「特定調停申立書」「関係権利者一覧表(債権者一覧表)」の書式と書き方

執筆者

元弁護士ライター 福谷 陽子

特定調停は、弁護士や司法書士などの専門家に依頼しなくても、債務者が自分で手続きしやすい債務整理方法として有名です。ただ、自分で特定調停を申し立てたいと考えても、どのような書類にどのように記入すればよいのかがわからないと、手続きを進めることが出来ません。

他の債務整理方法と比べると、比較的手続きや書類の記入方法が簡単だとは言っても、裁判所に提出する書類なので、不備があるとうまく申立ができなくなってしまうおそれがあります。書類の記入方法を正確に知っておく必要性は高いのです。

そこで今回は、特定調停の申立書類の書式と書き方について、解説します。

特定調停申立書は自分で作成できる

特定調停の申立書類は、自分でも作ることができます。

特定調停とは、簡易裁判所に申立をして、債権者との間で借金返済額と返済方法を決め直す手続きのことです。

特定調停で債権者と話し合いをする際には、間に裁判所の調停委員が介在してくれるので、債権者と直接交渉する必要がありませんので、借金返済中の債務者でも自分で特定調停を利用して借金問題が解決しやすいです。

また、特定調停は、自己破産個人再生のような他の債務整理手続きのように、難しくて複雑な手続きや書類は不要です。

このように、特定調停は自分ですすめやすい手続であることから、特定調停申立書類の書き方なども、素人の債務者でも少し勉強すれば、充分に対応出来るレベルのものとなっています。

特定調停の申立書類の種類

特定調停の申立をする場合には、いくつかの種類の書類が必要になります。具体的にその内容を説明します。

特定調停申立書とは

1つ目が、特定調停申立書です。この特定調停申立書を提出することによって、特定調停の申立ができます。収入印紙なども、この特定調停申立書に貼付することになります。特定調停申立書の書式は、「一般個人用」と「個人事業者・法人用」の2種類があります。

特定債務者の資料等とは

次に、特定債務者の資料等にも記載と提出が必要です。特定債務者の資料等とは、借金の返済が苦しくなっており、特定調停を利用して解決すべき「特定債務者であることを説明するための資料です。

特定債務者の資料等についても、「一般個人用」と「個人事業者・法人用」の2種類があります。これについても、特定調停申立書と同様、一般の個人として特定調停を利用するのか、事業経営や会社経営をしている場合なのかによって使い分けが必要です。

関係権利者一覧表(債権者一覧表)とは

最後に、関係権利者一覧表という書類も記入と提出が必要になります。関係権利者一覧表とは、債権者の氏名や連絡先、借金残額などをまとめて書き込んだ表のことです。

いわゆる債権者一覧表のことだと理解すると良いでしょう。

関係権利者一覧表には、特定調停の申立先の債権者だけではなく、すべての債権者についての記載が必要です。関係権利者一覧表は、一般個人が申立をする場合でも個人事業者や法人が特定調停の申立をする場合でも共通の書式になります。

申立書類まとめ

以上、特定調停の申立書類をまとめると、

一般個人の場合には、

  • 特定調停申立書(一般個人用)
  • 特定債務者の資料等(一般個人用)

の3つの書類への記載と提出が必要になります。

個人事業者や法人による申立の場合には、

  • 特定調停申立書(個人事業者・法人用)
  • 特定債務者の資料等(個人事業者・法人用)
  • 関係権利者一覧表(債権者一覧表)

の3つの書類への記載と提出が必要になります。

特定調停申立書類の書式取り寄せ方法

特定調停を申し立てる際には、自分が一般個人として申立をするのか、個人事業者(法人)として申立をするのかによって、適切な申立書式を入手する必要があります。実際に特定調停の申立書式や用紙を入手するには、裁判所のホームページ上からダウンロードする方法が便利です。

たとえば、東京簡易裁判所のホームページ内には、特定調停の申立書式が掲載されています。

また、近くの簡易裁判所に行って、直接申立書類をもらう方法もあります。どちらの方法でも良いので、自分にとって都合の良い方法で特定調停の申立書類を入手すると良いでしょう。

