ることが大切です。

郵便局員は、送達が完了したという旨の書類(郵便送達報告書)を作成し、差出人である簡易裁判所に提出します。

支払督促を無視するとどうなるのか?

支払督促申立書を受け取ったら、早めに行動する必要があります。

というのも、申立書を受け取ってから何もせずに14日以上経つと、次の段階へと進み、今度は「仮執行宣言付き支払督促申立書」が裁判所から送られてくるからです。

これは「異議申し立てがなかったため、借金を認めたものとみなし、強制執行(仮執行)の手続きに移りますよ」という通知になります。仮執行宣言が付されると、申立人はすぐにでも強制執行の手続きをとることが可能です。

仮執行宣言付き支払督促申立書が届いた後でも、14日以内であれば債務者は異議申し立てができます(その場合、通常の民事訴訟に移行します)が、強制執行を止めることはできません。

さらにこの申立書も無視すると、法的に借金の存在が認められて、もはや異議申し立てができなくなります。ですから、支払督促申立書を受け取った時点で行動することが大切なのです。

まずは、すみやかに「異議申し立て」を行なう!

支払督促申立書が送られてくる際には、「督促異議申立書」という書類も同封されています。

もし「この借金に身に覚えがない」「金額に納得できない」「一括で支払うのは難しい」などの事情がある場合は、支払督促申立書を受け取ってから14日以内に、督促異議申し立て書を使って異議申し立てを行ないます(督促異議申立書は、裁判所の窓口にも備え付けてあります)。

この時点では、異議の理由については問われませんので、「異議あり」の旨を書いて提出するだけで問題ありません。それが受理されると、その後は民事訴訟の手続きへと移ります。

14日を過ぎてしまうと、上述の通り次のステップに進んでしまいますので、必ず14日以内に異議申し立てをすることが大切です。

異議申し立て後の流れ

異議申し立てをすると、裁判所から「訴状」「答弁書催告状」「口頭弁論期日呼び出し状」などの書類が届きます。

「訴状」とは、債権者側が訴えの内容を記して裁判所に提出したものです。借金の場合、「○○円の借金があり、△ヵ月以上支払いがないため、一括請求します」というような内容になっています。

この場合、答弁書を作成しなければなりません。「答弁書」とは、その訴えに対して債務者が希望を書くものです。たとえば「一括返済は不可能のため、月○万円の分割払いを希望します」というように記入します。

そして「口頭弁論期日呼び出し状」は、裁判所への出廷の日時について書かれたものです。「○月△日に××裁判所に来てください」と書かれているため、その日時に出廷できるようスケジュールを調整します。

どうしても事情があって行けない場合は、日時を変えてもらえないかどうか裁判所に問い合わせます。

期日に裁判所に行くと、まずは法廷に通されます。法廷には裁判官や書記官のほか、傍聴者がいることもありますが、法廷で行なわれるのは事実確認が主で、それほど時間はかかりません。

その後は別室で、債権者と訴訟上の和解に向けて話し合いが行われることが多いです。債権者側も、一括返済が難しいことはあらかじめ分かっているため、多くの場合は和解が成立します。

和解後は、裁判所書記官が和解調書を作成します。和解調書は確定判決と同じ効力を持つため、後から不服を唱えたり、和解で解決した内容を再び訴訟で争ったりすることは原則としてできません。

また和解の際は、話し合いで決めた支払いが万が一とどこおった場合に備えて、「過怠約款(かたいやっかん)」という約束事を決めることが一般的です。

たとえば分割払いで合意した場合、「2回以上返済を延滞した場合は残りを一括返済し、さらに遅延損害金もつける」などの取り決めをします。

ですから和解した後は、必ず約束通りに返済していくことが大切です。

ちなみに、これら一連の手続きはすべて自分で行なうことも可能ですが、弁護士や司法書士に依頼して代理人になってもらうこともできます。その場合、債務者本人は法廷に足を運ぶ必要はありません。

支払督促に不満がある、もしくは返済が難しい場合は弁護士に相談する!

上記は、支払督促申立書の内容に問題がなく、前向きに支払っていくパターンですが、もし「そもそも身に覚えのない借金だ」とか「金額が違う」などの問題がある場合は、その旨を記載して異議申し立てを行ない、裁判で争うことになります。

この場合は、できれば弁護士に相談するのが望ましいでしょう。

また、「督促の内容に相違はないけれども、そもそも返済するのが難しい」という場合もあると思います。このようなケースでは、むしろいいチャンスととらえて、債務整理を検討するのがおすすめです。

債務整理には、「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」といった方法があり、それぞれのケースに応じてどの方法が最適かは異なります。

この場合も、法律のプロである弁護士に相談してアドバイスをもらうのが一番です。早めに行動しないと財産を差し押さえられる可能性もあるため、まずは至急相談することをおすすめします。

たとえば自己破産などの法手続きをすれば、強制執行を受けることはありません。

支払督促の対処法まとめ

裁判所から支払督促申立書が来た場合は、いずれにしても早めに行動することが大切です。

分割で支払っていけそうな場合は異議申し立てを行ない、裁判所に出廷して訴訟上の和解に向けた協議をします。出廷が難しい場合は、弁護士や司法書士を代理人として立てることも可能です。

一方、返済ができそうにない場合、もしくは支払督促の内容に納得できない場合などは、弁護士に相談の上、対策を考えるようにしましょう。

架空請求業者からの支払督促にご注意!

最近は、支払督促を悪用した架空請求の事例が報告されています。

支払督促の手続きは、債務者側の意見を聞くことなく一方的な申し立てで行なわれますので、この段階ではそれが架空請求かどうか裁判所は判断できません。

届いた申立書を見て「こんな借金に身に覚えはない」と思っても、放置してしまうとそのまま仮執行の手続きに進んでしまいます。

裁判所から郵便物が届いた場合は必ず内容を確認し、不明な点があれば裁判所に問い合わせてみましょう。

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