特定調停申立書類の「書き方」

特定調停の申立書類を入手したら、その書類に記入していかなければなりません。このときの記入方法を間違えると、特定調停の申立を受け付けてくれなかったり、書き直しが必要になって特定調停の手続きがスムーズに進まなくなるおそれがあります。

以下で、それぞれの特定調停申立書類の書き方について説明します。

特定調停申立書(一般個人用)の書き方

特定調停申立書の記入例

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まずは、特定調停申立書(一般個人用)の書き方を確認します。特定調停申立書(一般個人用)は、個人事業者ではない一般的な個人が特定調停を利用する場合の申立書です。たとえばサラリーマンや公務員、アルバイトや専業主婦などが利用する場合には、一般個人用の書式を利用します。

特定調停申立書は、債権者1件ごとに、それぞれ2部作成する必要があります。

まず、日付の欄には特定調停を申し立てる日にちを記載します。

次に、申立人の住所や氏名、生年月日、連絡先の電話番号等を記入します。そして、氏名の後に押印して提出します。このとき、スタンプ印を利用する事はできません。

送達場所とは、裁判所からの郵送物の送り先のことですが、住所と同じ場合には、住所と同じという欄にチェックを入れます。

「(契約時の氏名)」、「契約時の住所」という欄がありますが、ここには債権者と借金の契約をした時とそのときの自分の氏名や住所を書き入れます。

たとえば結婚などによって借入時とは姓が変わっている場合などには、契約時の氏名と現在の氏名が異なることもあります。

次に、相手方の欄の記入です。

ここには、特定調停の申立の相手方である債権者の情報を書き入れます。具体的には、その住所や氏名を記入します。相手方が法人の場合には、法務局で相手方会社の現在事項証明書や代表者事項証明書という書類を取り寄せて、その内容に従って記載しましょう。

さらに、「債務の種類」の欄には、該当する債務の種類にチェックを入れます。たとえば借金なら、借受金債務の欄にチェックを入れることになります。

「契約の状況等」の欄には、契約書や取引明細書等の内容を確認して、借り入れ金額や現在債務の残額などを確認して記入しましょう。

一番下の欄には特に記載は不要です。

特定債務者の資料等(一般個人用)の書き方

特定債務者の資料等(一般個人用)記入例

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次に、特定債務者の資料等の書類の書き方を確認します。

まずは、氏名を書き入れて、勤務先や収入などについて記載します。月収とは別にボーナスがある場合には、「その他」の欄にボーナスの時期と手取り額を記入しましょう。

そして、申立人の資産状況について記載します。持っている資産の種類にチェックを入れましょう。預貯金がある場合には、概算でどのくらいの金額になっているのかの記載も必要です。

さらに、家族の状況欄については、申立人と生計を一にしている人の情報をすべて書き入れます。たとえば妻と子ども2人と生活している場合には、妻と2人の子どもについて、氏名や職業、月収や同居・別居の別を記載します。別居している家族でも、生計が同一なら記入が必要です。

その他返済額等について参考となる事項の欄には、債務の返済資金に関係のある情報を記入します。たとえば、実母に毎月送金している場合などの場合には、そのことを書き入れておく必要があります。もしそのような特別の事情がない場合には、空欄でかまいません。

最後に、返済についての希望の欄には、月々の返済希望額を書き入れます。このとき、債権者が複数いる場合には、すべての債権者に対する支払い額の合計額の希望を書き入れることになります。申立相手の1件だけに対する返済額ではないので、注意が必要です。

関係権利者一覧表(債権者一覧表)の書き方

関係権利者一覧表(債権者一覧表)記入例

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次に、関係権利者一覧表の書き方を説明します。関係権利者一覧表とは、いわゆる債権者一覧表のことです。ここには、借金整理の相手方にするかしないかにかかわりなく、すべての債権者を記入しなければなりません。

まず、一番上の欄に債務者(申立人)の氏名を書き入れます。そして、表部分の記載をします。

具体的には、それぞれの債権者について、その氏名又は名称(会社の場合)債務の内容(当初借入日や当初借入金額、現在残高等)を書き入れていきます。債務の内容については、債権者との契約書や支払明細書などを見ながら記入すると間違うことなく記載ができます。

借り入れについて、抵当権や根抵当権が設定されている場合や、連帯保証人がいる場合には、「担保権の内容等」という欄の該当部分にチェックを入れます。連帯保証人がいる場合には、その連帯保証人の氏名も記載する必要があります。

特定調停申立書(個人事業者・法人用)の書き方

特定調停申立書(個人事業者・法人用)記入例)

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次に、個人事業者や法人が特定調停を申し立てる場合に必要になる、特定調停申立書(個人事業者・法人用)の書き方を説明します。

まず、申立人欄ですが、この部分は一般個人用とほとんど同じです。ただし、法人が申し立てる場合には、法務局で法人の現在事項証明書や代表者事項証明書を取り寄せて、その内容に従って、法人の住所や代表者名を記載します。

たとえば、〇〇株式会社 代表者代表取締役〇〇〇〇などと書きます。押印する印鑑について、法人の場合には代表者印を捺印します。

送達場所を指定したり、送達場所での受取人を指定する場合には、送達受取人欄にその人の氏名を記載しましょう。

相手方の欄については、一般個人用の申立書と書き方は同じです。

次に、紛争の要点の書き方です。

まず、債務の種類ですが、ここでは、債権者に対する債務の種類によって、該当する債務の種類の項目をチェックします。

そして、借受金額等という表があります。ここには、契約日や借受金額、利息や損害金の割合などを記入します。具体的には、契約書などを確認しながら記入しましょう。

さらに、返済状況の表には、借り入れの期間や返済した金額、残元本、利息・損害金の残額を書き入れます。これについては、取引明細書等を見て今までの返済実績を確認しながら記入しましょう。

最後に添付書類の欄には、申立書と一緒に提出する書類にチェックをします。

特定債務者の資料等(個人事業者・法人用)の書き方

特定債務者の資料等(個人事業者・法人用)記入例

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個人事業者用・法人用の特定債務者の資料等の書き方を説明します。

まずは、申立人の資産の状況です。たとえば預貯金〇〇円、自動車、生命保険など、具体的な資産の状況を書き入れましょう。その他の財産の状況の欄には、資産や負債について関係しそうなことがあれば、書き入れます。たとえば未収金の有無や金額などを書き入れると良いでしょう。

さらに、事業内容や事業の経営状況などを記載する欄があります。これらについては、簡潔に記載すればOKです。

そして関係権利者との交渉経過については、特定調停申立前の債権者との交渉経緯について、簡潔に書き入れましょう。

さらに、希望する調停条項の内容の欄には、自分がこの特定調停で希望する借金の返済方法を考えて記載します。たとえば、借金額を20%カットしてもらって、返済期間5年程度にしたい、などです。

特定調停の申立人が法人の場合には、労働組合がある場合にはその名称を、労働組合がない場合には、従業員の過半数を代表する人の氏名を記載する必要があります。

弁護士にチェックしてもらう方法もある

特定調停の申立書類を自分で作成しても、合っているかどうかが不安になることがあります。その場合には、弁護士に相談をして、申立書類に不備がないかどうかをチェックしてもらうことができます。

このような弁護士の利用方法の場合には、実際に特定調停の手続きを依頼するわけではないので、弁護士費用も法律相談料しかかからず、非常に負担が軽いです。

このようにして、不備のない特定調停申立書類を用意できたら、簡易裁判所に特定調停の申立をすれば、手続きが開始します。

まとめ

今回は、特定調停の申立書類の書き方について解説しました。

特定調停は、債務者が自分でも利用しやすい債務整理方法として有名で、申立書類も債務者が自分で作成することができます。

特定調停の申立書類は、特定調停申立書、特定債務者の資料等、関係権利者一覧表という書類があり、特定調停申立書と特定債務者の資料等には、一般個人用と個人事業者・法人用の2種類の書式があります。よって、それぞれの債務者の状況に応じて、適切な申立書類を利用する必要があります。

特定調停の申立書類は、裁判所のホームページでもダウンロードできますし、簡易裁判所で申立書類をもらうこともできます。

契約書などを参照しながら正確に申立書類を記載していきますが、もし自分で作成した特定調停申立書類が合っているかどうかわからず、不安な場合には、弁護士の法律相談を利用して、申立書類に不備がないかどうかをチェックしてもらうことができます。

今回の記事を参考にして、自分で特定調停申立書類を作成して、賢く借金を整理しましょう。

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